Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 女子に続きバスケ男子日本代表を高みへ導けるか!?  ホーバスジャパン、いざ初陣・中国戦へ!!

女子に続きバスケ男子日本代表を高みへ導けるか!?  ホーバスジャパン、いざ初陣・中国戦へ!!

スポーツ

ニュース

ぴあ

バスケットボール男子日本代表合宿に臨む候補選手たち

続きを読む

フォトギャラリー(10件)

すべて見る

ホーバスジャパン、注目の初陣だ。バスケットボール男子日本代表・AKATSUKI FIVEが『FIBA ワールドカップ 2023』、そして『パリ 2024 夏季オリンピック』への第一歩を踏み出す。

今回は八村塁(ワシントン・ウィザーズ)や渡邊雄太(トロント・ラプターズ)のNBAプレーヤー、NBAの下部リーグで戦う馬場雄大(テキサス・レジェンズ)は選出されていない。そればかりか代表引退を口にした田中大貴(アルバルク東京)をはじめ、金丸晃輔(島根スサノオマジック)、ギャビン・エドワーズ(千葉ジェッツ)、渡邉飛勇(琉球ゴールデンキングス)の『東京 2020 オリンピック』メンバー4名も辞退している。しかも、今回日本は開催国のひとつとして『W杯』本大会出場が決まっている。本来ならばヒリヒリする戦いとなるはずのオーストラリア、中国、チャイニーズタイペイと上位2枚のキップをかけた1次予選、その先の2次予選の結果に関係なく本大会へ出場できる。

それでも、『FIBA バスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選』中国戦に注目せずにはいられない。なぜならこの試合がトム・ホーバスHCの男子チームを率いた初戦となるのだ。『東京五輪』で女子日本代表を率いて見事に銀メダル獲得を成し遂げたホーバスHCが男子代表チームにどんな変化を加えるのか。これは期待せずにはいられない。

11月19日、オンライン会見に臨んだホーバスHCは中国戦へ向けて次のように意気込みを語った。
「目標は勝ちたい、当たり前。今24名いるからバスケのシステム、スタイルは誰がフィットするとか見ている。選手を覚えながら、どんなパフォーマンスできるかチェックしている」

どんなチーム作りをするか問われると、指揮官はこのように答えた。
「この短い時間にいいチームを作りたい。プレースタイルは女子と同じ。スピーディでシュート力を生かしたバスケは男女問わない。1番(PG)・2番(SG)・3番(SF)のスピード、頭の良さも使いたい。
私はサイズアップより速いペースを作りたい。『東京五輪』の前に大貴が1番になってサイズアップしたが、今の2・3番はそんなに小さくないと思う。PGのサイズアップよりも富樫、齋藤、寺嶋、藤井、ベンドラメの技術や速さ、プレーメイク、ゲームメイクの方が絶対プラスになると思う」

ホーバスHCは中国戦のポイントについても明かした。
「相手のフィジカルバスケに簡単に負けたらいけない。でも速さ、スペーシング、速いゲームを作るとうちの力を見せられる。ハーフコートゲームならば中国、速いフルコートゲームならうち。速いバスケのペースを作りたい」

さらに今回辞退したメンバーについても言及した。
「大貴に私から『ぜひ来てください、あなたのバスケが好きです』と伝えた。でも、彼は『五輪』が終わって今の気持ちに変わりないということだったので、『2月の試合がやりたいならぜひ来てください』と言った。このシステムでは彼は2番だということも伝えた。
『五輪』メンバーはメンタルの疲れがある。それは当たり前。あの12名については『第2ウィンドウからやりたい』ということも理解できる。今回メンバー入りした5名はモチベーションが高く、非常にエネルギッシュにやってくれている。
帰化選手もギャビン、ニック(・ファジーカス)、(ライアン・)ロシターの3人とも話した。ギャビンは『五輪』が終わって気持ちが足りない。ロシターも『五輪』に出られずにモチベーションが低下していた。ニックも36歳となり足も痛いので休みたいということだった」

