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韓国大ヒットミュージカル『#チャミ』の日本版がまもなく開演。剛力彩芽・Dream Ami・丘山晴己・石井一彰が意気込みを語る!

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インタビュー

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左から)石井一彰、Dream Ami、剛力彩芽、丘山晴己

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韓国で大ヒットを記録した人気ミュージカル『#チャミ』が日本人キャストにとって上演される。自分に自信を持てないヒロイン“チャ・ミホ”と彼女がSNS上に生み出した完璧な存在である“チャミ(@CHA_ME)”が巻き起こす騒動をコミカルに描く本作。共にミュージカル初挑戦となる剛力彩芽とDream Amiをダブル主演に迎え、しかもふたりがミホとチャミのふた役に挑戦する。上演を前に剛力とAmi、そして劇中でミホが憧れる“完璧な男子”であるオ・ジニョクをダブルキャストで演じる丘山晴己と石井一彰の4人に話を聞いた。

――最初に本作のオファーが来たとき、物語についてどのような印象を受けましたか?

剛力 最初にお話をいただいたときは、まだ韓国語による映像と簡単なあらすじだけしかなくて、なんとなく「こういう話です」という設定や物語は分かりつつも、映像を見ても細かい部分は理解できなかったんです。

だけど、コミカルでポップな雰囲気と、実はそこで展開する“ありのまま”で生きることの大切さを伝える物語のギャップをすごく感じて、「これは間違いなく面白いだろう!」って感じました。

ただ「やります!」とお引き受けしてから「ミホとチャミのふた役でお願いします」というお話が来まして……(苦笑)。ミュージカル自体、初めてですが、純粋に面白そうだなと思って挑戦してみようと思いました。

剛力彩芽

Ami 彩芽ちゃんと同じく最初に韓国盤の映像を観て、何を言ってるのかは分からないんだけど、音楽もいろんなジャンルの曲が使われていて、コミカルな雰囲気で、すごく心に入ってきて、それだけで観ていて楽しかったしやってみたいなと思いました。きっと、この作品は観てくれたお客さんの明日への活力になったり、観終わった後にちょっとだけ自分の世界が変わるような作品になりそうだなと感じました。

Dream Ami

丘山 最初、すごくポップな雰囲気だなという印象を受けました。韓国で上演されて、そんなに日が経たないうちに日本に来たということで、すごくタイムリーな作品で、ワクワクが止まらなくて楽しみだなと思いました。

Ami 真面目(笑)!

丘山 いやいや、真面目じゃないとおかしいでしょ(苦笑)!

Ami (公式のビジュアル撮影が行われていた)さっきまで、ずっとふざけてたのに。

石井 いやぁ、どこで笑わせてくれるのかと思ったら、笑うとこなかったね。

Ami そういうパターンもあるんだ!

丘山 “パターン”って何(笑)? ちゃんとできますよ!

丘山晴己

石井 僕は、観に来てくれるお客さんが「こんな物語だったんだ!」と良い意味で裏切られる話だなと思いました。今メディアに出ている情報だと、ポップでコミカルな感じだけど、物語は「あ、そういう展開になるんだ?」というポップなだけでない、ちょっとダークな部分もあるのがすごく魅力的だなと思います。

剛力 真面目だ(笑)。

丘山 なんで真面目だと怒られるんだよ(笑)!

石井一彰

剛力&Dream Amiはミュージカル初挑戦、しかもふた役に挑戦

――剛力さん、Amiさんにとってはミュージカル初挑戦で、しかもそれぞれミホとチャミのふた役を演じられます。

剛力 私は歌が不安でしかないです(苦笑)。もう、これは頑張るしかないんですよね……。ただ、歌唱指導でひとりで先にレッスンしているときは、不安しかなかったけど、みなさんと合わせるようになって、カンパニーの空気がメチャクチャいいので、安心して甘えられるんですよね。さっきもAmiさんに「ここの音って……」と気軽に聞いたり、すごく甘えさせてもらっています。

