Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 魔法とミュージカルで描くディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』特集

魔法とミュージカルで描くディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』特集

PR

『アナと雪の女王』『ズートピア』など数々の名作をおくりだしてきたディズニー・アニメーション・スタジオの新作映画『ミラベルと魔法だらけの家』がついに日本での公開をスタートした。本作は、誰もが魔法を使える一家に生まれ育った“家族で唯一魔法が使えない”主人公ミラベルの物語だ。

1:これぞディズニー映画! 魔法と音楽で綴る家族の物語

2:魔法を使えないミラベルはなぜ魅力的なのか?

3:本作が描く“本当の魔法”とは? 感動必至の結末に注目

これぞディズニー映画! 魔法と音楽で綴る家族の物語

紙の上に描いた絵がいきいきと動き出し、歌い、踊り、大冒険に出かける。アニメーションの世界を進化させてきたディズニー・アニメーション・スタジオの歴史は、“絵に生命を吹き込む魔法”の歴史でもある。

『蒸気船ウィリー』ではミッキーマウスが軽快なメロディに乗せて踊り、世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』ではヒロインが歌うと小鳥たちがメロディに合わせて空を舞った。『美女と野獣』では魔法の力で野獣に姿を変えられた王子と心優しい娘の物語が描かれ、『アナと雪の女王』では姉妹が心を通わせながら強大な魔法の力との向き合い方を見つけていった。

夢を見ているような美しい世界、現実では味わえない不思議な体験、映画のテーマ曲になるだけでなく、その後も“スタンダード曲”として愛され続ける名曲の数々と華麗なミュージカルシーン、そして年齢を問わず愛され続ける主人公たちのドラマ……そんなディズニー作品の魅力のすべてを集めて、現代の観客の心に響く作品に進化させたら? その答えが公開中の『ミラベルと魔法だらけの家』だ。

南米コロンビアの山奥にある魔法の力が宿る不思議な家で暮らす女性ミラベルは、大家族マドリガル家の一員。おばあちゃんが家長をつとめるこの一家は、それぞれが5歳になると家から“魔法のギフト”を授かる。

植物を成長させて花を咲かせることができる長女、誰よりも力持ちで巨大な橋も軽々と持ち上げてしまう次女がいる一方、おばは感情で天気をコントロールする魔法を持ち、いとこは一瞬で見た目を変えることができる。でも、三女のミラベルだけは何の魔法も使えなかった。

魔法なんか使えなくたって、自分はマドリガル家の一員。ミラベルはそう言って微笑む。でも彼女は心のどこかで不安を感じている。なぜ、自分だけ魔法が使えないんだろう? 私は家族の一員なのだろうか?

そんなある日、ミラベルは一家に大きな“亀裂”が入っていることに気づく。それはマドリガル家から“魔法の力”が消えてしまう前兆だった。危機を感じたミラベルはひとり行動を開始するが、やがて彼女は一家が魔法の力を取り戻すことより“大切なこと”があることに気づく。

本作はストーリーやビジュアルだけでなく、音楽も珠玉のナンバーが披露される。楽曲を手がけたのはブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』でトニー賞やグラミー賞など多数の賞に輝き、『モアナと伝説の海』でもディズニー作品に参加した名音楽家リン=マニュエル・ミランダ。彼は単に劇中歌を作るために呼ばれたのではなく、作品づくりの初期段階から参加。共にリサーチ旅行に出かけ、フィルムメイカーと語り合い、キャラクターや世界観を理解し、舞台になるコロンビアの文化や音楽、リズムを吸収した。

ミランダは「本作は今まで参加したアニメーション映画よりもずっと意見を交換することができた。僕がボードにポイントを示す感じで『これが僕らのオープニング・ナンバーだ。ここで、みんながどう関係していて、彼らになにができるのかわかるよ』と説明した歌があった。僕はそのオープニング・ナンバーを、僕らが映画の第2幕や第3幕を仕上げる前に書いた。名前は変わるかもしれない。そのパワーは変わるかもしれない。でも観客にはガイドが必要で、ミラベルが僕らのガイドになるのはわかっていたから、まず最初にその歌を書いたんだ」と振り返る。

本作の楽曲は映画に“後から足された”ものではない。本作の音楽は、時に映画づくりを先導し、時に作品の根幹をなし、ミラベルやマドリガル家と一緒に成長してきた“最重要キャラクター”だ。

個性豊かな一家を紹介する軽快な楽曲『ふしぎなマドリガル家』をはじめ、自分だけが魔法を使えないミラベルの複雑な心情を美しくも起伏に富んだメロディで歌う『奇跡を夢みて』、そしてディズニー・アニメーション史上屈指のミュージカルシーンが楽しめる『秘密のブルーノ』など名曲が次々に登場。いずれも南米の文化やそこで生まれた音楽の要素をしっかりと吸収しており、ただ美しいだけでなく、バラエティ豊かで、リズミカルで刺激的な楽曲が揃っている。

本作の監督を務めたジャレド・ブッシュが「どれも違ったジャンル、違ったリズムやサウンドが混ざっていて、いまラジオで聴いているような楽曲もあれば、100年前のフォークソングのような楽曲もある。すごく幅広いからみんなきっと驚くと思うよ」と語る本作の音楽と、息を呑むミュージカルシーンの数々は、ディズニーのミュージカルを語る上で今後ハズせないものになるだろう。

魔法を使えないミラベルはなぜ魅力的なのか?

