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大泉洋・柳楽優弥 笑いと涙の裏側「役の中にビートたけしの振る舞いがある」

映画

インタビュー

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撮影/奥田耕平

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“笑いに人生をかけた男たち”の笑いと涙あふれる青春物語が、12月9日に幕を開けるーー。

お笑い芸人「ビートたけし」が師匠「深見千三郎」と過ごした日々を描いた楽曲、そして自叙伝である『浅草キッド』。過去にも2回ドラマ化されてきた本作が、Netflix企画・製作のもと映画化された。

物語の舞台は昭和40年代の浅草。お笑いの殿堂と呼ばれた「浅草フランス座」で渥美清や萩本欽一など数々の芸人を育ててきた深見を大泉洋が、大学を中退し芸人を目指すため浅草フランス座に飛び込む若かりし頃のビートたけし(タケシ)を柳楽優弥が演じる。

師弟関係の役柄を演じているが、大泉曰く「撮影中は年の離れた兄弟のようだった」という。

「柳楽くんはとってもかわいい方です。もちろん役者としては尊敬していますし、僕よりよっぽどすごい役者だと思っています。だけどね、かわいいんですよ。その場にいるだけで、すごく“ほわっ”としてしまう。柳楽くん自身は役づくりでいっぱいいっぱいだったと思うけれど、ついつい構いたくて話しかけていました(笑)」(大泉)

大泉の話に声を出して笑う柳楽。同時に「弟子役だからこそ、大泉さんにしっかりついていきたいと思った」と話した。

「大泉さんとは何度か共演していますが、毎回現場を引っ張ってくださる人だなと思っています。今回もチームの中心で現場に明るい空気を作ってくださり、とても助けられました」(柳楽)

また、本作の撮影が2021年はじめに開始されたこともあり、2020年NHK紅白歌合戦で司会を務めた大泉から紅白のエピソードを聞き出していたというエピソードも。「紅白の裏話が聞きたくて、いろいろ質問していました」と語る柳楽に、大泉も「そういえばそんな時期だったね」と笑いながら撮影を振り返った。

「モノマネにならないように演じました」(柳楽)

大泉演じる深見は数々の有名芸人の師匠であるものの、テレビなどのメディア露出がほぼない人物だ。そのため、浅草界わい以外でその存在がほとんど知られていない。大泉が役づくりをするにあたり参考にしたのは「コント中の音声のみ」だった。

「資料がほとんどない方だったのでコント中の音声を参考にしましたが、その音声を聞くと話し方がたけしさんと同じなんですよ。まるでたけしさんは師匠の生き写しのようで、たけしさんの振る舞いは師匠の影響を強く受けているんだろうなと感じました。なので、たけしさんの振る舞いが僕の役づくりの中に入っていたかもしれません」(大泉)

一方、深見とは異なりテレビなど多くのメディアに露出しているビートたけし。そんな彼を演じる上で、柳楽は「モノマネにならないようにすること」を徹底したという。それはビートたけしを敬愛し、本作の監督・脚本を務める劇団ひとりの意向でもあった。

「今回、タケシを演じるにあたり自然に見えることが一つの大きなテーマだと思いました。たけしさんの雰囲気が板についているところまで持っていきたいという監督の思いもあって。撮影に入る4ヶ月前からどういう動き方や話し方をすれば自然に見えるのか、監督を含めた色々な方にアドバイスをいただきながら練習を重ねていました」(柳楽)

また、劇中にはタップダンスに勤しんでいた深見の影響で、タケシもタップダンスを始めるエピソードが描かれる。大泉・柳楽はこのタップダンス習得のため、撮影の4ヶ月ほど前から練習に励んだ。大泉はタップダンスについて「手品より向いていました」と語る。というのも、大泉は劇団ひとり監督作品『青天の霹靂』でマジシャンを演じていたからだ。

「手品は自分に向かないなと思いましたけど、タップはこれからもまたやりたいなと思いました。やっていて楽しいなと思いましたし、寒い時にタップを踏むと温まるのがすごく良くて。寒い時期の外撮影でタップを踏むと温かくなるから、できるようになったのは僕の人生にとってプラスでした(笑)」(大泉)

加えて「柳楽くんよりもタップダンスする尺が短かったから言えるんですけどね」と大泉。劇中で柳楽は一曲分のタップダンスを披露するシーンがある。タップダンス初経験で一曲踊る大業を成し遂げた。

