【K-POP界の“New Hope”ONF 特集 PART1】 2021 ONF LIVE CONTACT CODE #1. 「REVERSE」 12/12 ライブレポート
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『2021 ONF LIVE CONTACT CODE #1. 「REVERSE」』より 写真:(C) WM ENTERTAINMENT
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すべて見る2021年に4枚ものアルバムをリリースし、そのたびに韓国のみならず世界各国の音楽チャートで自己記録を更新して高い評価を獲得し続けたONF。競争の激しいK-POP界で彼らが一目置かれる存在となったのは、デビューから一貫して同じ音楽プロデューサーの下で独自性の高い音楽を発信し続け、それを存分に昇華するべくパフォーマンスを進化させ、個性豊かな声をもつメンバーたちが真摯に音楽に向かう姿勢を貫いてきたからだろう。
そんなONFが、2021年12月にデビュー後初となる単独コンサートを韓国・ソウルで開催した。コンサートの直前にリリースした6thミニアルバム『Goosebumps』を携え、デビュー5年目で叶えることができた夢の舞台でもあり、日本人メンバーのUを除く5人が一斉に12月末に入隊を控えていたタイミングでのコンサートでもあった。
K-POPアイドル初の同伴入隊として報道され話題になったONFの決断は、グループとファンへの信頼がなければできないこと。1年半の間、一切の活動を止めたとしても、6人のONFとして帰ってくるための最短の道を選択したのだ。
2022年の下半期に彼らが発表した作品やコンサートに懸けた想いを、ライブレポートや最新インタビューから感じ取ってほしい。
人気曲『Lights On』から始まる、デビューから変わらない世界観
ONFが12月9日から12日の4日間、デビュー5年目にして初の単独コンサートを開催。3日目と最終日には、オンライン配信も行われ、日本からもその雄姿を見ることができた。初の単独コンサートだが、6人のメンバーのうち、日本人メンバーUを除いた韓国人メンバー5人が、MKの12月21日を皮切りに、27日にJ-USとWYATT、28日にHYOJINとE-TIONが入隊することを表明していたので、入隊前最後のコンサートでもある。K-POP界ではメンバーの一部が同時期に入隊したケースはあったが、外国人メンバーを除く全員が同時期入隊するのは初のケースとなる。
アンコール含めて4パートに分けられた公演の最初のパート<EP1:REVERS>のオープニングタイトルは、『Lights On』。この曲は次に続く『ON/OFF』のイントロダクション的な位置付けとしてデビューステージから披露されてきた、コアファンにはおなじみの楽曲といえる。デビュー段階からONFの楽曲テーマであるアンドロイドのいるSF的世界観が「一人で眺めた灰色の都市には、僕に似た君が多すぎる」という歌詞で示唆されているのだが、5年経った今でも彼らはこの世界感を元に楽曲が製作されリリースを続けている。
そんなことができるのは、デビューから一貫してONFの楽曲プロデュースを続けているプロデュースチーム、MonoTreeの存在が大きい。ここまで長く同一プロデューサーを起用するのも珍しいが、ONFとMonoTreeはもはや切っても切れない関係だ。「名曲の宝庫」といわれている彼らは毎作「コンセプト」にこだわり、それが評価されている。これこそ長きに渡る関係値のなせる業といえるだろう。ともあれ、このオープニングで、ファンは本公演が彼らのキャリアを総括するものだとわかったはずだ。
お決まりの「LIGHT ON!」で始まったMCでUは、日本語で「日本のFUSE(ONFファンダムの総称)の皆さん、見ていますでしょうか。今日でREVERSEコンサート最後ということで、盛り上がっていきましょう!」とオンライン参加の日本のファンに気合を送った。
<EP2:GAME CHANGER>はこのライブの見どころのひとつでもある、日替わりコーナーからスタートしたが、初日と3日目が、2日目と最終日が同じ楽曲で構成されていた。
