17歳のトランスジェンダーを描くブラジル映画「私はヴァレンティナ」4月公開
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ブラジル映画「私はヴァレンティナ」が4月1日より東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国で順次公開される。
現代のブラジルを生きる17歳のトランスジェンダーを主人公にした本作。小さな街に引っ越してきたヴァレンティナは、出生届の名であるラウルではなく、通称名で学校に通う手続きをするべく、蒸発した父を探している。新生活にも慣れてきたが、自身がトランスジェンダーであることは伏せて暮らしていた。そんな中、見知らぬ男性に襲われる事件が起き、それをきっかけにSNSでのいじめや匿名の脅迫、暴力沙汰などさまざまな危機に見舞われる。自身もトランスジェンダーであり、YouTuber・インスタグラマーとしても活躍中のティエッサ・ウィンバックがヴァレンティナを演じた。
ブラジルは近年LGBTQの権利保障に前向きで同性婚も認められているが、一方でトランスジェンダーへのヘイトクライムも根深く、平均寿命は35歳と言われている。監督のカッシオ・ペレイラ・ドス・サントスは、制作にあたって多くのトランスジェンダーにインタビューを行った。「もしこの映画の物語が軽い内容になってしまうとブラジルでの過酷な現実に対してフェアでないと感じた」と話す。また「ネガティブな思いを起こす映画もたくさんありますが、もし自分が10代のトランスジェンダーだとしたらそういった映画を観るのはつらいと思いました。苦しい状況の中でも若いトランスジェンダーたちにとってポジティブで希望のある物語を贈りたい」と思いを口にしている。
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