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「恐らく世界で一番遅延補正の整った映画館です」LOVE PSYCHEDELICO、NAOKIが1000万分の1秒以下まで進化した音響調整に自信

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「10万分の1秒の音響映画祭」より

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最高峰の音響体験で映画の世界を堪能できる「10万分の1秒の音響映画祭」がTOHOシネマズセブンパーク天美 プレミアムシアター(スクリーン10)で開催され、LOVE PSYCHEDELICO『LIVE THE GREATEST HITS 2020』が上映された11月23日、メンバーのKUMI、NAOKIが舞台挨拶に登壇した。

2020年にデビュー20周年を迎えたLOVE PSYCHEDELICOが、同年10月8日にTOHOシネマズ立川立飛で開催した『LIVE THE GREATEST HITS 2020』の模様を収録。会場となったTOHOシネマズセブンパーク天美 プレミアムシアターは、メンバーのNAOKIがスピーカーのチューニングを監修。NAOKIはこれまでもTOHOシネマズ日比谷、池袋、立川立飛で音響監修に携わってきたが、専門家からの評価も高く、このプロジェクト全国展開の第1弾がここ天美の劇場となった。

東京のTOHOシネマズ日比谷での開催に続き、10万分の1秒単位まで徹底的に音響調整したこのプレミアムシアターで厳選された作品を上映する同映画祭だが、NAOKIは「大阪に10日間ぐらい泊まり込んで準備しました。映画館ではスクリーンの裏にメインのスピーカーが3つあって、距離が近いことからその真ん中の台詞用スピーカーが客席にコンマ何秒か先に届いてしまう。それをズレないように再生速度を調整して、ピタッとひとつの音として届くようにするのが基本的なタイムアライメント(音声到達時間の補正)の考え方です。そのズレを徹底的に解消したのがこのプレミアムシアター / 轟音シアターですね。各スピーカーからの音の波がズレると、音の強弱が揃わず打ち消し合うように小さくなる。そうならないように、音の波形をぴったり合わせることによって壁から跳ね返る音も綺麗に整うようになり、結果、より多くの席でも監督が出したいと思った音をより忠実に感じられるようになっていきます」とアピール。

東京のTOHOシネマズ日比谷に続いて、大阪で「10万分の1秒の音響映画祭」が開催され、KUMIは「東京で始まった新しい試みが、じわじわ広がって大阪で開催されるのはすごく素敵なことだし、体験してくれた人がいいなと思ってくれたんだと感じて嬉しい」と喜びを語った。また、映画祭のタイトルにもなった“10万分の1秒”という文言は、NAOKIのコメントから採用されたものだという。「先ほど話した音のズレを10万分の1秒以下に、というところからこのプロジェクトは始まったんですが、実は、このTOHOシネマズセブンパーク天美のプレミアムシアターの音響調整は、音の遅延補正に関して1000万分の1秒以下まで進化しています」とアピール。さらに「そこまで合わせる必要ないんじゃないかというぐらい合わせました(笑)。今のところタイムアライメントに関しては、これ以上合わせるサウンドシステムが地球上に存在しないところまできている。恐らく世界で一番遅延補正の整った映画館です」と自信をのぞかせた。

コロナ禍の影響で20周年ツアーが実現できなかったために、開催した映画館でのライブ『LIVE THE GREATEST HITS 2020』。ただの配信ではなくメモリアルなライブにしたいとスペシャルな会場を探していたところ、NAOKIがTOHOシネマズ立川立飛の音響監修を手がけていたことから、「映画館っていいんじゃない?」というアイデアで実現した。

KUMIはTOHOシネマズ立川立飛でのライブを振り返り、一般的な音楽ホールが「音が響くように設計されている」のに対し、TOHOシネマズ立川立飛は「音に集中でき、音が散らない設計なので、スタジオで演奏する感覚に近くて、自分の演奏やバンドの音が聞きやすくて、演奏しやすかった」と話し、続けて「20年前の作品をライブでやって皆が楽しんでくれて、こうやって今日も映画館で上映してもらえるなんてすごい光栄なこと。今回あらためてどの曲を演奏してもいい曲だと自分たちで思えたし、この先やっていける自信になった」と感慨深く語っていた。

最後に、NAOKIが「今日観てもらう作品は僕たちがMIXしました。僕が調整した映画館は、僕の耳、いわば僕たちのレコーディングスタジオを基準にしています。僕たちがMIXした作品を、僕たちのスタジオに一番近いシアターで観てもらえるので、楽しんでください」と観客に熱く語りかけた。

取材・文・撮影:華崎陽子