「少し踊るならまだしも一曲丸々と踊るのは大変でした(笑)。撮影中もできる時は練習を重ねました」(柳楽)

「柳楽くんは“すごい”の一言に尽きる」(大泉)

柳楽の役づくりやタップダンスなどのストイックさに、大泉は「すごいの一言に尽きる」と感嘆した。

「もし僕がたけしさんを演じるとしたら、モノマネに走っちゃうと思います。僕、モノマネが好きだしモノマネができちゃうから、「バカヤロー、コノヤロー」ってついついモノマネしちゃいそうで(笑)。だけど、柳楽くんはモノマネじゃないと思って役づくりをした。しかもモノマネじゃないのにモノマネの人よりたけしさんっぽいんですよ。すごいなと思いましたね」(大泉)

それに対し「モノマネできるのは一つの才能じゃないですか? できちゃうのがすごい」と大泉のモノマネに食いつく柳楽。そこに「モノマネじゃダメなのよ!」とツッコミを入れる大泉。まるで劇中の“師弟関係”を見ているようだ。

「モノマネだったら映画として、あそこまで完成されていなかったよ。出来上がった映像のツービートの漫才を見た時は本当にビックリしちゃって。前々から柳楽くんはすごい人だなと思ったけど、今回の技術には脱帽しました」(大泉)

「僕が求めていたのはモノマネではなく、自然とたけしさんが板についていることだったので、大泉さんにそう言っていただけて救われます。すごく大変だったから乗り越えた甲斐がありました。

僕自身、タケシを演じる上でいっぱいいっぱいになって周りが見えなくなっていた部分があったのですが、大泉さんは寒さとか過酷な現場でも笑える瞬間をつくってくれて。僕ができていなかったことを自然とやってみせる大泉さんをすごく尊敬しています」(柳楽)

特に劇団ひとりと大泉の言葉の応酬に「レベルが高い!」と思わず絶賛する柳楽。『青天の霹靂』から二度目となる気心の知れた間柄なだけに“罵り合って”笑いを生んでいたそう。

「劇団ひとりも僕にとっては放っておけない男で、ついつい話しかけたくなるんですよ。それで、お互いがお互いを罵り合っているだけなのに、勝手に笑いが生まれちゃいましたね(笑)」(大泉)

柳楽は柔らかく微笑みながら頷き、「本当に笑っちゃうんですよ」と口にした。

「笑い」「俳優」ふたりが人生をかけていること

『浅草キッド』は「笑いに人生をかけた男たち」が一つのテーマだ。そこで最後に、「人生をかけてきたこと」「人生をかけていきたいこと」について問うてみた。すると大泉は「実は彼らと同じで“笑い”なのかもしれません」と答えた。

「物心ついた時から人を笑わせたいとしか思っていなくて。ファミコン全盛期時代、みんなは『スーパーマリオ』をやっているのに、僕は『スーパーマリオ』のプレイの順番を待っている連中とずっとトークをしていたい子どもだった。「待っている間は大泉とトークしていればいいよ」みたいな(笑)。じゃあ芸人になりなよって話だけど、僕は手段を選ばずにどんな瞬間も人を笑わせていたいんですよ。芸人さんがやらないことだって僕はやりますからね(笑)。

だから『浅草キッド』に出てくる「笑われるんじゃねぇ、笑わせるんだ」というセリフはとても耳が痛い。笑われてもいいんじゃないですか?と思うほど、どんな手を使ってでも笑いをつくりたい。何でか分からないんですけどね(笑)」(大泉)

そして、柳楽は「人生となると分からないけど……」と逡巡した上で「やっぱり俳優は続けていきたいと思います」と切り出した。

「いろんな作品に出たいし、もっと上手くなりたい。上手くなりたいと思えるってことは、人生をかけていきたいことなのかもしれません。それに大変な時もあるけど、楽しいですからね。完成した作品がよかったら、それだけで楽しいと思える。だから、これからも俳優は続けていきたいですね」(柳楽)

配信:2021年12月9日(木)よりNetflixにて全世界独占配信
【Netflix作品ページ】https://www.netflix.com/浅草キッド

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撮影/奥田耕平、取材・文/阿部裕華、ヘアメイク/(大泉さん)白石義人(ima.) Yoshito Shiraishi、(柳楽さん)佐鳥麻子 Asako Satori、スタイリング/(大泉さん)勝見宜人(Koa Hole) Norihito Katsumi、(柳楽さん)長瀬哲朗(UM)

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