ホーバスHCが選出したメンバーは以下の通り。
■AKATSUKI FIVE(男子日本代表)候補選手予備登録メンバー
竹内公輔(PF/宇都宮ブレックス)
古川孝敏(SF/秋田ノーザンハピネッツ)
岸本隆一(PG/琉球ゴールデンキングス)
比江島慎(SG/宇都宮ブレックス)
アキ・チェンバース(SF/群馬クレインサンダーズ)
エヴァンスルーク(ファイティングイーグルス名古屋)
藤井祐眞(PG/川崎ブレイブサンダース)
須田侑太郎(SG/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
張本天傑(SF/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
森川正明(SF/横浜ビー・コルセアーズ)
野本建吾(PF/群馬クレインサンダーズ)
富樫勇樹(PG/千葉ジェッツ)
ベンドラメ礼生(PG/サンロッカーズ渋谷)
原修太(SF/千葉ジェッツ)
安藤周人(SG/アルバルク東京)
齋藤拓実(PG/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
今村佳太(SG/琉球ゴールデンキングス)
マシュー・アキノ(C/信州ブレイブウォリアーズ)
エリエット・ドンリー(PF/大阪エヴェッサ)
ザック・モーア(SF/大阪エヴェッサ)
寺嶋良(PG/広島ドラゴンフライズ)
シェーファーアヴィ幸樹(PF/シーホース三河)
岡田侑大(SG/信州ブレイブウォリアーズ)
西田優大(SG/シーホース三河)

11月19日・22日には選手たちのメディア対応が行われた。『東京五輪』メンバー、代表復帰組、初代表勢とそれぞれの立場で抱負を口にした。

『東京五輪』メンバーはこのようにコメントした。
富樫「このように選んでもらって、新しいメンバーの中、すごく新鮮な気持ちで中国戦を楽しみにしている。
(PGを軸にしたチーム作りについて)ペイントの得点と3ポイントシュートとポゼッションの数を増やしたいと最初のミーティングから話があった。全員が理解してやれれば本当に面白いバスケができるんじゃないかなと思っている。走りたい、ポゼッションの数を増やしたいというのは僕としてもすごくうれしいこと。
(中国戦について)最初の2試合、練習時間が少ない中でもトムさんのやりたいことをしっかり理解した中でやり続けたい。高さの差があるのはわかっている。チームとして機能させることができれば面白い試合ができると思う。このメンバーで2試合臨めるのは本当に楽しみ」

比江島「新体制になっても僕を必要としてくれたのはうれしく思うし、光栄に思う。新体制で覚えることも多く、新しい選手も多い中、自分の中でモチベーションにつながっている。開催国枠が決まっている状況だが、『W杯』や次の『五輪』につながる第一歩だと思うので、しっかりやっていきたい。
(代表について)正直悩んだ。ひとつの大きな目標、夢の『東京五輪』を経験して、燃え尽きないか心配だったが、まだ世界の舞台で1勝もしていないのに終われないという思いがひとつと、純粋にトムさんのバスケを、女子を世界2位まで持っていってくれたバスケを経験して見たかったのが大きなふたつの理由として、代表活動を続ける選択になった」

ベンドラメ「僕自身『五輪』メンバーに入って完全燃焼ではなく、不完全燃焼に終わったので、新しいメンバーに入ってその時の気持ちも含めて全力でコートで表現したい。
トムさんのバスケはやることを細かく指示していて、日本の良さのスピードを生かしている。パスアンドランが増えている。ピックアンドロールではなく、オフボールの動きが難しくなっている。速いバスケは好きだし、自分のアグレッシブさは生かせると思っている」

シェーファー「『東京五輪』後の世代交代という言葉をよく聞くが、自分自身まだ結果を出していない。次のステージへ進むメンバーに入れてうれしいし、光栄に思っている。
トムさんのバスケは展開が速くて3Pを打つ。女子で結果を出しているし、男子でどこまで結果を出せるが楽しみ。自分もビッグマンの中では脚力がある方、3Pも練習している。こういう合宿はトライアウト感があるので、ピリピリしている。でも雰囲気はいい。トムさんのバスケは新しいし、楽しい発見がある」

張本「今回新しいスタートで選んでもらい光栄に思う。『五輪』に出ることが目標だったので、ひとつ達成できた。今回新しいメンバーも入って、これまで経験してきた世界のフィジカル、まずはディフェンスのところを見せたいし、若い選手に伝えていきたい。
(中国戦について)特別な思いがないと言えば嘘になる。フィリピンで2連敗し、本当に悔しい思いをした。新しいメンバー、新しいシステム、新しい挑戦なので、思い切りやっていきたい」

