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広瀬アリスが日常で大切にしていること「心をリセットしてから寝るようにしています」

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1月14日からAmazonプライムビデオにて配信がスタートする『失恋めし』。原案となるのは木丸みさきさんによる同名漫画です。

主人公はフリーペーパーでエッセイ漫画「失恋めし」を連載する“キミマルミキ”。街で見つけた失恋と、失恋で傷ついた心を癒す「美味しいめし」の物語を描きます。その中でミキ自身もさまざまな人や食と出会い、漫画を描くことだけにとどまらないものを得ていくのです。

そんなキミマルミキを演じるのが広瀬アリスさんです。弾けるような笑顔、美味しそうに「めし」を頬張る様子は見ているだけで元気が出るよう。広瀬さんに、作品のこと、恋のこと、食について話していただきました。

女性の心の動きを繊細にとらえたシーンが印象的



――作品や原作を読まれたときの最初の印象をお聞かせください。

失恋ってネガティブなイメージではあると思うんですけど、原作も台本も悲しいよりも、どちらかというと心がちょっとほっこりするというか。
美味しいご飯を食べて「美味しい」と思って、「私大丈夫かも」とか「明日また頑張れるかな」とか、吹っ切れるまではいかないんですけど、自分の心にちょっとした活力を与えてくれる作品だなと、思いました。

――失恋について描く漫画家という役どころですが、役作りなどはされたのでしょうか。

監督の大九明子さんが女の子の心の流れをとても上手に繊細に描いてくださるので、すごく共感しながらお芝居していました。

――特に心に残っている共感したポイントはありますか?

すごく嬉しいことがあってワーッってはしゃぐけど、ふとしたときに悲しいことを思い出して一気に気持ちが下がるとか……そういう情緒が一気に変わる瞬間が女性にはあると思いますが、そんな気持ちの動きを長回しで全部撮影してくださったり。繊細に、そういうシーンを作ってくださっていました。

――食べるシーンも多い役どころですが、演じる際に意識されたことはありましたか?

監督に言われたのは、美味しく食べてくださいということだったので、どれも美味しくいただきました(笑)
本当に全部美味しかったんですけど、個人的には焼小籠包がアツアツですごくおいしくてたまらなかったです。2回もお持ち帰りしちゃいました。

――食だけではなく、いろんなゲストの方が出演されるのも、今回の作品の見どころのひとつかと思うんですが、特に印象に残っている回はありますか?

どの回もすごく印象に残ってるんですけど……。深川麻衣さんは初めましてだったのに、すごく心地が良かったです。地元が一緒なんです、って話しかけてくださって。少しお話しただけだったんですけど、もっと長い時間一緒にいたかったな、って思いました。それぐらい居心地が良すぎました。
深川さんの隣に座って、食べながら失恋……恋愛の話をするんですけど、セリフも覚えてきたものを言うというよりかは本当に自然と話しているみたいな感覚になれたんです。お芝居の間もすごく好きでした。撮影自体は1日半で、天気に左右されてバタバタと撮った感じではあったんですけど、すごく印象的でしたね。

――フィーリングが合った、という感じなんですね。

そうですね。私が勝手に、ですけど。素敵な人だなあ、またご一緒したいな、って思いました。



――重要な役どころで林遣都さんが出演されますが、共演されていかがでしたか?

私が18~19歳のときに、深夜ドラマでご一緒させていただいてから、実はちょくちょくご飯に行かせてもらっていて。遣都先輩って呼んでるんですけど、20歳の誕生日を最初に祝ってくれたのは遣都先輩だったんです。お仕事では7~8年ぶりぐらいです。

――現場ではいかがでしたか?

当時から自由とコミカルを求められるお芝居をされる方だったんですけど、今回、そんなに自由のある役かな?と思いながら遣都先輩を観ていたら、見事に自由で爆笑をかっさらって行かれていました。私も本番中、思わず吹き出しそうになっちゃって。さすがだなあ、と思いました。本当に短い時間でしたが、またご一緒できてすっごく嬉しかったです。

――演技について、何かアドバイスなどはありましたか?

あんまりお仕事の話はしなかったです。でも、また一緒にやりたいね、おっしゃってくださいました。

落ち込んだときは大熱唱しています



――失恋をして、ご飯を食べて、立ち直って……という時間は日常の中でも少し特別で、かけがえのない時間かと思うのですが、広瀬さんご自身が日常で大事にされている時間はどういったときでしょう?

