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「やっとたどり着けた」と吉田都、新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」明日開幕

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新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」公開舞台稽古より。(撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」が明日10月23日より、東京・新国立劇場 オペラパレスにてスタートする。それに先駆け、本日22日に公開舞台稽古が行われた。

「『白鳥の湖』<新制作>」は、ピーター・ライト演出のプロダクションで、昨年、新国立劇場舞踊部門の芸術監督に着任した吉田都の就任第1作目となる予定だったもの。新型コロナウイルスの影響で延期となり、明日23日に吉田の就任2期目となる新シーズン第1弾として、日の目を見る。公開舞台稽古の開始前、舞台上に現れた吉田は「やっとたどり着けた」と心境をあらわにした。「(海外からの)スタッフのおかげで、サー・ピーターにも喜んでもらえる仕上がりになりました。また、今シーズンはダンサーもますますパワーアップしてまいりたいと思っています。愛が死を凌駕するドラマチックな舞台をお楽しみください」と語った。また、新国立劇場バレエ研修所の開所から所長を務めた牧阿佐美の訃報にも触れ、言葉を詰まらせながら「(今年6月に上演した)『ライモンダ』で牧先生に何度もお越しいただき、的確な、素晴らしいアドバイスをいただきました」と言い、開幕公演を牧の追悼公演として行うことを明らかにした。

「『白鳥の湖』<新制作>」は人物の心情がわかりやすく描かれ、演劇的要素が色濃く立ち上がるバレエ作品。父の死によって戴冠し、結婚相手を決めなければならないジークフリード王子と、白鳥に姿を変えられたオデット姫が、“永遠の愛の世界”で結ばれる様子を描く。

舞台稽古では、静けさが漂う湖畔、華やかな宮廷、クライマックスでの激しさのあるシーンなどで、舞台上にそれぞれ重厚な装置が建て込まれ、その中でダンサーたちが美しく舞った。細かい装飾が施された衣装は豪華で、劇世界を作り上げる大きな要素を担う。舞台稽古でオデット / オディール役を演じたのは米沢唯。柔らかい身体遣いの上品なオデット役から一変、ジークフリード王子を魅了するオディール役では力強さと豊かな表情で魅せ、2役を見事に演じ分けた。一方、福岡雄大は、重力を感じさせない跳躍と清潔感でジークフリード王子を好演。舞台下手で落胆したり孤独な雰囲気を漂わせたりする王子の変化にも注目したい。米沢と福岡は終始、繊細で息の合った踊りを披露した。

1年の延期を経ての上演となる本作は、カンパニーの気迫が観客席にまで伝わるような、厚みのあるプロダクションとなった。上演時間は休憩を含む約3時間5分。公演は11月3日まで新国立劇場 オペラパレスで行われたあと、7日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センターでも上演される。

新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」

2021年10月23日(土)~11月3日(水・祝)
東京都 新国立劇場 オペラパレス

2021年11月7日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール

振付:マリウス・プティパ / レフ・イワーノフ / ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
共同演出:ガリーナ・サムソワ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

出演

オデット / オディール:米沢唯、小野絢子、柴山紗帆、木村優里
ジークフリード王子:福岡雄大、奥村康祐、井澤駿、渡邊峻郁、速水渉悟

※長野公演には米沢唯と速水渉悟が出演。