「湊横濱荒狗挽歌」開幕、玉城裕規は「役者が魅力たっぷりに生きている」と自信
ステージ
ニュース
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。」より。(撮影:宮川舞子)
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび~しんそう、さんにんきちさ。)」が昨日8月27日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで開幕した。
作劇を野木萌葱、演出をシライケイタが手がける本作は、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場の2021年度メインシーズン「冒」の開幕を飾るもの。劇中では歌舞伎の人気演目「三人吉三」をモチーフにしたハードボイルド現代劇が展開する。出演者には玉城裕規、岡本玲、森優作をはじめ、渡辺哲、山本亨、ラサール石井、村岡希美、大久保鷹、筑波竜一、伊藤公一、那須凜、若杉宏二が名を連ねた。
演出のシライは、開幕に際し「この作品を作りながら、演劇とはこんなにも豊かな行いなのだと再認識し、益々演劇が好きになりました。横浜の地から世界に向けて、我々はここに生きているんだと高らかに宣言します」と意気込み、玉城は「各々の役者が魅力たっぷりに生きているので、是非その生きざまを観に来ていただけたら」と来場を呼びかけた。
上演時間は休憩なしの約2時間10分。公演は9月12日まで。
シライケイタ コメント
とうとう辿り着きました。初日を迎えることがこんなにも難しい世の中になるなんて、誰が予想したでしょう。
「開けない初日はない」
演劇を始めてから、何度も呪文のように繰り返されてきた言葉です。辛いとき、挫けそうなときに、この言葉に何度救われてきたことか。それが今は、「開けないかもしれない」と思いながら稽古をしています。稽古後の飲み会はもちろん、初日乾杯も打ち上げもありません。皆でひとつの作品を作り上げたことを労い合う時間も、本番後の高揚感の中、芝居談義を交わす時間もゼロです。それでも僕たちは、作ることを止められないし諦めたくないのです。
この作品には、全てのスタッフと俳優の願いが込められています。この作品を作りながら、演劇とはこんなにも豊かな行いなのだと再認識し、益々演劇が好きになりました。横浜の地から世界に向けて、我々はここに生きているんだと高らかに宣言します。この作品が、どこまでも高く飛躍するように祈ります。
どうか見届けて下さい。ご来場、心よりお待ち申し上げております。
玉城裕規 コメント
野木さんが描いた世界の中で、各々の役者が魅力たっぷりに生きているので、是非その生きざまを観に来ていただけたらなと思います。人が生きようとする生命力や熱量がつまっていて、辛さや苦しさがあっても懸命に生きている人たちの人間模様が描かれた作品です。
演じていて、ふと振り返るとよく分からなくなる程我を忘れてしまう瞬間もあるのですが、日々楽しくやっておりますので、この機会に、ご無理なさらない程度に観に来ていただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
岡本玲 コメント
まずは、このような状況の中で誰ひとり欠けることなく無事に初日を迎えられたこと、お客様にご観劇いただけたことを心から感謝したいです。カーテンコールで拍手をいただいた時に、これは当たり前な事ではないと、あらためて身が引き締まりました。
野木さんが書かれた独特な台詞のやり取りや世界観を、「役者を見せたい」と言って下さったシライさんが演出したこの作品と役者とのぶつかり合いによって、毎回新しいものが生まれています。私も演じていて、ラストがどこへ向かっていくのか毎回楽しみな部分があり、一度この空気を感じていただけたらやみつきになるかも……と思いますので、是非体感しに来ていただけたら嬉しいです。
森優作 コメント
野木さんの戯曲には良い意味での違和感があり、不思議な世界です。そこに、これまでの俳優としての道筋がそれぞれ違うベテランの役者さんが集っていて、玉城さん、岡本さん、自分も毛色が全く違うと思っているので、お芝居をしていてすごく楽しいです。作品の世界観はもちろん、役者たちの掛け合いや会話も見どころです。
“ハードボイルド”と聞くと「渋いのかな」と思われるかもしれないですが、ばかなことを一生懸命やっている結果滑稽に見える人間のおかしみなども感じられると思うので、そのおかしみや滑稽さを楽しんでもらえたらなと思います。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。」
2021年8月27日(金)~9月12日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
作:野木萌葱
演出:シライケイタ
出演:玉城裕規、岡本玲、森優作 / 渡辺哲、山本亨、ラサール石井、村岡希美、大久保鷹、筑波竜一、伊藤公一、那須凜、若杉宏二