完全に体の力を抜く時間です。やっぱりこの仕事ってどうしても常に緊張していたり、体に力が入った状態で頭をフル回転させていることが朝から晩まで続く時もあるので。家に帰って、その日にたまったものを全部抜いてから寝るのが、今の自分にとって一番大事な時間かもしれないです。

――帰宅されてからのルーティンなどあれば、お聞きしたいです。

お風呂に入ったり……EMSがついている足裏をほぐしてくれるマットがあるんですけど、それがふくらはぎまですっごく効くんです。それをやりながら、Twitterを見たり、お酒を飲んでリラックスして座っているときが一番幸せです(笑)
でもそうすると、不思議と腸がぎゅるぎゅるって急に動いたりするんです。多分、緊張で体がガッチガチになっていたのが緩んでいくんでしょうね。
あと、セルフケアでこれだけやるか、というぐらいに力を入れてマッサージをしています。

――例えば、失恋とか、悲しいことがあったときはいかがですか?

友だちにはとりあえず「ごはん行こう」って言いますけど、私はそっとしておいてほしいです。
でも、食べます。ラーメンとか普段食べないものとか食べちゃいます。あと何してるかなあ……でも、だいたいお酒を飲んでいますね。

――落ち込んだときも同じような?

そうですね。あ、でも大熱唱しています。歌って疲れて寝る。
最近の曲より少し昔の、歌い上げる系の曲をひとりで歌い上げたいです。歌い上げてから、「はぁっ!」って全部吐き出して寝ます。
うち、わんちゃんが2匹いるんですけど、うるさいんだろうな、と思って。そういう顔して見てくるので(笑)帰ってきたら帰ってきたで「本当にうるさいヤツだな~」とか思われてそう。

思い出の味は地元の喫茶店



――失恋めし、ということで食についても少しお聞きしたいのですが、これまで思い出深い食はありますか?

よく行っていた地元の喫茶店ですね。おばあちゃん家から近いところで小さいころはよく行ってたんです。でも、おばあちゃんが引っ越しちゃったので、行く機会もなくなって、今も営業しているのか気になっていたんです。
それをテレビの番組で言ったら、取材に行ってくださって。当時と内装もほとんど一緒で……また行きたいです。カレードリアとかたらこパスタがすごくおいしいんです。そればっかり食べてました。

――今でもそれがナンバーワンですか?

一番好きですね。今どこのお店に行きたい? って聞かれたら、その喫茶店に行きたいです。
温かいというか、昔ながらですし、あの素朴な地元感が好きなんです。

――東京では、何か思い出深い食はありますか?

東京じゃほとんど家を出ないんですよ。だから、全然詳しくなくて。
誘われて行ったとしても、だいたい人に決めてもらっています。
ただ、一度、すごく美味しい白子に出会ったんです。けど、どこのお店の白子か分からない。滅多に食べ物の写真撮らないんですけど、本当に美味しかったからか、その白子の写真だけスマホのフォルダにポツンとあるんです。誘ってくれた先輩に「これどこの白子でしたっけ?」って聞いたら「さすがに白子と皿だけじゃわかんない」と言われてしまいました。 だからあの白子はまた食べたいですね。お店が全く思い出せないんですけど、いつか巡り会えたら嬉しいです(笑)



――落ち着いたら、思い出の喫茶店にも行けるといいですよね。
2022年に「絶対にこれはやりたい!」ということはありますか?

そろそろ旅行に行きたいです。最近は海外の飯テロ動画を観すぎて。韓国とか。からいものが食べられないのにそういう動画ばっかり観て「いいなあ~!」と思っちゃっています。

――最後に、作品を見てくださる方へのメッセージをお願いします。

失恋がテーマの話ではあるんですけど、美味しいご飯も出てきて心にも美味しい飯テロドラマになっています。ドラマを観てお腹が空いたなと思っていただけたら嬉しいですし、実際にお店に行っていただけたらさらに嬉しいです。
やっぱり1月は自分の中でリセットして頑張ろうって思う時期。ちょうど配信が始まる14日ごろは、前向きな気持ちを持っている時期だと思うので、日々寝る前に観る心のリセットドラマになってくればいいな、と思っています。



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撮影/古川義高、取材・文/ふくだりょうこ

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