復帰組はこう話した。
竹内「本当は『東京五輪』以降は代表をやらないつもりだったが、色んな人に相談し、『必要とされているなら力になりたい』と思うようになった。
色んなコーチからバスケを教わるのが自分自身プラスになる。ホーバスHCに呼びたいと思ってもらえたのは本当に光栄。
どうしてもクラブとシステムが違うところが出てくるので、短い期間だが、しっかりアジャストしたい。中国戦はリバウンドが勝負の鍵だと思うので、自分の仕事だと思ってそこはしっかりやっていきたい」

古川「こうやって代表になれるチャンスをもらえたのはうれしいことだし、若い頃から代表、トップで戦うことは目標だったので。この合宿、自分の良さを最大限に出しながら、臨みたい。
正直『五輪』へいきたい気持ちがあった。コートに立つことができずに本当に悔しい思いをした。でも自分の中で何かを諦めたわけではない。常に向上心を持って、自分にできることをやっていこうと思っていた。今回呼んでいただきありがたい。気持ちは切らさずにやってきた。強い思いを持って今回の合宿に臨みたい。毎日負けたくない気持ちで練習に臨ませてもらっている」

岸本「これまで代表に縁がなかったが、うれしく思うし、光栄に思う。でも合宿だからと特別なことをするのではなく、普段やっているバスケを表現できればと思っている。具体的には驚きの方が大きかった。年齢も上の方なので、代表に選ばれる驚きがあった。
Bリーグになって、ディフェンスへの意識が高まった。ディフェンス力が上がったとは思わないが、ディフェンスをしっかりしないとチームを勝たすことはできないと強く思うようになった。激しいディフェンスからチームにいい影響を与えられればと思っている」

藤井「個人的には6年ぶり、本当に久しぶりの代表活動なので楽しみにしているし、中国戦のメンバーに入れるようがんばりたいし、中国に勝てるように代表の力になれるようがんばっていきたい。
新しい体制で全員覚えることが多いので、身体を動かすよりも頭を動かすことの方が多い。そんな中でも自分の強みを徐々に出せればいいなと思っている。僕の強みはアグレシップなディフェンスなので、ルーズボールもそうだが、アグレッシブにやっていきたい」

初選出勢も異口同音にモチベーションを口にした。
岡田「トップチームに呼ばれたのは初めてで、今までテレビで見た選手と一緒にやれるのは自分としてもうれしい。信州と代表では自分に求められる役割は違うので、自分の仕事をやっていきたい。比江島選手は宇都宮と求められる仕事が違ってもきちんとアジャストし、格の違い、経験の違いを感じている。
自分の特徴は得点能力なので、3Pを打ててドライブできるのでそこはやっていきたい」

齋藤「自分のプレーを出せればホーバスさんに選ばれると思うので、自分らしいプレーを出していければと思っている。PGはセットプレーとか多い。まずそれを覚えること。PGとして各ポジションの動きも覚えないといけない。どっちサイドでプレーし最終的にどちらのサイドを使うか考えないといけない。
ホーバスさんから『システムを理解した上で自分らしさを出さないといけない』と言われているので、セットオフェンスを理解しながら、アシストや3Pを出していきたい。自チームでも似たようなバスケをしているので、それを出していきたい」

寺嶋「各カテゴリーの代表かすりもしなかったので、チャンスを掴めたらと思う。ホーバスHCはスピーディなバスケでトランジションが速いので、自分の特徴のスピードを今回の合宿で生かしたい。
(PGとして)たくさんフォーメーションを覚えている最中。試合の流れの中でいかに使うのか頭を使わないといけない。広島でもそうやってきたので生かしたいし、ほかのレベルの高いPGから学んでいきたい」

果たしてホーバスジャパンはどんな船出を見せるのか。『FIBA バスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選』日本代表×中国代表は11月27日(土)・28日(日)・ゼビオアリーナ仙台にて開催。第1試合はBS日テレ、第2戦はBS朝日、2試合ともDAZNにて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

フォトギャラリー(10件)

すべて見る