世界中を笑顔に!坂本昌行×海宝直人「マーダー・フォー・トゥー」開幕、ピアノの連弾も
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オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「MURDER for Two マーダー・フォー・トゥー」取材会より、左から海宝直人、坂本昌行。
オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「MURDER for Two マーダー・フォー・トゥー」が、本日1月8日に東京・Bunkamura シアターコクーンで開幕する。それに先がけて昨日7日にゲネプロが行われた。なおこの記事には演出に触れている記述があるため、ネタバレを避けたい読者は注意してほしい。
本作はKELLEN BLAIRが作劇、SCOTT SCHWARTZ & J.SCOTT LAPPが演出、JOE KINOSIANが音楽を手がけるミュージカル。日本では2016年に坂本昌行と松尾貴史により初演され、今回は坂本と海宝直人が出演する。
偉大なアメリカ人作家のアーサー・ホイットニーが、自らのバースデーパーティの席で銃殺されてしまう。現場から1時間の町にいた警官マーカスが、寡黙な相棒のルーを引き連れ現場へ向かうと、彼らの前には個性豊かな容疑者たちが立ちはだかり……。
舞台中央には1台のピアノが置かれ、両サイドにはドアが1つずつ設置されている。冒頭、キャストは左右の扉から登場。2人は舞台の主導権を奪い合うかのように、先を争って観客にお辞儀をしたり、ピアノのカバーを引っ張り合ったりして、観客を物語へと引き込んでいった。
ストーリーはキャストによるピアノの生演奏に乗せて展開。海宝は事件を捜査する警官マーカス役を務め、坂本は容疑者となる多数のキャラクターを演じ分ける。2人は時折観客を巻き込んだりしながら、まるでごっこ遊びを楽しむかのように息ぴったりの掛け合いを繰り広げ、会場を沸かせた。
ベストのポケットに小道具を忍ばせた坂本は、口調や仕草、立ち姿などを使い分けながら、被害者の妻やプリマバレリーナ、精神科医といった癖のある“容疑者”像を舞台に立ち上げていく。そんな容疑者たちに翻弄されるマーカス役の海宝は、マーカスがバレリーナのバレットにときめきを覚えるシーンで、恋する青年の滑稽さを可愛らしく表現した。
ゲネプロ後に行われた取材会には、坂本と海宝が登壇。初日を前に坂本は「プロデューサーから『カンパニー全員の陰性が確認できた』と聞きました。初日を迎えられることに、改めて大きな喜びを感じます」、海宝は「やはりコメディはお客様が入ってこそ。いよいよ“船出”と言う気持ちです。お客様を迎えることで作品が完成に向かうと思うと楽しみなので、気を引き締めてがんばりたい」とそれぞれコメントした。
坂本は、初参加の海宝について「とにかくクレバーで、僕が適当なことをやってもすぐ反応してフォローしてくれる。おかげで僕は自由に演じることができるし、すごく頼もしいです」と語る。これを受けた海宝も「本当にストイック。誰よりも長く稽古場に残って演技を追求されていましたし、ずっとピアノを練習している音が聞こえて。『僕が足を引っ張るわけにはいかないな』と、坂本さんの背中を見ながら必死についていきました」と坂本を称賛した。
多数の役柄を演じ分ける坂本は、2016年の上演時に「39.5度くらいの知恵熱が出た」と言う。坂本が「(役が)こんがらがってしまったときは、何事もなかったふりをします(笑)」と明かすと、海宝も「いろいろな要素が混ざったキャラクターが出てきてしまうハプニングもありました。でもそういうことも楽しみながら稽古できましたね」と笑顔を浮かべた。
最後に海宝は「とにかく笑ってもらえる作品になっていると思います。いろいろと難しい状況ですから、大変なことを忘れて楽しんで帰っていただければ。そのために必死に演じますので、ぜひご期待ください」とメッセージを送る。続けて坂本が「みんな目に見えない脅威におびえていると思いますが、僕らはエンタテインメントのパワーをお届けして、日本中、そして世界中を笑顔にできたら」とあいさつした。
上演時間は約1時間50分。公演は本日1月8日から23日まで東京・Bunkamura シアターコクーン、26日から2月1日まで大阪・森ノ宮ピロティホール、8・9日に宮城・電力ホール、12・13日に長野・キッセイ文化ホール 大ホールにて行われる。
オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「MURDER for Two マーダー・フォー・トゥー」
2022年1月8日(土)~23日(日)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2022年1月26日(水)~2月1日(火)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
2022年2月8日(火)・9日(水)
宮城県 電力ホール
2022年2月12日(土)・13日(日)
長野県 キッセイ文化ホール 大ホール
作:KELLEN BLAIR
翻訳:北丸雄二
訳詞:高橋亜子
音楽:JOE KINOSIAN
音楽監督:岩崎廉
演出:SCOTT SCHWARTZ & J.SCOTT LAPP
振付:本間憲一
出演:坂本昌行、海宝直人