NEWS 増田貴久ならではの“メンバーカラー論” 4年越しで4色揃えたライブ衣装への特別な想い
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「反抗してたけど……やっぱ好きなんですよねぇ~」。
NEWSの増田貴久が10月16日、ラジオ『KちゃんNEWS』(文化放送)に登場し、メンバーカラーである黄色に対する複雑な想いを告白した。「メンバーカラーにはこだわりがない」その言葉の真意を読み解くと、増田がいかにNEWSというグループを大事に想っているのかが伝わってきた。
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事の発端は、リスナーから送られてきた「3人のマイクにはメンバーカラーが貼ってあるのに、なぜまっすーのマイクに黄色がないんでしょうか」という質問メール。読み上げた小山慶一郎が「増田さん、言ったって!」と嬉しそうに振ると、「言うのね? 言わなくていいと思うんだけど……あえて黄色はヤなの!」と、渋々話し始める増田。もともとマイクについていた黄色の目印を、スタッフに頼んで外してもらったというのだ。
現在、NEWSのメンバーカラーは小山が紫、加藤シゲアキが緑、手越祐也がピンク、そして増田が黄色。たしかにメンバーカラーが決まっていると、何かと便利だ。初めてグループを見た人にとっては、色でメンバーを見分けやすい。アイドル側もペンライトや応援グッズで誰のファンかひと目でわかる。ファンも雑誌の座談会も名前がメンバーカラーになっていれば文字情報よりも感覚的に読み分けられるし、スタッフも誰の小道具なのか色の目印があればとっさに対応できる。
一方で、それだけ色の力は強いともいえる。赤は情熱的、青は冷静沈着、黒はクール、ピンクは愛されキャラ、黄色はムードメーカー……と、私たちは色から瞬間的に多くのイメージを膨らませてしまう。増田がマイクの黄色を外したのも、ファニーな印象を与える黄色のイメージに支配されないためだった。「一時期、超黄色キライだったもん」。雑誌撮影の背景や手持ちアイテムにも黄色が多用されることにうんざりし、黄色NGを出したこともあったという。
だが、キライという感情は、それだけ関心があるということだ。きっと、増田は他の誰よりも色のもつ印象を強く受け止めているのだろう。それがメンバーカラーとなれば、なおさらだ。ライブ衣装を手がける増田は、これまでメンバーカラーの衣装を作ることに抵抗を示していた。それは、メンバーカラーに特別な想いがあるからこそ。
今夏、味の素スタジアムで行なわれたライブでは、手越が2015年のライブツアー『WHITE』で着たピンクの衣装、増田が2016年の『QUARTETTO』の黄色の衣装、加藤が2017年の『NEVERLAND』の緑色の衣装、小山が2018年の『EPCOTIA』の紫色の衣装を着て登場。このとき、増田監修の衣装で初めてメンバーカラーが揃った。「手越が着ていたピンクの衣装は、6人時代に東京ドームで『さくらガール』を歌った時にみんなでピンクの衣装を着ていたから、4人でも東京ドーム立てましたっていう想いを込めて作ったの」。ツアーを重ねるたびに、増田らしさを反映した黄色、加藤をイメージした緑、小山に最も似合う紫の衣装を作っていった。それは、4年越しの集大成。目の前のツアーと同時に、いつか4色の衣装が揃う日を、増田自身が信じてきた証だ。
「メンバーカラーにこだわってない」とは、目に見えている色にこだわっているわけではないということ。小山のメンバーカラーがオレンジから紫になろうと、小山は小山なのだから。増田の思うメンバーカラーとは、まさしくメンバーのカラー(個性)。一人ひとりを見分けるための記号ではなく、異なる個性の象徴。4人で4年間を歩み、そして今4色が揃っている奇跡を感じられる色なのだ。
「僕、本当、黄色大好きなの。黄色、大っ好きなの!」という言葉もNEWSというグループを大事に思うからこそ出てくる言葉に聞こえてくる。「まっすーは黄色でしょ」と安易に決めつけられることには今も抵抗を示す増田だが、自分で選んだスマホケースは今も黄色だ。「それがたとえば誰かから“これ付けてください”の黄色だったら?」と聞く小山に、「裏返す(笑)」と即答する増田が微笑ましい。色を大事にするからこその増田のメンバーカラー論。次にメンバーカラーが揃う衣装が見られるのは、また増田にとって特別なタイミングに違いない。その日が来ることを待つのも、NEWSの歩みをじっくりと見守る楽しみの一つと言えそうだ。(文=佐藤結衣)