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【ライブレポート】 アンジュルム、笑顔と涙に溢れた笠原桃奈卒業ライブ。「変わらないものと変わりゆくものを抱えて進んでいきます」

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『アンジュルム コンサート2021 桃源郷 ~笠原桃奈 卒業スペシャル~』

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アンジュルムが、11月15日(月)に東京・日本武道館でワンマンライブ『アンジュルム コンサート2021 桃源郷 ~笠原桃奈 卒業スペシャル~』を開催した。

タイトルにもあるようにこの公演は、2016年7月からアンジュルムのメンバーとして約5年間活動してきた笠原桃奈の卒業ライブ。グループとしても約1年ぶりの単独コンサートだ。様々な思いとともに、竹内朱莉、川村文乃、佐々木莉佳子、上國料萌衣、笠原桃奈、伊勢鈴蘭、橋迫鈴、川名凜、為永幸音、松本わかなは、10人編成のアンジュルムの集大成を見せる強力なステージを繰り広げた。

なお、本公演は新型コロナウイルス感染予防対策に配慮し、観客はハンドクラップやペンライトを振ってメンバーを応援。

6,000人のファンが詰めかけた会場が暗転すると、一気に客席が笠原のメンバーカラーのホットピンクの光に染まる。波打つ眩いレーザーの光の中に登場したアンジュルムは、「赤いイヤホン」からライブをスタート。アリーナに広がる巨大な十字型のステージのど真ん中で、華やかな衣装を着た10人のメンバーはクールな世界観を見せていく。「次々続々」では花道を大きく使い、バチバチのダンスでダイナミックな空間を作った。笠原が歌い出しの「愛されルート A or B?」では、ジャジーでゴージャスな歌とダンスを見せる。武道館に雷鳴が轟き「乙女の逆襲」が披露されると、ホラーミュージカルのようなファンタジックな空間が展開。間奏のバレエダンスは、伊勢が優雅に決めた。

MCでメンバーがファンに挨拶すると、リーダーの竹内は「1年ぶりの単独ライブで、舞い上がっちゃってます(笑)」と笑顔で語り、笠原は「まだ卒業の実感が全く無く、とにかく最強のアンジュルムで、最強のコンサートをお届けしたいです!」とライブへの気合いを口にした。

ライブに戻ると「ミラー・ミラー」を披露。ペアになり4方に散らばったメンバーはグルーヴィーなサウンドで歌い踊る。アップリフティングな「七転び八起き」では、佐々木、橋迫、為永がマイクを置いてダンスに特化しキレッキレのパフォーマンスを見せる。「限りあるMoment」では、全方向のファンに向かって拳を突き上げ観客のボルテージを上げていく。「愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間」では、殺伐とした世の中でも前を向いて生きていく思いをダンスビートに乗せて届けた。高速チューン「出すぎた杭は打たれない」は、メンバーも渾身のパワーで楽曲を表現。10人の圧巻のパフォーマンスに観客は大きな拍手を送った。

ここからはユニットコーナーに突入。竹内、佐々木、上國料、笠原、川村は、トラップのビートでかっこよくセクシーなダンスパフォーマンスを見せる。笠原のリクエストで実現したのは、伊勢、橋迫、川名、為永、松本の年下組によるスマイレージ時代のメドレー。スマイレージのインディーズデビュー曲「ぁまのじゃく」、そして「新・日本のすすめ!」を5人はフレッシュに歌唱。

ホットピンクの衣装を着たメンバー全員がステージに戻ると、ラテンアレンジの「魔女っ子メグちゃん」を歌唱。ギターサウンドが印象的なアップチューン「マナーモード」では、突き抜けるようなサビで観客をアゲる。「Uraha=Lover」は、恋愛のすれ違う思いを繊細なメロディで届けるハウスチューン。メンバーは十字型のステージの2列を使い、“Lover”の“L”の文字を大きく作るパフォーマンスを見せた。

