映画美術監督・木村威夫の特集上映に鈴木清順、熊井啓監督作など20本
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特集上映『生誕100年 映画美術監督 木村威夫』が、11月6日から東京・京橋の国立映画アーカイブで開催される。
今年で生誕100年を迎えた映画美術監督の木村威夫。1944年のデビュー以来、大手映画会社の大作から若手の自主製作作品まで、劇場公開された長編だけでも240本を超える作品に参加した。豊田四郎、田坂具隆、鈴木清順、熊井啓、黒木和雄らの作品で美術を手掛けたほか、教育機関では後進の育成に携わり、晩年には監督デビューも果たした。2010年に91歳で逝去。
今回の特集上映では木村が参加したフィルモグラフィーから20作品を上映。木村自身が「私の処女作は不運であった」と回想したという美術監督デビュー作『海の呼ぶ聲』、恩師・伊藤熹朔の下で明治時代の美術表現に取り組んだ豊田四郎監督の『雁』、伊藤大輔監督の『春琴物語』、鈴木清順とタッグを組んだ『悪太郎』『肉体の門』『ツィゴイネルワイゼン』、熊井啓とタッグを組んだ『忍ぶ川』『サンダカン八番娼館 望郷』『本覺坊遺文 千利休』といった作品がラインナップしている。
『海の呼ぶ聲』、美術監督第2作『絢爛たる復讐』、大映時代の『蜘蛛の街』は、現存する16mmマスターポジから今回のために上映用の35mmプリントを作成した。会期中は木村威夫と仕事を共にした美術デザイナーたちによる座談会も予定。詳細は会場のオフィシャルサイトで確認しよう。
なお同イベントは、2019年1月27日まで国立映画アーカイブで開催されている同名展覧会にあわせて実施されるもの。同展では木村が描いた図面やデザイン画などの資料を通して、木村の思考の軌跡を辿る。