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梶裕貴が振り返る“最も過激なミッション” 「信念を貫く姿勢は自分に近いものがある」

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高貴な英国紳士×最強のスパイ組織という斬新な組み合わせでヒットを巻き起こした『キングスマン』。シリーズ第3作となる『キングスマン:ファースト・エージェント』は、時代を第一次世界大戦時にまで遡り、最強スパイ組織・キングスマンの過激すぎる誕生秘話を描く。

物語のキーマンとなるのが、平和を求めてキングスマンを創設したオックスフォード公の息子・コンラッド。吹き替えを、声優の梶裕貴が務める。

「英国紳士のスマートで華麗なイメージと、スパイアクションのド派手なインパクト。一見するとかけ離れている2つの要素が、足し算ではなく掛け算として見事に融合されているのが、『キングスマン』の面白さ。僕自身も、過去2作を観て、キングスマンという組織がどのように誕生したのかは当然気になる部分だったので、創設の秘話が描かれるこの第3弾は、ファンとしては待ちに待ったエピソードだなと思いました」

"自分はこう思うんだ"ということをちゃんと相手に伝えたいタイプ

演じたコンラッドは、戦地に行くことが自分の使命と信じる正義感にあふれた青年。梶自身も共感するところの多いキャラクターだと語る。

「ともすれば頑固に映るところもあるかもしれないけど、それくらい自分の信念をまっすぐ貫くところがコンラッドらしさ。僕も"自分はこう思うんだ"ということをちゃんと相手に伝えたいタイプなので、父親であるオックスフォード公とのやりとりを見ていても近いところがあるなと感じて。彼の気持ちはすごく理解できましたし、そういった意味では、あまり難しく考えることなく、自然と彼に寄り添いながら演じることができました」

ひと言で声の演技と言っても、アニメと洋画の吹き替えは似て非なるもの。吹き替えならではの難しさや面白さはどんなところにあるのだろうか。

「海外の俳優さんの表情のつくり方や仕草は、当たり前ですが、普段の僕らとはまったく違っていて。なので、その役者さんの感情の流れや呼吸、話すテンポを自分の中になじませる作業が、吹き替えには必要になってくるんです。その上で、俳優さんの芝居の波を崩さずに、いかに日本語としての面白さを足していけるかがポイントなんだろうなと考えています」

そんなプロフェッショナルのスキルを発揮しつつも、最後に重要になってくるのは、やはりハートの部分だ。

「今回、僕がいちばん大事にしたのは、やはりコンラッドの信念を貫く姿勢。時に未熟さが先行して、父親とぶつかってしまうところもあるけれど…そんなふうに抑えきれない感情があふれ出てしまうところも、コンラッドの魅力的な人間性を語る上で、とても重要だと思ったんです。過去2作との大きな違いは、本作が"戦時下を描いた作品である"ということ。戦争は、その人の思想や人生を無視して多くのものを巻き込み、飲み込んでしまう。なので、戦地に赴くコンラッドを演じるときは、言葉では表せない叫びや呻きに、どれだけ臨場感を出せるかを意識しました」

声優は、高度な技術が求められる仕事だ。実際にその場に立つことはなく、体を動かすこともなく、声だけでリアルな感情を表現しなければいけない。そこに嘘があったら、一瞬で観客は興ざめしてしまう。マイクの前で役として生きるために必要なものは何だろうか。

「想像力と経験値だと思います。キャラクターの気持ちを、自分の今までの経験と照らし合わせて、想像する。たとえば格闘を描いたものなら…自分は身近に経験したことはないけれど、誰かと喧嘩をした時のこととか、料理で指を切ったこととか、そういう小さな経験から想像を広げて膨らませていくことが大事なんです」

これまで経験した中で“最も過激なミッション”

その想像力は、本作でも豊かに活きている。

「戦地では、おそらく常にものすごい爆音が鳴り響いているわけです。だから、ただ大声を出しただけじゃ周りの人には聞こえない。指令を届けたい相手は目の前にいるのか、それとも後ろにいるのか、そういった状況をリアルに想像しながら、じゃあどれくらいの声を、どういった指向性で発すればいいのかということを考えますね」

シリーズ最新作にして、“最も過激なファースト・ミッション”と銘打たれた本作。ちなみに梶裕貴がこれまで経験した中で“最も過激なミッション”と言えば…?

「新人の頃にバラエティ番組に出演させていただき、その中でウィンドサーフィンをやろうという企画があったんです。たまたまロケの日は風が強い日。ウィンドサーフィン上級者にとっては、ものすごくいい波が来る最高の日だったんです。けれど、もうお分かりの通り、初心者にとっては地獄みたいな状況で(笑)。それでも、新人らしく当たって砕けろ精神で、とにかく一生懸命トライしていたら…いつの間にか、だいぶ沖の方まで流されてしまっていて(笑)」

思いがけないピンチ到来。さて、若き日の梶はどうしたか。

「このままじゃ遭難すると思って、砂浜にいるスタッフさんに『助けてください!』という願いを込めて、全力で手を振ったんです。そしたら、スタッフさんたちが笑顔を浮かべて陽気に手を振り返してきて…。もう全然伝わっていない!(笑)。このままだと死ぬな、という恐怖を覚えた瞬間でしたね(笑)」

「声優になったつもりが、なんで僕は湘南の海で沖に流されているんだろうと思いました」と笑う梶。そんな体当たりのミッションから学んだことを最後に聞いてみた。

「こうして今では話のタネになっていますし、もしウィンドサーフィンをやる役が来れば、沖に浮かんでいるときの恐怖感だったり、どれくらいの声を出せば砂浜に届くかというのは、リアルによくわかるんじゃないでしょうか(笑)。そういった意味では、役者って本当に、どんな経験も無駄にならない仕事だと思いますね」

まさに想像力と経験値。声だけで感情を伝える梶裕貴の演技力は、日々の経験に裏打ちされているのだ。

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撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明

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