劇団なかゆび、“いくつかの主義・主張を並べたときに起こる葛藤”描く「京の園」開幕
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劇団なかゆび Nakayubi.-13「京の園」より。(撮影:中谷利明)
劇団なかゆび「京の園」が、昨日1月13日に京都・京都芸術センター 講堂で開幕した。
本作は、劇団なかゆびの神田真直が、アントン・チェーホフの「桜の園」から着想を得て執筆した新作。出演者には中野劇団の延命聡子、河合厚志、幻灯劇場の橘カレン、土肥希理子、劇団なかゆびの柊木樹、藤村弘二が名を連ねた。
神田は上演に向け「個人の生き方にも、文化のあり方にも、好い悪いがないのは大前提として、たくさんあるうちのいくつかの主義・主張を並べたときに起こる葛藤を描きたい。『京の園』のなかには、例えば『孤独な自由と豊かな不自由だったらどちらが好いですか』のようなわりとわかりやすいメッセージを込めて書いているつもりです」とコメントしている。
上演時間は約2時間20分。公演は16日まで。なお、一部公演では神田とゲストによるアフタートークが行われる。
神田真直コメント
多くの方の積極的な協力のもと書かれたのが、「京の園」の物語です。京都はやはり面白い土地です。どうしても、こういう地方密着型の作品になると、取材先の地方を好いように書こうとしたりしてしまう気がしますが、小生はそのような忖度をするつもりはありません。もちろん、ただ悪口を述べようというつもりもありません。個人の生き方にも、文化のあり方にも、好い悪いがないのは大前提として、たくさんあるうちのいくつかの主義・主張を並べたときに起こる葛藤を描きたい。「京の園」のなかには、例えば「孤独な自由と豊かな不自由だったらどちらが好いですか」のようなわりとわかりやすいメッセージを込めて書いているつもりです。もちろん、これは劇作家の言い分で、演出家と俳優が物語から何を取り出すのかはわかりません。ですから、できればみなさんに戯曲を読んでいただいてから、上演を観ていただけるようにしたいなあなどと考えています。もちろん、上演のあとに戯曲を読んでいただいても構いません。ただ、そもそも劇場に行くこと自体が困難となってしまったなかで、一つの作品をいろんな角度から楽しんでいただきたいと、勝手ながらまるでいろいろ食べ方を指定してくるラーメン屋みたいに思っている所存なのであります。
劇団なかゆび Nakayubi.-13「京の園」
2022年1月13日(木)~16日(日)
京都府 京都芸術センター 講堂
作・演出:神田真直
出演:延命聡子、河合厚志、橘カレン、土肥希理子、柊木樹、藤村弘二