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Newspeak/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

音楽

インタビュー

ぴあ

Newspeak 撮影:吉田圭子

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FMラジオ局J-WAVE(81.3FM)の新番組『PIA SONAR MUSIC FRIDAY』(毎週金曜22:30〜23:00)。

この番組は、月曜〜木曜22:00〜24:00にオンエア中の『SONAR MUSIC』と連動したミュージックプログラム。“今、聴くべき音楽”にフォーカスして、最新の楽曲や注目のライブイベントなど、番組独自の視点で最新の音楽情報を紹介。

7月30日放送回に登場するのは、7月28日に2ndアルバム『Turn』をリリースしたバンド、Newspeak(ニュースピーク)。アンセミックなUKロックの精神を宿し、スケール感も繊細さもたたえたグッドメロディと多彩なアレンジや力強いバンドアンサンブルは、一発で耳を引く存在感で、ワールドワイドな活躍が期待されるロックバンドだ。
洋楽・邦楽ファンに高い評価を得た1stアルバム『No Man’s Empire』のリリース後、世界が大きく変化したコロナ禍で制作に着手したアルバム『Turn』。SONAR TRAXに選曲された「Generation of Superstitions」はじめ、エネルギーに溢れ、またエモーショナルに心揺さぶるロックアンセム、ロックアルバムはいかにして生まれたのか、3人に話を聞いた。

Newspeakが今できることは、聴いてくれている人やプライベートで近くにいてくれる人を元気付けられる音楽をやること

──1st『No Man’s Empire』は音への探究心が形になった作品で、モダンでありかつ普遍的な歌の強さがあった作品でしたが、今回の2ndアルバム『Turn』は心の動きに素直な、心情により沿ったエモーショナルな作品だと感じます。今回のアルバムは、どのような制作になりましたか。

Yohey:アルバム『No Man’s Empire』のツアーが終わって制作がスタートしたんですけど。はじめは、コロナがなければそのままスムーズに曲を作ってリリースしてツアーをしてという流れを想定して作ってはいましたね。

Steven:数曲は、合宿で書いてますね。

Rei:昨年2月の曲作りの合宿で何曲か作っていて。ただ、合宿から帰ってきた頃には緊急事態宣言が出たりステイホームで、制作が中断したりしつつ、集まれるときに集まって制作をしていったんです。当初はどういうアルバムにしようかというのを話し合いながらやっていたんですけど、そういう話もいつの間にかどこかに飛んでいっていて。振り返ると、音楽的にどうしようという話よりも、そのときに感じていたことをどんどん音楽に入れていったアルバムになっているんじゃないかなって思います。

──制作中にも世の中の状況はどんどん変わっていったと思いますが、バンドとしてはどういう気持ちでいたのでしょう。

Yohey:歯がゆかったですね。家からも出られないのでずっとオンラインでのミーティングをやっていたんですけど。これをやりたいな、ああいうことをやってみたいなと思っても、自分たちの状況がまだそれができるレベルではないんじゃないかという葛藤があったり。こういうことをやってみたいなって思っても人がついてこないとか。考えれば考えるほどそこに行き着いちゃって。何をすればいいんだろうっていうのが、わからなくなっていた状況はありましたね。

Rei:いろいろ考えたけどNewspeakとして今できることは、聴いてくれている人やプライベートで近くにいてくれる人を元気付けられる音楽をやることだという話になって。昨年の夏前から、4カ月連続でシングルを配信リリースをしたんです。

──そういった過程で突破口になった曲、もう一回自分たちの心を震わせた曲というのはありましたか。

Rei:音楽でフラストレーションを吹き飛ばしたという意味では「Another Clone」(2020年7月配信リリース)ですね。これは4カ月連続リリースのなかで唯一アルバムに入っていない曲なんですけど(笑)。オンラインミーティングをしても、バンドをどう進めていくかがなかなか進まないイライラや不安が募って。ミーティングが終わった瞬間にパソコンに向かって、そのときのフラストレーションをそのまま音楽にして、1日か2日くらいでデモを書き終えたんです。それをすぐメンバーに送って、Yoheyがまずベースを入れて。

