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善戦はもういらない、目指すは勝利のみ! ラグビー日本代表、世界3位・豪州戦へいざ!!

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リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)、稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)ら日本代表の面々 (C)JRFU

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もう善戦はいらない。ホームで戦う以上目指すのは勝利である。ラグビー日本代表がオーストラリア代表に本気で勝ちにいく。

『ラグビーワードカップ(RWC)2019』でベスト8に入った日本代表と『RWC』優勝2回・準優勝2回の豪州代表には歴然とした実績の差がある。世界ランキング3位のワラビーズに対して、日本は10位。直接対決の成績を振り返ってみても5戦5敗。2000年以降の対決も『RWC2007』では3-91の大敗……、2017年11月のホームゲームでも30-63の完敗を喫した。

しかも、今回が秋のツアー初戦となる日本と異なり、ワラビーズは試合を重ねてきた。7月、若いメンバー中心のフランス代表には辛くも2勝1敗と勝ち越し、8・9月の『プレディスローカップ』『ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)』ではニュージーランドに3連敗と世界ランキングは7位まで後退した。ここでデイヴ・レニーHCはある決断を下す。『RWC』王者・南アフリカとの『TRC』第3戦に花園近鉄ライナーズ所属のクウェイド・クーパーを4年ぶりに代表復帰させると、先発SOに起用したのだ。

ベテラン司令塔はさすがのゲームコントロールとボールさばき、そしてサヨナラPGで28-26の劇的逆転勝利を手繰り寄せたのだった。これで豪州代表は完全に覚醒した。続く『TRC』第4戦でも30-17で南アに連勝を飾ると、アルゼンチンにも連勝。『TRC』4連勝締めで2位となったのだ。

WTBマリカ・コロインベテが爆発的なスピードで突破を見せれば、PRタニエラ・トゥポウとCTBサム・ケレヴィはパワフルにゲインラインを破っていく。さらにNECグリーンロケッツでプレーしたWTBアンドリュー・ケラウェイがトライを量産、『TRC』最多トライをマークした。そしてFLマイケル・フーパーは豊富な運動量でグラウンドを所狭しと動き回り、ピンチの芽を摘むジャッカルをズバリ。相変わらずの存在感を発揮している。

今ワラビーズは絶好調。オーストラリア代表は自信満々で来日を果たした。3か月半のトレーニングとテストマッチでチームの完成度を高めているワラビーズに、日本代表は1か月弱の合宿で挑む。形勢は不利である。それでも選手たちは負ける気なんてさらさらない。

新キャプテンに任命されたピーター・“ラピース”・ラブスカフニが「どのチームにもそれぞれのスタイル、強みがある。スプリングボクスのプレー、オールブラックスのプレー、ワラビーズのプレー。すべてのチームに特徴やスタイルがある。自分たちは自分たちの戦い方にプライドを持って戦うことが大事。それがきちんと出せれば、結果として出ると思う」と言えば、ジェイミー・ジョセフHCも「このツアーの最初のセレクション。宮崎合宿から数週間経った。オーストラリアは南アフリカ、アルゼンチンを倒してきた。選手たちはエキサイティングな気持ちだ。私たちにとってとてもチャレンジングな戦いになる」と対戦が待ち切れない様子を見せた。

さらにPR稲垣啓太は「テストマッチは勝たないと意味がないと思っている。特に自国でテストマッチを行うことがどれだけかの意味があるか僕は理解しているつもりなので、勝つ姿をお見せしたい。結果が出なかったら罵ってもらった方が楽。日本代表に対して『こんな試合しやがって!』というレベルへいっていいと思う。僕らはそんなことを言わせないように結果を残すつもりで準備していくし、選手は100%結果にフォーカスすべき」とまで言い切った。

ジョセフHCは豪州から勝利を奪うためにこのメンバーを送り出す。

■日本代表試合登録メンバー
1稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、2坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、3具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)、4ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、5ジェームス・ムーア(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)、6ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、7ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、8姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)、9流大(東京サントリーサンゴリアス)、10松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、11シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)、12中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)、13ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ)、14レメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛)、15セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)、16庭井祐輔(横浜キヤノンイーグルス)、17クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、18ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、19リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)、20テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)、21齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)、22田村優(横浜キヤノンイーグルス)、23ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