ステージ中央に笠原がひとりで立ち、メンバーが4方に散らばり、最年少14歳の松本の歌い出しからバラード曲「交差点」が披露された。別々の道を進んでいく思いをストレートに伝える歌詞だけに、竹内は号泣し歌えなくなり、佐々木も涙を堪え必死に歌ったりとメンバーは感情の抑えが効かない状態。そうしたメンバーの姿を、笠原は涙を流しながらも笑顔で見つめていく。全員が集まり円になって大好きな思いを歌唱し終えると、会場から感動の拍手が送られた。

いよいよライブもラストスパート。エレクトロダンスチューン「泣けないぜ…共感詐欺」から「タデ食う虫もLike it!」「はっきりしようぜ」とアッパーなナンバーが続々と披露される。会場のテンションがさらに高まる中、竹内の「行くよー!」の声から「ドンデンガエシ」がドロップ。パワフルに攻め立まくったあとは、ファンキーな「46億年LOVE」を披露し、大きなLOVEを全観客に届けてライブ本編は終了。

観客のクラップに応えて、黒いラメの衣装を着た笠原がアンコールのステージに登場。そして、「地球は今日も愛を育む」を歌唱する。芯の強い伸びやかなボーカルは、会場中を魅了するパワーに満ちていた。

ここで笠原からファンに向けての手紙が読まれる。
「5年間、ありがとうございました。私はアンジュルムに入って、何事も楽しい悲しいだけじゃ語れないこと、強さも弱さも持っているから感動を知れること、大切なことをたくさん教えてもらいました。アンジュルムは自分の人生に欠かせない自分の全てだからこそ、今、私は自立をすることを選びました。正直今は寂しくて、ほんとはとても不安で、夜ひとりになると、自分ひとりにどれだけの価値があるのかな?って思う瞬間もあります。だけど、仲間と呼べる仲間と出会えて、いつ何時でも思うのは、きっとこうした出会いは全ての人に平等には訪れないんだろうなってことです。この温かさを、優しさを知っている私は、私を特別だと思います。離れ離れになっても、どこにいても、この先どう生きようと、アンジュルムのことが大好き、アンジュルムを好きな人たちのことが大好きです。改めてこれまでアンジュルムの笠原桃奈に携わってくださった全てのみなさんに、心からありがとうございました。私は、明日からも私らしく、変わらないものと変わりゆくものを抱えて進んでいきます。ここでもらった愛情を、胸に強く生きていきます。11月15日、笠原桃奈」