こうやって立ち稽古も始まって、ようやく不安が楽しみな方に変わってきたかなというのはありますね。ふた役に関しても舞台では初めての経験で、これからどうなっていくのかという不安はありますけど……でもこの数日間の稽古で、“不安”よりも圧倒的に“楽しみ”のほうに針が振れてるんですよね。

Ami 私は彩芽ちゃんとは逆で、演技の方がメチャクチャ不安で……(苦笑)。経験豊富なみなさんの中に入ってやらせてもらうということで、「ひとりだけ棒読みだったらどうしよう?」とか「みなさんについていけなかったらどうしよう?」という不安しかなかったんです。でもやっぱり私も、この数日の稽古の中で、不安じゃなくて、楽しめるようになってきたり、「不安をどう乗り越えていくか?」と自分に対してさえもワクワクしちゃっている部分もあって。

それはこの素晴らしいカンパニーのおかげだと思います。この作品自体、自分らしさだったり「自分は自分」とできない自分を愛し、認めていくというお話なので、そういうところでもリアルに私自身、背中を押されているのかなと思います。今は不安は本当になくて、2%くらいですね。

丘山 素晴らしい! いや、入り込み方が違いますからね。さっきのビジュアル撮影で僕のほっぺをなめてましたからね。

Ami なめてない(笑)! ホントに!

石井 え? それ俺にはなかったなぁ……。

Ami いやいや! なめてないから! ピアスがほっぺたに当たったんです! そうしたら撮影が終わった瞬間に「え? 今、なめた?」って(笑)。これ何の話(笑)?

――自分に自信が持てないでいるミホと、彼女がSNSで作り出した“完璧な存在”チャミという一見、対照的なふたりについて、共感する部分であったり、難しさなどを感じたりもしていますか?

Ami 私はこのふたりって、違うようで同じところがあるなって感じてるんです。ミホはリアルに共感できるところが多くて、それは私だけでなく、観ていただくお客さんもほとんどの人が「私はミホ側だな」と感じると思うんです。

一方のチャミは、SNSで作られた理想の自分という設定なので、何でもできて自信満々で全てを完璧にこなす存在と思われがちだけど、彼女も実はちゃんと“心”を持っていて、悔しさや自分の弱さに気づく部分もあるんですね。結局、チャミもミホも違うようで似ているのかなと。それを演技でどう見せるかは、これからやっていかないといけない部分ですね。

剛力 そうなんですよね。ミホは等身大の存在で共感できるし、自分に自信がない部分なんかは幼いと言えば幼いですよね。でも、台本で読んでいるときの印象と、いざ稽古で動いてみると全然違ったりするんですよね。体を動かしてみると、意外とミホって自信がない子のように思えて、実は仲のいい子といるときはすごく明るかったり、自分の言葉をきちんと発したり、素直になれたりするもする。そういうところも誰しもあると思います。

チャミに関しても、ミホが理想としていた存在なので、「完璧でいなきゃいけない」とか、「全部できて当たり前」となっているけど、実際に世の中でも、そういう思いに縛られている人もいるんじゃないかと思うんです。そういう意味で、チャミにドキッとさせられる人も結構いるんじゃないかなと思います。

特に稽古で動き始めて、チャミに関しては強くそう感じるようになりましたね。“心がない”、“人形のように完璧で、誰もが憧れる存在”と思っていたけど、そうじゃなくて“誰にでも好かれて当たり前と思っている子”なのかなって。その違いってすごく大きいと思うし、面白いなって感じます。お客さんがチャミにドキッとする瞬間があったらいいなと思って、お芝居を作り直していこうかなと思っているところです。

「とにかく何でもやってみよう」というカンパニー

――丘山さん、石井さんが演じるオ・ジニョクは“自他ともに認める完璧男子”という設定ですが、どんな部分に魅力を感じ、それをどう見せていこうと考えていますか?

Ami 気になる!

