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井上ひさしの“昭和庶民伝三部作”の第三作、こまつ座『雪やこんこん』12月17日より

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こまつ座『雪やこんこん』稽古風景  撮影:宮川舞子

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こまつ座『雪やこんこん』が12月17日(金)より東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演される。本作は、激動の時代に翻弄された庶民の姿を通して、今でも変わらない人間の逞しさを紡ぐ井上ひさしの“昭和庶民伝三部作”の第三作だ。

物語の舞台は、雪がはげしく降り吹雪く温泉場の芝居小屋・湯の花劇場。ここに、人気も芸も関東一の中村梅子一座がやってくることに。芝居小屋には「一座総勢18名、大挙来演」との看板が掲げられ、心待ちにされていた。しかし、一座はお給金もまともに払えない状態が続いていて、悪戦苦闘の末の逃散・離散で、やってきた座員はたったの6名だった。普段は旅先で冷たい仕打ちを受けるのが常の座員たちだったが、湯の花温泉の女将・佐藤和子の心こもったおもてなしを受け感動しきり。実は和子は元大衆演劇のスターで、幼いころから中村梅子の大ファンだったのだ。ところが、梅子と和子が親子だったという話が浮上して……。

かつて庶民の希望であり、羨望の的だった大衆演劇だが、移り変わる時代に翻弄され衰退する一座。その楽屋裏を、逆転に次ぐ逆転、どんでん返しの連続を交えて描かれる舞台。問題山積みの一座を救おうと、座長が運命をかけて演じた一世一代の名演技、そして大衆演劇の作者・役者たちの生んだ名台詞の数々が、雪吹雪のように繰り出されていく。

キャストは、これまで市原悦子、宮本信子、高畑淳子と錚々たる女優たちが務めてきた座長・中村梅子役に熊谷真実が初めて挑戦。井上作品には多数出演している熊谷が、本作でどんな梅子像を立ち上げるのか。また、湯の花劇場の女将・佐藤和子役には真飛聖を迎え、新たなタッグにも注目だ。ほか、大滝寛、藤井隆、小椋毅、前島亜美、村上佳、安久津みなみ、まいど豊が出演。演出は鵜山仁が担う。

文:伊藤由紀子

こまつ座『雪やこんこん』
2021年12月17(日)(金)~2021年12月26日(日)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

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