「制作の初期の頃、僕らは物語に魔法を入れたいとは考えていなかった。でも、南アメリカでは、マジカル・リアリズムが文化にとても強く根付いているんだ」とジャレド・ブッシュ監督は語る。ブッシュ監督とバイロン・ハワード監督、そして共同監督のシャリース・カストロ・スミスは南米の文化や自然を調べる中で、人々の暮らしの中に根付く“魔法”の存在に惹かれていった。

シャリース・カストロ・スミス監督は「私はガブリエル・ガルシア=マルケスのマジカル・リアリズムにとてもインスピレーションを受けていました。『百年の孤独』は読んでいましたし、『コレラの時代の愛』が大好きなんです。それからイザベル・アジェンデの『愛と精霊の家』も。この作品をつくる過程で多くのマジカル・リアリズムに着想を得ました」と説明する。

南米の国コロンビアは、様々な人種や文化が混ざり合い、バラエティ豊かで独自の文化を育んできたが、侵略や長く続く内戦によって多くの人が苦難や悲劇を経験してきた国でもある。その中で人々は日常にある出来事やそこで生まれた哲学、言葉にならない感情を“非現実的な出来事=マジカルなもの”として描き出してきた。

それは西洋世界が描く魔法とは少し異なり、不思議な力や現象が、なんてことのない日常の中に普通に存在している。魔法の力で王国が氷にとざされるほど大きなことは起こらないが、日常の中で誰かが少しだけ地面から浮かび上がったり、村の長老の予言がピタリと当たったりする。

この日常と魔術的な瞬間が同居する不可思議な世界は“マジカル・リアリズム”と呼ばれている。“20世紀最高の小説”と称される名作『百年の孤独』を書いたガブリエル・ガルシア=マルケスや、未来を予知する不思議な能力を持つ娘がいる一家の波乱万丈の物語『愛と聖霊の家』を描いたチリ出身の作家イザベル・アジェンデらの作品は今も世界中にファンを持つ。

本作の世界では魔法は“特別なもの”ではない。それは日々の生活と歩幅を合わせるようにして存在しているのだ。

だからこそ、本作では「キャラクターの感情や人間関係から魔法が生まれるという考え方で創作にあたった」とカストロ・スミス監督は言う。

「この映画において魔法は“外部から押しつけられるもの”ではないんです。家族の中で果たす役割に応じて魔法が存在しているイメージです。長女のイザベラは完璧であることを追求している女性なので花を咲かせて家族や街の人を笑顔にします。次女のルイーサはとても責任感の強い女性なので、それに呼応するように身体の強さが備わっているのです」

ミラベルの母フリエッタの魔法は、愛情をこめた食事で人々のどんな傷も癒してしまうこと。いとこのドロレスはどんな小さな声でも聞こえてしまう能力があり、家族の秘密に精通している。起こっている出来事は“魔法”なのに、どこか親近感のある、自分の家族や親戚の話を聞いているような感覚はないだろうか?

本作の魔法は私たちが日々の暮らしの中で感じる想いや、ちょっとした悩み、家族や親戚と一緒にいる時に感じる“言葉にはできないけど確実に存在する感情”から生まれたものだ。

ちなみにマドリガル家が暮らす家そのものにも魔法がかかっている。家の扉はひとりでに開き、床のタイルは縦横無尽に動き、魔法=ギフトを与えられた家族にはそれぞれの個性に合った部屋が与えられる。

「この家は、その家の犬のように振る舞うというメタファーに落ち着いたの。家は、家族それぞれと違う関係を持っている。家族みんなに愛されているメンバーであり、最終的には映画を通して、この家族の行方を見る物差しのような存在でもあるんです」(カストロ・スミス監督)

家族と会話するように反応し、観ていると何だか可愛らしく思えてくる魔法の家にも注目だ。

マドリガル家は“家そのもの”にも魔法が宿っているのに、ミラベルには魔法が備わっていない。しかし彼女はそのことで落ち込んだりすることはなく、心優しく、家族のことを愛していて、街の人々とも仲良く暮らしている明るい女性だ。観客の誰もが映画が始まって数分でミラベルのことが好きになるだろう。「ミラベルは私たち全員の代表なんだ」とブッシュ監督は言う。

「彼女は、並外れたマジカルな家族の中にいる普通のメンバーなんだ。自分の周りはスーパースターばかりだと感じたことがある人はたくさんいるだろ? 自分のことが小さく見えて、自分よりも大きなことや良いことをやっている人物にばかり目が行ってしまう」