剛力 そこホント気になる(笑)。

丘山 いや、真面目な話をさせてもらいますけど……(笑)、やっぱり“チャミの男性版”として存在する登場人物なのかなと思ってます。ただ、この作品のラブコメという要素の中で、ちょっと違った“スパイス”にもなれたらなと思っていて、そのスパイスをどうやってマーキングしていくか? 1本のショウの中で多すぎず、少なすぎずに魅力を出せたらいいなと思っています。

ちょっとダークな部分も持っているので、観客から見て、どっちつかずというか、憎めず、でも好きになれず、面白いかというと、いや、そうでもないし、カッコいい? いやカッコよくない……そんなグレーゾーンをアーティスティックに作りたいなと思っています。

石井 僕は正直、ノープランです。僕自身、役作りって普段から苦手で、ご一緒させていただく方に合わせつつ、いろんな役をやらせていただいているので。

オ・ジニョクに関しては、完璧だけども、変わっていくーー日常の世界にいる一見完璧な人も、絶対に弱さがあるはずだし、そういうところをいいバランスで見せつつ、危ない存在感を出せたらなと思ってますね。「あいつ、なんなんだ?」と思ってもらえるような、さっき丘山さんもおっしゃっていた“スパイス”を感じさせられたら……。

Ami “丘山さん”?

丘山 今までそんな呼び方したことないでしょ(笑)!

石井 ピンク色の中にちょっとだけ黒いところを見せるような、そんな見せ方をできたらいいですね。

――ここまでお話を聞いていても、カンパニーの雰囲気の良さ、和気あいあいとした感じが伝わってきますが、実際に立ち稽古が始まってからの稽古の様子や、カンパニーのムードについて教えてください。

Ami どんどん良くなってます!

剛力 メチャクチャ楽しい(笑)。

丘山 (剛力さんとAmiさんの)ふたりが主演として真ん中に立っていて、演出の(田尾下)哲さんも加わって、カンパニーとして「とにかく何でもやってみよう!」という雰囲気がすごく強いんですよね。彩芽ちゃん、Amiちゃんのチャレンジ精神とキラキラ感がすごく温かくて、こっちもなんだか調子に乗っちゃうんですよね(笑)。

石井 そうそう! 「いつ怒られるんだろう?」と思いつつ、いろいろやってみたくなるのね(笑)。

Ami 私と彩芽ちゃんは、ふた役をやるので いっぱいいっぱいなところもあるんですよ。覚えることも多くて……。そういう中で、おふたりをはじめ、男性キャスト陣のみなさんがいい雰囲気を作ってくれています。楽しむことを忘れがちになりそうな中で、「楽しんでいいんだ」って思わせてくれるんですよね。

剛力 今「いっぱいいっぱい」って言いましたけど、(Amiさんは)動じないですからね(笑)。いつも爽やかで。

Ami 今の言葉はそのままそっくりお返しします(笑)。

“ありのままの自分”との向き合い方

――本作のテーマでもある“ありのままの自分でいい”ということは、いろんなところで言われていることだと思います。とはいえ、現実には周りの目を気にしてしまったり、SNSで自分を作ってしまったりするという人も多いと思います。みなさんが“ありのままの自分でいいんだ”と思えた経験があれば教えてください。

石井 20代の頃って評価を気にしすぎていた自分がいたんですけど、30代になってすごく楽になったんですよね。周りの人の目とか評価を気にして、舞台に立っても評価が気になってエゴサーチをしたりしてたけど、今思うと「全部無意味だったな」って。楽しければいいし、共演陣と一緒にいい作品を作って、それを楽しんでくれるお客さんがいれば十分だって思えるようになって気張らなくなりました。具体的にきっかけがあったわけではないんですけど、年齢を重ねたことが大きいのかな?