Yohey:で、さらにそれをStevenに送ってと進めていって。

Rei:いちばんバンドっぽい曲なんですけど、リモートの制作でいちばんバンドっぽくない作り方をしたんですよね。そこで一回爆発したから、次の曲、次の曲と楽しみながら作れたのかな。気持ちが、音楽に向かえたというか。

曲を作っていたときは絶対良くなるとか、前を向こうよって言い切れる状況ではなくて。でも前を向くふりをしてでも進まなきゃいけないっていう。だから“TURN”という、シンプルな言葉にしたかった。

──アルバムを幕開ける曲が「Blinding Light」です。この曲が最初にあるからこのアルバムの晴れやかなエネルギーやパワーが伝わってくる曲ですね。アンセミックな歌にストリングスが絡んでいってさらなる高揚感を生んでいくこのアレンジは、Newspeakの曲のなかでも新鮮でした。

Rei:この曲は結構後の方にできた曲でしたね。4カ月連続リリースでその時々の感情──怒ってるやつ、沈んでいるやつ、どうでもいいやって思っちゃってるやつ、がリリースとなって。最後はやっぱり希望に向かっている曲で終わりたいってことになってできたのが「Blinding Lights」で。最初は違ったシンセを入れていたんです。でも、もう一段階元気になりたいというのがあって、最後の最後にあのストリングスを足したんですよね。スタジオで、Stevenが鼻歌歌いながらどっかにいっちゃってる間に“もう一段階いけるっしょ”ってパソコンの前に座ってやってて(笑)。で、これめっちゃよくない?ってYoheyの方見たら。

Yohey:めっちゃいいやんって。そしたらStevenが戻ってきて、“うん、いいね!”っていう感じで。

Steven:ストリングスって当たり前にインパクトが出てしまうところがあるから、今まではシンセで頑張ろうってみんな思っていたのはあったんだけど。この曲はポイントがはっきりしていたから、ストリングスがはまったね。

──これまでストリングスは敢えて使わないようにしていたんですか。

Rei:ストリングスとかを入れてどんどんゴージャスにしていくと、どうしてもバンドっぽさが消えていくというか。

Steven:ライブだと同期を出さないといけなくなっちゃうし。

Rei:多分、時期的にライブができなかったから、ライブを想定するみたいな脳みそも減ってたんだろうね。それよりも“作品”として向かっていっていたから。こうしてコロナがなかったら、そもそもあの曲ができていなかったと思うし、ストリングスを使おうというのも今のバンドの段階ではなかったと思うんです。バンドっぽくいこうぜってムードになっていた気がするので。そういう意味では、コロナがなかったらまったくちがうアルバムができていたんだろうなと思う。

──「Great Pretenders」は、アルバムのタイトル『Turn』のきっかけになる曲だったということですね。この“TURN”という言葉にどんな思いがありますか。

Rei:いろんな楽曲があって、いろんな感情が1枚の中に入っているんですけど、最終的に行きついたのは前を向きたいということで。“TURN”って、振り返ったり回り道をしたりとか、ターニングポイントという意味もありますけど。好転させて進んでいきたい、乗り越えたいという気持ちが入った言葉だなと思って。曲を作っていたときは絶対良くなるよとか、前を向こうよって言い切れる状況ではなくて。誰がどうやっても、しばらくは世界が変わらないのが見えていたので。だからあまり言い切らずに、でも前を向くふりをしてでも進まなきゃいけないっていう。だから“TURN”という、シンプルな言葉にしたかったんです。

──長きにわたる制作で、その都度の感情が映った今作ですが、とくに思い入れのある曲はありますか。

Steven:何度もやりとりをして進化した曲だと「Great Pretenders」じゃないかな。アレンジが終わって、みんなもこれでいいとなっていたけど。でも今回の制作は時間しかなかったから。終わったはずのアレンジに関しても、本当にこれでいいのかっていう作業が結構あったよね。またこの曲を触るのかっていうのはあったけど(笑)。

Rei:いちばん時間をかけた曲だよね。僕もこの曲はいちばん思い入れがありますね。プライベートでもいろんなことが起きて乗り越えるしかない状況になっていて、歌詞を3カ月くらいかけて作っていましたね。一回アレンジ終わったのに、“すまん、Aメロを全取っ替えさせてくれ”って言って(笑)。なので、いろんな人を勇気付けようとしている曲に聞こえるんだけど、いちばんパーソナルというか。自分の生活のことしか書いていない曲を、ふたりが共感してくれたのが「Great Pretenders」で。

