森田剛「前科者」で“自分”の姿に泣く、有村架純や磯村勇斗と舞台挨拶
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映画「前科者」公開直前舞台挨拶の様子。左から岸善幸、磯村勇斗、有村架純、森田剛、石橋静河。
映画「前科者」の公開直前舞台挨拶が本日1月20日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われ、キャストの有村架純、森田剛、磯村勇斗、石橋静河、監督を務めた岸善幸が登壇した。
香川まさひとと月島冬二による同名マンガを実写化した本作は、罪を犯した者たちの更生・社会復帰に奮闘する保護司の姿を描く物語。有村演じる新人保護司・阿川佳代の成長を見つめるドラマ版、佳代が現在進行形の凶悪犯罪と向き合う映画版が製作された。森田は職場のいじめが原因で同僚を殺めてしまった工藤誠、磯村は佳代の同級生で若手刑事の滝本真司、石橋は佳代が保護司として初めて向き合った斉藤みどりを演じた。
映画の感想を聞かれた有村は「脚本から想像していた以上にエンタテインメント性のある作品。本当に皆さんのお芝居が素晴らしくて。実力のある方々に囲まれてお芝居できていたんだなと、じわじわとうれしさを噛みしめていました」とコメント。森田は「涙が出て浄化されると言いますか。人の温かみ、ぬくもりを感じる映画」と言葉をつづる。MCから映画のどのシーンに泣いたか問われると「『自分に』ですかね」と即答し笑いを誘った。
初共演となった有村と森田だが、役柄の関係上、現場で会話する機会は多くなかったそう。有村は「山場のシーンを越えて撮影も残り2日ぐらいのタイミングで『趣味はなんですか……?』とお話できて」と述懐。そのとき初めて正面から目をしっかりと見たそうで「瞳の美しさにハッとさせられて。奥底から感じる心根の優しさ。緊張感のある現場でしたが、その瞳に救われた気がします」と明かす。森田も「有村さんの人に対しての寄り添い方や、あきらめない強さ。そういうパワフルな部分を見られてうれしかった」と言葉を返した。
ドラマと映画の両方に出演した石橋は、演技にも変化があったことに触れ「ドラマは出所して間もない頃なので、いろんな葛藤があった。映画の舞台は3年後。みどりも大人になって人としての責任感が生まれていて、佳代ちゃんを支える一面もある」と説明。MCから「佳代とみどりのバディ感が素敵」と振られると、有村は「現場ではみどりさんの存在が大きくて。彼女がいるだけで気持ちが和やかになる」「撮影が進む中で石橋さんのことが大好きだな、と思って(笑)。バディが石橋さんでよかった」と回想する。この発言に石橋も笑みをこぼしながら「座長として付いて行きたくなるし、みんなを包んでくれる感じもある。話すとお茶目な一面もあって素晴らしいリーダーです」と有村を褒めたたえた。
岸から撮影の初日に「常に目をするどくいてほしい」と言われたという磯村は、滝本を「消えない傷を抱えて刑事になった人間」と表現しつつ「感情にずっとふたをして事件を追う。その内に秘めた力強さを出したいと思っていました」と役作りを振り返る。有村とは夫婦を演じた連続テレビ小説「ひよっこ」以来、およそ4年ぶりの共演となった。磯村は「感慨深い気持ちもあるし、照れくささや安心感もある。しっかりと(現場に)立っていて、何かを投げても受け止めてくれる。お芝居をしていて本当に楽しかった」と述懐。有村も「とても充実した目をされていて。この4年間でお互いにいろいろな経験をして再会できたことがとてもうれしかった」と再共演を喜んだ。
最後に有村は「私自身、まだこの作品を消化しきれていない部分もある」と切り出しつつ「被害者とは、加害者とは、人とは。本当にさまざまなことを考えさせられる作品。この映画を観ても、きっと正解はわからなくて、正解はないのかもしれない。でも人と人が寄り添うことは自分にできることの第一歩。こういった世の中だからこそ、助け合うこと、寄り添うこと、許し合うことが必要になってくるのかなと思います。それがこの作品の1つのメッセージとして皆様に届けることができたら」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
「前科者」は1月28日より全国公開。全6話の「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」はWOWOWオンデマンドで配信中だ。1月29日にはWOWOWプライムで一挙再放送される。
(c) 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会