でも、そんな彼女も自分を変えたいと思っている。魔法は使えないけれど、誰よりも早くマドリガル家に危機が迫っていることに気づき、この状況を何とかしようと奔走する。でも、魔法を持たない彼女の言葉は家族から信じてもらえず、同じ家で共に育った姉妹との関係もなんだかうまくいかない。

ミラベルはどこかの王国の姫でも、生まれながらに不思議な力を持ったヒロインでもない。だからこそ彼女はどのディズニー・ヒロインやプリンセスにも負けない魅力を備えている。いつも明るく振る舞う姿の裏側にどんな想いがあるかを知った観客は、ミラベルの表情の変化ひとつひとつに心を揺さぶられるだろう。彼女の勇敢な行動を観ると「自分に同じことができるだろうか?」と感じるだろう。

ミラベルは観客と同じ“魔法を持たない人間”だ。そんな彼女だからできることがある、そんな彼女だから持っている力がある。この映画ではそのことが少しずつ明らかになっていく。

本作が描く“本当の魔法”とは? 感動必至の結末に注目

魔法の力を持ったマドリガル家は、街の人々から愛される理想の家族のように見える。しかし、ミラベルは家に大きな亀裂が入っていることに気づいてしまう。

本作は制作当初から家族の物語をつくるべく創作が進められたが、その過程で監督たちは「私たちは相手のことをちゃんと見て、ちゃんと理解しているのだろうか?」というテーマを見つけたという。

「昔も今もきっとこれからも人間は残念ながら相手のことを深い部分までちゃんと見ることができない。人生の中で何度も何度も“今度はしっかりと相手を見よう、相手を理解しよう”と思うんだけど苦労してしまう。でも、それこそが人間の本質ではないかと思うんだ。

このテーマを他人ではなくて、自分が一番よく知っているはずの家族を題材に追求しようとしたのが『ミラベルと魔法だらけの家』だ。家族の中にいると、ひとつの役割を背負いがちで、家族の中で父なら父の、姉なら姉の決まった役割を果たしていると思いがちだ。でも、よく考えると人間はそれだけじゃない。自分は家族のことがよく見えていないし、すべてのことに目が届いてないと気づいたんだ」(ブッシュ監督)

父や母は一家を支えている、姉はしっかり者で弟や妹を見守っている……そんな一面的なイメージを抱きがちだが、その裏には家族それぞれの想いや悩みがある。ジャレド・ブッシュ監督とバイロン・ハワード監督はかつてタッグを組み『ズートピア』を手がけたが、あの映画でも動物たちが暮らす世界を舞台に、相手に偏見を持たないこと、相手をイメージだけで判断しないこと、相手を様々な角度から見ることの必要性が描かれていた。

「この映画も『ズートピア』もミステリー映画のようなものだと僕は思っているんだ。相手のことを知っていると思い込んでいたり、知っている気でいたのに実は表面しか見ていなくて相手のことを深く理解していなかった、ということがテーマになっている。この問題は世界中で私たちが抱えている問題だと思う。相手を敵だと思っている場合でも、実は相手のことをちゃんと理解できていないだけだったということはあると思うんだ。時間をかけてお互いをよく見て、余計なイメージや思い込みを外して理解することができれば、私たちはお互いが思ったよりも近い存在だとわかるし、自分はひとりじゃないんだと思える。そうすることでみんなが少し楽になれるんじゃないかな」(ハワード監督)

そこで活躍するのが、魔法を持っていない、でも誰よりも家族を愛し、家族のために行動しようとする主人公ミラベルだ。

「この映画ではミラベルが行動することで、家族それぞれの視点や気持ちが変化していく。彼女の存在が変化のきっかけになる。ミラベルは魔法を持っていない。でも、そんな彼女が一番の魔法を持っているんだ」(ハワード監督)

私たちは意見が対立したり、相手とうまくいかない時、「相手が変わればいいのに」と思ってしまうことがある。「自分が変化するか、成長すれば解決する」と思うこともある。でも、お互いが“変化”なんかしなくても、相手をいつもと少し違う角度から見てみれば、相手をこれまでのイメージを外して付き合ってみれば、自分が抱いてきた感情を少し違う角度でとらえてみれば、関係が変化したり、相手のことを深く理解できるのだとこの映画は私たちに教えてくれる。

魔法は使わない。すごい力も必要ない。特別な成長もしないし、誰かが倒されることもない。しかし、本作では巨大な変化が起こる。亀裂の入っていていた一家が、想像もしていなかった幸福を手に入れる。それはまるで“魔法”のようだ。

『ミラベルと魔法だらけの家』は魔法と美しい音楽で世界を彩ってきたディズニー・アニメーション・スタジオの記念すべき60作目の長編アニメーションだ。そこで描かれるのは、これまでのディズニー作品の魅力をすべて詰め込んだような美しい世界とミュージカルシーン、そしてまだ誰も見たことがない“魔法”の物語。

ミラベルは魔法を持っていない。でも彼女は“一番の魔法”を持っている。だからこそ、この映画を観たあなたはきっと、ミラベルと同じ魔法を手に入れることになるだろう。

『ミラベルと魔法だらけの家』
公開中
(C)2021 Disney. All Rights Reserved.