Yohey:コロナというひとつの問題があって、みんな同じ状況下でここまで大変だと、大きな流れがよくわからなくなるじゃないですか。みんな自分の生活とか、身の回りしか目がいかなくなっている状態だから、よりパーソナルな目線に集中した曲の方がぐっとくるというか。自分の状況にも置き換えやすいと思うんです。僕も「Great Pretenders」を聴くと、コロナに入ってから、アルバムができるまでをストーリーで思い出す曲でもありますね。

──Yoheyさんは他にどんな曲が印象深いですか。

Yohey:「Generation of Superstitions」はもともと、ちょっといなためなパーティ・チューンというか、そういうビートの曲だったんです。ただイントロから入ってるビートのリズムを、Stevenがただ面白がって叩いてるところを想像すると、ちょっとイラっとしたんですよ(笑)。

Rei・Steven:はははは(笑)!

Yohey:もうちょっと、ファニーだけど楽しくカッコよく叩かせたいなって思ったので、今のビートに変えていて。

Steven:あのYoheyのアイディアは良かったよね。

Yohey:あとはサビのホーンとギターのユニゾンがすごく効いている曲になって。MVの撮影も面白かったし、作っていていちばん楽しかったですね。

──怒りも憂いも、楽しさもパッケージされたこの感じは、ロックアルバムとしての華やかさが際立ちますね。

Yohey:結果的に今まで出したなかではいちばんロックなアルバムになったなと。

Rei:いちばんエモいっていうね(笑)。やっぱり感情が乗るとロックなものになるし、ロック好きなんだなって。

今はライブにいろんな制限もあると思うんですけど、ひとときでもそんな制限を忘れて音楽に夢中になれるフロアを作りたい

──制作時期に音楽を聴く、インプットするという意味で、積極的に取り入れるようなことはしていたんですか。

Yohey:僕は、全然新しいものを聴こうと思えなかったんですよね。ルーツのものや、バンドをはじめたいと思っていた頃に聴いていたものが多かったですね。「Another Clone」を作っていたときはずっとランシドを聴いていたりとか。その後キュアーしか聴かない時期があったり、ビートルズしか聴かない1カ月があったりとか。

Steven:たしかに僕も新しい音楽を探しにいこうっていう感じではなかったかな。自分の音楽も作りたい、自分でライブをしたいのに、別の人の音楽をあまり聴きたくなかった時期かもしれない。

Rei:俺は最近、その感じになったかな。何を聴いていたか覚えてないですけど、いま流行っている音楽というのはでないところに脳みそがいっちゃってたから。わりと自分たちのルーツとかが、生々しく出ているのかもしれないね。ルーツはそれぞれちがうけど。その散らかったルーツをひとつひとつの曲に入れていったという方が、強くなったアルバムかもしれないですね。

──でもNewspeak自身はもともと流行りを追いかけるとか、そういうバンドではないですよね。それぞれのルーツや個性の化学反応がNewspeakという音になっている印象です。

Steven:そもそも最初集まったときに、どういう音楽を作りましょうかっていう話は一回もやってないですね。3、4カ月やって、曲がいくつかできてから、ああこういう感じのバンドなんだってわかって。

Rei:あえて避けていたところはあるけどね。それを最初に話しちゃうと、それにしかならないから。だから最初は自由にやってみて、どうなるかっていうのをみていたんだと思う。

──それは自分の体験をもとにそういうやり方をしていたんですか。

Rei:Newspeakを組む前に僕はイギリスのリバプールでバンドをやっていて。それ以前はわりと、こういうバンドにしようとか、こういう音楽を作ろうとか決めていたんですけど。イギリスに行って、イギリスの人たちとバンドを組んで。普通に楽しかったんですよね、そのわけわからない感じが。全然俺が通ってきてないようなドラムのフレーズを叩いたりするのも、面白いなって思ったので。帰ってきてからもわりと柔軟にというか、あまり決めすぎないほうが楽しいだろうなというのは思っていたので。とくに最初の方は、とりあえずやってみてという感じだったと思う。

