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Wienners、脂が乗りまくった「爆裂ポップ・アイランド」全開のツアー初日をレポート!

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18時5分に暗転するや、観客一丸となったハンドクラップにWienners(ウィーナーズ)に対する期待と興奮が表れていた。しかし、それはほんの序章に過ぎず、バンドと観客の双方で作り上げる熱気に圧倒されてしまうほど。

開口一番、「1年半ぶりの全国ツアー、お待たせしました!」と玉屋2060%(Vo/G)は挨拶。Wiennersは2020年にライブハウス支援のために制作した楽曲「GOD SAVE THE MUSIC」をツアー・タイトルに掲げ、また、同年5月に出たメジャー1stアルバム『BURST POP ISLAND』の楽曲を軸に据えた全国12カ所に及ぶツアーを開催。その初日・千葉LOOK公演は見事完売となった。

玉屋、アサミサエ(Vo/Key/Sampler)、∴560∵(B/Cho)、KOZO(Dr)のメンバー4人も気合十分で、序盤から助走ナシの全力疾走を魅せつける。何より、パンクに深く根を下ろした駆動力に長けた演奏は迫力満点だ。さらにバンド界隈では稀有と言える玉屋とアサミサエの男女ツイン・ボーカルによるコンビネーションも抜群。二枚看板の魅力をきちんと落とし込んだ曲調は観る者の頬に爽快な風を吹き付けてくる。

「オリンピックの開会式がある中、この日を選んでもらえてうれしい。コロナとかいろいろあるけど、音楽は自由で楽しいもの!」
と玉屋は前置きし、最新作から「Kindergarden Speed Orchestra」を披露。荒々しい演奏から突如QUEEN、THE DARKNESSに通じるオペラちっくな歌メロが浮上する。かと思えばマーチング風ドラムを挟んで、男女ハーモニーを存分に活かしたパートに突入するなど、やりたい放題の曲展開で走り抜ける。まさに小学生が楽器を鳴らしたような奔放っぷりにニヤニヤが止まらない。多くの観客が満面の笑顔で楽曲を享受しているようであった。

さらに同作収録の「YA! YA! YA!」も曲名を連呼するコーラスは底抜けに明るく、オリエンタルなメロディも癖になる中毒性を発揮。現在は声を出しての連帯感は難しいけれど、そんな空気さえも軽く吹っ飛ばす音のマジックに観客もノリノリで騒いでいた。

バンドは前半から猛烈に飛ばしていたこともあり、「ペース配分わからなくて……もう疲れてる」という玉屋の言葉に会場から笑いが起きていた。出し惜しみせずに初日から振り抜こう、という前のめりの姿勢がこの上なくうれしい。その気持ちが観客の心に火を付けているのは明らかだった。

とはいえ、一本調子に攻め続けるだけではない。しっとりした歌メロが光る「南無阿弥陀仏のリズムに乗って」でクール・ダウンさせたり、エレクトロ色の強い楽曲を織り込んだりと、縦に横にフロアを揺さぶってくる。その象徴が最新作収録のダンサブルな「FAR EAST DISCO」だろう。途中、バンド側の掛け声に観客がクラップで応えるコール&レスポンスのパートも用意され、千葉LOOKはディスコに様変わりする大フィーバーを記録。

冒頭でも軽く触れたが、Wiennersはクラップで容易に参加できる楽曲が多く、歌詞を知らなくても、歓声を出せない状態でも、サウンドと一体化できる仕掛けが散りばめられている。音楽の間口は極力広く設け、中に分け入れば、ジェットコースター的な曲展開や異国情緒漂うメロディ・センス、そして、ラップを交えたミクスチャー・ロックなどアレンジは巧妙。即効性の高いフレーズと一筋縄ではいかないユニークさ。それが背中合わせとなり、ポップ&キャッチーにスパークする瞬間に心底ゾクゾクさせられる。曲が進みにつれて、その高揚感は雪ダルマ式に大きくなる一方であった。

 

「ライヴ楽しいです」と∴560∵がしみじみ呟くと、「ツアーでいろんなところに行きたい。福岡の太宰府天満宮とか……美味しい物も食べたい」と遠足前日の子供のようなコメントを発する玉屋。続けて「対面でやれるのがうれしい」と目の前の光景に感謝するMCも印象的だった。

今日はワンマンライブということもあり、楽曲もここぞとばかりにたっぷりプレイ。この1年半の衝動を詰め込んだ「LOVE ME TENDER」における盛り上がりも白眉で、高まるエモーションを吐き出した鬼気迫るパフォーマンスも圧巻だった。そんな右肩上がりのフロアを言霊ナンバー「UNITY」で強固に束ねる手腕も壮観の一言に尽きた。もちろん、「GOD SAVE THE MUSIC」もプレイされ、闇雲に突っ走るパンキュッシュな音像にも打ちのめされた。

「凄い初日になりました」とアサミサエはツアー初日の感想を述べた後、ここで新曲を初めて披露するサプライズな演出が待っていた。まだ曲名も付いていない楽曲だったが、お世辞抜きにして、初耳でも楽曲の良さが十二分に伝わる名曲であった。KOZOの躍動感溢れるドラミング、祝祭感に彩られた合唱コーラス、∴560∵の深みあるベース・ラインといい、ドラマティックにして生気みなぎるエネルギーを大放出。現時点ではいつリリースされるのかもわからないし、今ツアーで毎回披露してくれるのかも判然としないものの、Wiennersからライブハウスに来てくれた人たちに対するギフト的な意味合いが強いのではないか。その新曲については各地のライブハウスにて、あなたの目と耳で確かめてもらいたい。

とにかく、パンク、ニューウェーブ、パワーポップ、ミクスチャーなど様々なジャンルを盛り込みながら、極彩色のポップ・ミュージックとして掻き鳴らすステージングは、時の経過を忘れるほど楽しいものであった。久々の全国ツアーというハンディを感じさせない、脂が乗りまくった「爆裂ポップ・アイランド」に是非とも足を踏み入れてほしい。

Text:荒金良介
Photo:かい

Wienners「GOD SAVE THE MUSIC TOUR 2021」
7月26日(月)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
7月27日(火)仙台enn2nd
7月29日(木)札幌SOUND CRUE
8月04日(水)高松TOONICE
8月05日(木)福岡Queblick
8月07日(土)広島SECOND CRUTCH
8月10日(火)静岡UMBER
8月11日(水)京都GROWLY
8月13日(金)梅田Shangri-La
8月18日(水)名古屋CLUB UPSET
8月26日(木)渋谷WWW X

《チケット一般販売》
チケット:前売 3,500円(税込) / 当日4,000円(税込)
https://w.pia.jp/t/wienners-gstm2021/

YOUTUBE

■「GOD SAVE THE MUSIC TOUR 2021」開催決定!


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Wienners:https://wienners.net/

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