総展示数800点以上!サンリオの「カワイイ」の全てをがここに『サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史』六本木ヒルズにて開催中
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増田セバスチャン《Unforgettable Tower》 (C) 2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376
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すべて見るハローキティにキキララ(リトルツインスターズ)、マイメロディなど、だれもが一度は目にしたことがあるキュートなキャラクターたちは、2020年に創立60周年を迎えたサンリオが作り出してきたものだ。そのサンリオの歴史を振り返る『サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史』が、来年1月10日(月・祝)まで、六本木ヒルズにある東京シティビューにて開催されている。
サンリオの歴史は1960年に設立された前身の組織、山梨シルクセンターからスタートする。ハローキティをはじめ、世界共通言語となった「kawaii」キャラクターは現在400種類以上誕生している。
本展では、そんなサンリオの「kawaii」を核にしたキャラクタービジネスがどのように生まれ、発展していったのかを6つのゾーンと10のテーマ、800点以上の展示品で紐解いていく。
まず、エントランスで鑑賞者を迎えるのは、増田セバスチャンによる《Unforgettable Tower》。約6000体のぬいぐるみを使った高さ8mの作品は、この展覧会のために制作された“記憶の積み重なり”をイメージしたものだ。
第一章「カワイイのはじまり」は、ハローキティたちが生まれる前のサンリオ創成期について紹介するゾーンだ。
当時のサンリオはかわいらしい意匠のグリーティングカードや雑貨を制作していたほか、人気のイラストレーターを起用した雑貨類が好評を博していた。内藤ルネのほか、水森亜土や佃公彦、やなせたかしなど錚々たるメンバーがサンリオグッズを手掛けている。
また、サンリオは出版事業にも乗り出し、やなせたかし詩集のほか、SF小説やまんが雑誌など幅広い分野の書籍を発行。現在もそのラインナップは高い評価を受けている。
そして、1970年代に入り、サンリオはオリジナルキャラクターの開発を開始。パディ&ジミーの誕生を皮切りに、1974年にハローキティ、75年にマイメロディなど現在まで続くキャラクターが続々と誕生。またたくまに日本中の子どもたちの心を掴む存在となった。
つづく「サンリオキャラクターズ」の章では、サンリオの代表的なキャラクターのグッズや原画が紹介していく。そして、ハローキティをはじめ、サンリオキャラクターは子どもだけでなく大人にも、日本だけでなく世界にもその活動の幅を広げていく。
その一方、1975年から現在まで続くサンリオの機関紙「いちご新聞」は、日本中のサンリオファンとサンリオとをつなぐネットワークとなっていた。展覧会場では、創刊号から現在まで続く「いちごの王様」の直筆原稿も展示されている。
そして、現代アートファンに見逃せないのが、サンリオキャラクターズと現代美術アーティスト全6名のコラボレーション展示。温かみのある彫刻で人気のはしもとみおによるシナモンや、アクリル樹脂の金魚で知られる深堀隆介の作品は、新しいサンリオの方向性も提示しているかのようだ。
サンリオという企業が追求した「kawaii」を多方面から楽しめる展覧会。だれもが心が満たされる場所だ。
構成・文:浦島茂世
【開催情報】
『サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史』
2021年9月17日(金)~ 2022年1月10日(月)、東京シティビューにて開催
https://www.tokyocityview.com/sanrio-museum-ex/
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