──今もそのマインドは続いている感じですか。

Rei:今も基本的には、デモを元にみんなでアレンジしていく感じではあるんですけど。これからどうなるかはわからないですね。もうちょっと統一感のあるものを作っていきたいっていうフェーズもあると思うし。Newspeakをはじめて3、4年になるので。逆にそうすることが、自分たちにとって新しくなると思ったりもしていますね。

──9月から待望のツアー「Turn Tour」がスタートしますね。

Yohey:アルバムのツアーとしては1年半ぶりになるので、ワクワクしますね。

Rei:今はライブにいろんな制限もあると思うんですけど、それを忘れてしまうようなライブ、制限を破るということではなくて、ひとときでも忘れて音楽に夢中になれるフロアを作りたいと思うし。自分たちもそういった制限を忘れて音楽を楽しみたいなと思っていますね。

取材・文:吉羽さおり 撮影:吉田圭子

■リリース情報
2nd Full Album
『Turn』
発売中 2,500円(税込)
ZTTH-039
【収録曲】
01. Blinding Lights
02. Generation of Superstitions
03. Hear It Out
04. Pyramid Shakes
05. Morning Haze
06. Great Pretenders
07. Weightless
08. Jerusalem
09. Animals
10. Summer Wasted
11. Vinyl Wings of Wanderers
12. Silver Lines
13. Parachute Flare

配信リンク
Spotify  Apple Music  iTunes Store  LINE MUSIC

YOUTUBE
Great Pretenders (Official Music Video)
https://youtu.be/oqfhBQNE-3E

■ライブ情報
Newspeak × w.o.d. スプリットツアー『SUMMER WARS』
8月24日(火) 京都 KYOTO MUSE
8月26日(木) 豊橋 club KNOT
8月27日(金) 静岡 Sunash
9月4日(土) 横浜 F.A.D YOKOHAMA
前売チケット:オールスタンディング 4,000円(別途ドリンク代)
オフィシャルサイト:https://newspeak.jp/news/summer-wars/

Newspeak 『Turn Tour』
9月11日 (土) 仙台 MACANA
9月18日 (土) 大阪 Shangri-La
9月19日 (日) 名古屋 SPADE BOX
9月20日 (月祝) 金沢 vanvan V4
9月22日 (水) 高松 DIME
9月24日 (金) 福岡 Queblick
9月25日 (土) 広島 SECOND CRUTCH
10月9日(土) 東京 LIQUIDROOM
オフィシャルサイト:https://newspeak.jp/news/turn-tour/

■プロフィール
2017 年東京にて結成。リバプール帰りで流暢な英語を歌う日本人ボーカリスト、音楽プロデューサーとしても活躍するカナダ人ドラマー、サウンドエンジニアでもあるベーシスト。国境を越えたマルチカルチャーをベースに、既存の音楽シーンに収まらない唯一無二のサウンドが注目を集めるロックバンド。 結成初年度からSUMMER SONIC など大型フェスティバルへの出演や、The Fratellis やMando Diao など海外バンドとの共演が話題となり、2019 年には47 都道府県ツアーも敢行し、音楽制作のみならずライブバンドとしての魅力と確かな実力にも定評がある。
2019 年にリリースされた1st フルアルバム『No Man’ s Empire』はタワレコメンにも選出され、そのワールドスタンダードな楽曲クオリティは早耳リスナーの間でも高い評価を得る。
2020 年には未曽有の状況の中でもそのクリエイティビティが止まることはなく、4ヵ月連続のデジタルシングルリリースや初のアコースティックEP『The Mind Motel’ s Acoustics』をリリースし大きな話題を呼んだ。
邦楽/ 洋楽の垣根を超えすべての音楽ファンを魅了し、その勢いは止まる所を知らず日々更に成長し続けている。
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Official site: https://newspeak.jp
Twitter: https://twitter.com/Newspeakjp
Instagram: https://www.instagram.com/Newspeak_band/
Facebook: https://www.facebook.com/NewspeakJp/
Spotify: https://open.spotify.com/artist/3eaUqC1a64Qk1pjNBv5L71
YouTube:https://www.youtube.com/c/NewspeakJp
Contact: info@newspeak.jp

番組概要
放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW

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