ワラビーズの印象を問われると、指揮官はこのように答えた。
「毎試合毎試合力を付けている。クオリティの高いコーチ陣・選手たちが揃い、レニーHCが就任後しっかり力を付けている。だが、我々は我々の準備にフォーカスして戦いに臨みたい。オールブラックスとの3試合は難しいゲームになったが、最初のスプリングボクス戦でタイトな接戦で倒し、勢いを得たのではないか。『RWC』王者を倒したチームと戦えるのは我々も楽しみ」 SH流&SO松田の先発起用について質問されると、こう返答した。 「田村はチームにとって重要な選手だが、いくつか小さいケガもあり、松田に先発してもらう。松田はしっかりいい準備ができている。彼にとってとてもいい機会になるだろう。 流は『RWC』でもスターディングメンバー。前回のツアーはいなかったが、彼はクオリティが高くリーダーシップもある。彼が戻ってきて、私もうれしい。流には自分の仕事をしっかりしてほしい。彼の存在がチームに好影響を与えるだろう。9番には特別な役割がある。ティアⅠに勝つには役割をしっかり遂行すること。ボールを動かし、周りの動かすことが大事になる」

初キャップのガンターが先発し、前主将リーチが控えに回ったFW第3列の人選については、次のようにコメントした。
「スピードのある試合をしなくてはいけない。スキルのある選手を選んだ。ラピースはハムストリングスの軽いけがをしたが、今は100%コンディションが戻ってきた。キャプテンとしてしっかり役割を果たしてくれるだろう。
より良い準備ができている選手がガンター。リーチはこれまでの経験を生かして後半にインパクトを与えるというセレクションになった。最初から出る選手と後半から出る選手の役割は違う。チームにとって最良だと思い、このメンバーになった。リーチとか田村とかという経験ある選手が試合途中から出てきて、チームにインパクトを与えてくれることだろう」

FBには山中亮平に代わってマシレワをチョイス。ジョセフHCはその理由をこう述べた。
「山中は残念な気持ちだろう。彼はこれまでこのチームでたくさんプレーしてきたが、チームのバランスを考えた。マシレワがこの合宿でいいパフォーマンスを見せていた。マシレワはハイボールのキャッチもうまいし、どこからでもアタックできる。欧州遠征には松島(幸太朗)も合流する。そういうバランスを考慮し、このメンバーになった」

ジョセフHCは若いWTBフィフィタにも期待を寄せた。
「彼も素晴らしいポテンシャル、可能性を持っている選手。(ブリティシュ&アイリッシュ・)ライオンズ戦でもアイルランド戦でもエナジーがあり、スピードがあった。テストマッチを経験させればさせるほど、シオサイアはいい選手になっていくと思う」

指揮官はラブスカフニのキャプテンシーにも信頼を寄せた。
「リーチとはまた違うリーダーだと思う。まだ彼なりのリーダー像を模索している段階だと思う。ラピースはパフォーマンスでリードしていくタイプ。中村とともにふたりの素晴らしいリーダー陣として今後活躍してくれることだろう」

一方のワラビーズはレニーHCが以下のメンバーで必勝を期す。
■オーストラリア代表試合登録メンバー
1ジェームズ・スリッパー、2フォラウ・ファインガア、3タニエラ・トゥポウ、4アイザック・ロッダ、5マット・フィリップ、6ロブ・レオタ、7マイケル・フーパー、8ロブ・ヴァレティニ、9ニック・ホワイト、10クウェイド・クーパー、11アンドリュー・ケラウェイ、12ハンター・パイサミ、13レン・イキタウ、14トム・ライト、15リース・ホッジ、16コナル・マキナニー、18アラン・アラアラトア、19ダーシー・スワイン、20ピート・サミュ、21テイト・マクダーモット、22ジェームズ・オコナー、23ジョーダン・ペタイア

果たして日本が歴史的初勝利をマークするのか、豪州の余裕を奪えずまたもや返り討ちに遭うのか。『リポビタンDチャレンジカップ 2021』日本代表×オーストラリア代表は10月23日(土)・昭和電工ドーム大分でキックオフ。チケットは残りわずか。試合の模様は日テレ系にて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

『リポビタンDチャレンジカップ 2021』日本代表×オーストラリア代表チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2183902

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