大好きなアンジュルムを離れて自分の夢を叶えるために前に進んでいく彼女の思いをしっかりと受け止めた観客は、心からの拍手を彼女に送った。

メンバーがステージに揃うと、ライブの感想を語っていく。
松本は「この武道館では覚えることがたくさんあって、何度も挫けそうになったんですが、先輩たちが支えてくれてなんとかここまで来ることができました。笠原さんと一緒に楽屋で過ごしてるとき(涙声)、すごく楽しくて幸せでした。笠原さんが前に進もうとしてる姿がすごくかっこいいです。ずっと応援してます。大好きです。私のことも見守っててください!」、上國料は「今日という日が来てしまったんですけど、桃奈卒業おめでとう(涙声)。私は、桃奈の言葉で救われたことがたくさんあったし、ほんとに双子みたいな感じだったのでいなくなるのは寂しいです。でも、桃奈から、ちゃんと意思があってアンジュルムが大好きだからこそ卒業するって聞いて、その年齢でそういうことを考えられるのがほんとにかっこいいなと思いました。桃奈は強い意志があるなら、叶えられる気がするので応援してます。あと桃奈は人の幸せをすごく願ってくれてるんですけど、私たちが桃奈の幸せを願ってるので幸せになって欲しいです」と熱い思いを口にした。
佐々木は「久しぶりの単独公演、日本武道館に立つことができてすごくうれしいんですけど、かっさーめっちゃきれい! 私はかっさーの言った「アンジュルムに入れてよかった」って言葉をすごく覚えてるんです。(泣くのを必死で堪え)それが2016年くらいのことなんですが、昨日のことのように思い出せるんです。だから、かっさーがもういなくなっちゃうんだなって、ほんとに考えられない不思議な感覚になります。思い出をダーっとしゃべると朝になっちゃうから、一言言うなら、ほんとにかっさーは愛そのものだなってほんとに私は思ってるんです。かっさーがたくさん愛をくれた分、これからは自分をたくさん愛して欲しいし、かっさーが人としてどんどん大きくなっていくのを私たちは楽しみにしてます。別々の道に進みますけど、お互いに切磋琢磨してこれからもがんばっていけたらなと思います。かっさー愛してる!」と万感の思いを語った。
竹内は「まずは1年ぶりに単独ライブができたこと、この10人でひとつの形を残すことができてうれしいです。そして桃奈、今のステージかっこよかったー。私が知ってる桃奈は、子供で無邪気で暴れん坊って印象がずっとあったんだけど、堂々と歌ってパフォーマンスをしてる姿を見て、いつの間にか、こんなに芯の強いかっこいい美しい女性になったんだなと思って、ほんとに今のパフォーマンスを見てたら、これからの桃奈がすごく楽しみになりました。私たちも今オーディションもやってますし、新しい道に進んで行きます。これからも、離れていてもお互いに刺激し合えるそんな仲でいれたらいいなと思うので、お互いがんばりましょう。そしてみなさん、私たちの応援を今後ともよろしくお願いします。改めて、この10人の姿を見てくださった全ての方に感謝したいです」と笠原への思い、これからのアンジュルムへの今の気持ちを語った。

そして、この10人での最後の盛り上がりを作るようにロックチューン「友よ」が披露される。彼女たちは、全開の笑顔で勢いたっぷりに仲間の大切さを歌う。ラストチューンは必殺の「大器晩成」。アンジュルムの代表曲を、メンバーはステージ全体を使って全力のパワーでパフォーマンスする。落ちサビで、笠原が強力に伸びやかに歌い上げる姿には感動するほどの力が宿っていた。メンバー全員と全観客が一体となって、最高のフィニッシュを作り上げた。ステージに並んだメンバーは手を繋ぎ、ファンに向かって深々と挨拶。笠原は、花道から1度は去ったものの観客の熱い拍手に応えて飛び出し「心から愛しています。みなさまどうかお元気で! ありがとうございました!」と声を上げ、武道館が大きな拍手に包まれてライブは終了となった。

ライブでは、アンジュルムの研ぎ澄まされた歌とダンス、ど迫力のステージングを堪能できた。夢に向かって笠原は卒業するが、アンジュルムも変化と進化を遂げながらここからまた前進していく。楽しさと激しさ、かっこよさと美しさ、笑顔と涙に溢れた武道館ライブだった。

Text: 土屋恵介

『アンジュルム コンサート2021「桃源郷~笠原桃奈 卒業スペシャル~」』
2021年11月15日(月) 日本武道館
<セットリスト>
1.赤いイヤホン
2.次々続々
3.愛されルート A or B?
4.乙女の逆襲
5.ミラー・ミラー
6.七転び八起き
7.限りあるMoment
8.愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間
9.出すぎた杭は打たれない
10.ダンスコーナー/竹内・佐々木・上國料・笠原・川村
11.メドレー
 ぁまのじゃく/伊勢・橋迫・川名・為長・松本
 新・日本のすすめ!/伊勢・橋迫・川名・為長・松本
12.魔女っ子メグちゃん
13.マナーモード
14.Uraha=Lover
15.交差点
16.泣けないぜ・・・共感詐欺
17.タデ食う虫もLike it!
18.はっきりしようぜ
19.ドンデンガエシ
20.46億年LOVE

EN1.地球は今日も愛を育む/笠原桃奈ソロ
EN2.友よ
EN3.大器晩成

●公式サイト:http://www.helloproject.com/angerme/

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