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モメラス実験公演が開幕、松村翔子「彼 / 彼女たちの世界を共有できれば」

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モメラス実験公演「彼(私)から見える世界」より。(Photo by Miula Ulin)

モメラス実験公演「彼(私)から見える世界」が、昨日12月1日に東京・BUoYで開幕した。

「彼(私)から見える世界」は、作を松村翔子、演出を松村と黒川武彦が担う作品。作中では、自閉スペクトラム症を抱える子供から見える世界と、その母親の育児放棄が描かれ、主人公の子供・実役は、人形作家の井桁裕子が制作した人形を用いて演じられる。このほか本作には、上蓑佳代、近藤強、曽田明宏、中野志保実、西山真来、田中夢が出演し、声の出演として、井神沙恵、石倉来輝、串尾一輝、黒川、中藤奨、和田華子が参加する。

開幕に際し、黒川は「今回の実験公演は一つの詩から立ち上がり、世界という言葉がタイトルに入っています。観劇いただいた後の時間に、断片的な風景や音、光が、皆様の時間と交わり新たなポエジーとして生まれることがあればさいわいです」とコメントした。

松村は、自身が心身の健康を崩したため、企画段階では上演中止を提案したが、黒川が演出を引き受けたことから開催できたと明かし、「初日の本番を見て、この作品が『自閉スペクトラム症』を抱える方が持つ感覚過敏や感覚鈍麻、その様々な知覚によって世界がどう見えているかを果敢に知ろう・共有しようと挑戦する態度を勇ましく感じました。『実験公演』としてそれは正しい姿勢と思います。この挑戦にお立ち会いいただけたら、そしてほんの少しでも、彼 / 彼女たちの世界を共有できましたら幸いです」と思いを述べた。

上演時間は約50分。公演は明日3日まで。

黒川武彦コメント

無事初日の幕が開きました。

多くのお客様に足を運んでいただきありがとうございます。

今回の実験公演は一つの詩から立ち上がり、世界という言葉がタイトルに入っています。

観劇いただいた後の時間に、断片的な風景や音、光が、皆様の時間と交わり

新たなポエジーとして生まれることがあればさいわいです。

松村翔子コメント

私事で恐縮ですが、この実験公演の企画段階で私は一度、上演中止を提案しました。心身の健康を崩してしまったためです。続行は不可能かと思われましたが、モメラスの俳優メンバーであり個人では映像・写真・詩作などアーティストとして幅広く活動している黒川武彦氏に初めて演出を依頼し、快諾してくれたことで今回なんとか開催に漕ぎつけることができました。そのため、私は最初の大まかな演出プランを提示するに留まり、ほとんどの演出は黒川氏が手掛けられています。

初日の本番を見て、この作品が「自閉スペクトラム症」を抱える方が持つ感覚過敏や感覚鈍麻、その様々な知覚によって世界がどう見えているかを果敢に知ろう・共有しようと挑戦する態度を勇ましく感じました。「実験公演」としてそれは正しい姿勢と思います。

この挑戦にお立ち会いいただけたら、そしてほんの少しでも、彼 / 彼女たちの世界を共有できましたら幸いです。

モメラス実験公演「彼(私)から見える世界」

2021年12月1日(水)~3日(金)
東京都 BUoY

作・演出:松村翔子
演出:黒川武彦
テキスト提供:橘上
展示映像:立川清志楼
人形:井桁裕子
出演:上蓑佳代、近藤強、曽田明宏、中野志保実、西山真来、田中夢
声の出演:井神沙恵、石倉来輝、串尾一輝、黒川武彦、中藤奨、和田華子
映像出演:露木友子