石井一彰

Ami 私はこの1~2年くらいで“ありのままの自分”とか“できない自分”、“コンプレックスに思っていたこと”、“できないと思い込んでいたこと”ーーそういうもの全てを含めてそれが自分だし、「できない」と言えることが、ありのままの自分でいられるってことなのかなって思えるようになりました。

ひとつ大きかったのは去年、YouTubeを始めたんですね。それまではTVや作られた世界の中での自分を視聴者やファンのみなさんに見てもらっていたんですけど、初めて、今まで見せてこなかったプライベートとか、素の自分を見せるようになって、何の忖度もなく、言いたいことを言って、見せたいもの見せて、それに対して視聴者からいい反応をもらえたことで「あぁ、こんな自分でも、そう思ってもらえるんだ」と思えたんですよね。

それもあって、今回の作品に関しても、これまで演技を避けてきて「やりたくない」「一生やらない」って言い続けてたんですけど、タイミングもあってご縁をいただいて、「やってみよう!」って思えるようになったんです。自信なんて今でも全然ないんですけど、「できない自分と向き合ってみよう」と思ってやり始めてみたら、周りの素晴らしい人たちの中で「演技って楽しいかも」と思えるようにもなって。まだまだ全然できていないんだけど、できないと分かっていてやるって、今まで経験したことなかったし、これがありのままの自分なんだなと感じています。

Dream Ami

丘山 ちょっと質問の趣旨と少し違う話になるかもしれないんですけど……。僕は以前アメリカで生活していたんですけど、最初に向こうに行ったときは英語が全然しゃべれなくて、学校でも周りはネイティブばかりで、僕は適当に「OK!」とか返事して明るくふるまって、「あぁ、アメリカが自分を受け入れてくれてる」と思ってたんです、あまり深く考えずに(苦笑)。

でもあるとき、別の国から来た子が「英語ができなくてバカにされた」って泣いていたんです。僕は、それまでイジメられた経験もなかったし、そこまで思いが至らなかったけど、いろんなことに無知のままだったからこそ、周りの悪意をやり過ごせていた部分があったんだなってことにそこで気づいたんです。

もしかしたら、いろんなことを知り過ぎていたら、ありのままの自分でいられなくなっていたのかもしれない。それこそ、今の時代はSNSだったり、情報があり過ぎるじゃないですか? それによって、本当の自分、ありのままの自分から遠ざかっちゃっている部分もあるのかなと思うんですよね。無頓着に“ありのまま”でドンと構えていた方がいいのかもって。

丘山晴己

剛力 私は昔から、あまり周りの意見を気にしないタイプなんですよね。本当に私を分かってくれる人がごく数人いればいいと思ってて、そういう意味で、小さい頃から自分のままでいられる場所があったんですよね、“家族”とか“仲間”とか。

でもこの仕事をしていると、数字とか評価って目に見える形で絶対についてくるんですよね。20代の前半頃は「気にしない」と言いつつ、気にしていたと思います。ただ、この1年ほどのコロナ禍で、家にいる時間が増えて、嫌でも自分と向き合わなきゃいけなくなったというのはすごく大きくて、それまで忙しかったから、自分と向き合わなくて済んでいたんだなというのを実感しました。

自分は何が苦手で、何が好きで……とか、この1年くらいで自分と対話することを意識するようになって、周りに対しても「相手が何を望んでるか?」「こう接したらどうだろうか?」とか考えるようになって、結果的に周りがどう受け取ろうが、「私はこれをやりたい」と思えるようになったし、相手の思いも「私は受け止めればいいんだ」って思えるようになったんです。

“受け入れる”と“受け止める”って違うと思うんですよね。受け入れようと思うと難しく考えすぎたり、理解しきれず周りのことを否定してしまうと、周りの“ありのまま”も否定することになっちゃう気がして。私も周りのありのままを受け止めるし、相手にも受け止めてもらうだけでいいんだなって。そう考えるようになってすごく楽になりましたね。

剛力彩芽

ミュージカル『#チャミ』
2021年9月9日(木)~同21日(火)
会場:自由劇場
公式サイト:http://musical-chame.jp/

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