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フレデリック・ワイズマンのインタビュー到着「トランプは他人のことなど考えない」

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フレデリック・ワイズマン Photo by Adrien Toubiana

「ボストン市庁舎」の監督フレデリック・ワイズマンのインタビューが到着した。

本作は米マサチューセッツ州ボストンの市役所を取材したドキュメンタリー。数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の舞台裏、そしてマーティン・ウォルシュ市長(撮影当時)ら職員たちの姿を通して、行政の必要性を紐解いていく。

市役所を題材とした理由について、ワイズマンは「これまで私はさまざまな公共機関を題材にして映画を撮ってきました。それらを統括し中核に位置する施設が市役所ですから、撮ってみたいと思っていたのです。また、市役所というのは、出生証明や死亡証明、レストラン出店の許可証や運転免許の交付などといった、市民の日常生活の至るところに影響を及ぼしている。そんな部分も魅力的に感じました」と説明する。

「ボストン市庁舎」の撮影はドナルド・トランプ政権下の時期に行われた。同作がボストンの政治を“反トランプ”的なものとしているのかという質問に、ワイズマンは「ただ市役所の映画を撮りたかっただけです。しかしトランプの存在が、この映画を政治的なものにしてしまった。トランプは他人のことなど考えません」と回答。「私はトランプをサイコパスの異常者だと感じています。アメリカの民主主義や慣習を彼は壊してしまったのです」「トランプは人々を助けることに無関心なのです。しかしウォルシュ市長は気にかけます。人々が集まり、あらゆる議論をし、ときには妥協して前進する、ということがボストン市庁舎では行われています。トランプの愚かさが彼らの能力を強調したのです」と続けた。

現在は劇映画を準備しているというワイズマン。「パンデミック中は皆マスクをしていて、画的に面白くないからです。パンデミックが収まって皆がマスクをしなくなったら、またドキュメンタリーを撮りますよ。テーマはまだ考えていません。“撮れる”と思ってからでないと、テーマを考える気持ちも起きないのです」と話した。そして日本での「ボストン市庁舎」公開を喜び「日本の人たちが私の映画を観て自分の体験と照らし合わせて語ってくれることは、私にとってもよい刺激になっています」と述べた。

「ボストン市庁舎」は東京のBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国で順次公開中。

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