3日目は、ONチーム(HYOJIN、E-TION、MKのボーカルユニット)による『Thermometer(온도차)』から、J-USの「Intro(ダンスパフォーマンス)+ 『Solo』(Black PinkのJENNIEカヴァー)」へ。そして12月24日が誕生日のE-TIONは、ピアノだけの伴奏でのクリスマスキャロルと、往年のアイドルSS501の『Snow Prince』と、ウィンターソングを熱唱。WYATTは亡き母に向けて書いた自作曲のバラード『愛していると言えないまま(사랑한단 말 못한 채)』を歌い上げたが、最後の「愛してるよ、母さん…」という部分で耐えていた涙がこぼれ落ちた。ソロ&ユニットコーナーのあとも日替わりとなり、『My Name Is』と『Feedback』がパフォーマンスされた。
「この夢の中で現実をつかむ」
最終日の4日目では、日本人メンバーUのソロ曲『STAY』(The Kid LAROI, Justin Bieberカヴァー)がコーナーの口火を切った。ONFのダンスを支える軽やかなダンス、そしてボーカル力の高さを存分に堪能できる選曲。MKはラップにWYATTを迎えた自作のR&B曲『MISTAKE』を披露。そしてメインボーカルのHYOJINは、韓国バラード曲の大定番『Wild flower(野性花)』(パク・ヒョシン カヴァー)を情感たっぷりにと、カラーの異なる選曲で個性を印象付け、OFFチーム(J-US、WYATT、Uのパフォーマンスユニット)の『Secret Triangle(비밀)』 へ。そして、全員揃ったところで『Geppeto(제페토)』と『Dry Ice』をパフォーマンスした。
6曲の日替わり曲の後の『The Realist』と『The Dreamer』は、曲調はまったく異なるが「この夢の中で現実をつかむ」、「この現実で夢をつかむ」という歌のテーマ・歌詞がシンクロしている曲。ONFの曲にはいたるところでこういった伏線があり、それを考察していくのも楽しい。終盤は『Moscow Moscow』、『We Must Love(사랑하게 될 거야)』、『Why』と活動曲をたたみかけ、ハイライトを作り上げた。
<EP3:THE GREAT ESCAPE>は初パフォーマンスとなる『My Genesis(Übermensch)』から始まったが、最終日はUが2部を終えたところで脱水状態となってしまい、ここから5人でのステージに。2021年のK-POPを代表する1曲ともいえる『Beautiful Beautiful』や『New World(신세계)』など、彼らが起死回生で臨んだサバイバル番組『Road To Kingdom』以降の楽曲が並んだ。『New World(신세계)』はアルバム収録バージョンではなく、その『Road To Kingdom』バージョンだった点も感慨深い。
君たちのことをとても頼りに思っている。愛してるよ!
<アンコールパート:CONNECT>では新曲『Goosebumps』で盛り上げ『Summer End(여름의 끝)』を終えると、メンバーそれぞれからファンへの最後の挨拶が行われた。
MK「(手紙を用意してきたけれど、読みはじめたとたん涙が止まらなくなる)これまで頑張ってきたけれど、逃げたかった瞬間、逃げられなかったときもたくさんありました。でも、今回コンサートを通して、皆さんに愛されていると実感できました。もっと大人になって戻ってきます。皆さんに恩返しできる人になって戻ってきますね。皆さん、本当に愛しています」
E-TION「(準備した手紙を読みながら)公演前にいろいろ考えて不安になりました。でも皆さんにお会いして、“ただ一緒に楽しめばいいんだ”ということに気付き、忘れられない思い出を作ってさしあげようと決めました。僕はいつも自分に物足りなさを感じていました。僕は愛されていいのかって……。ステージに立つのは幸せだけど、不安も多かった。でもいつもFUSEが力になってくれました。僕がONFとしてデビューしてからずっと、僕の勇気になってくださってありがとうございます。また会う日には、もっと多くの力をお伝えたいと思います。かっこよく成長して戻ってきます。そしてメンバーたち、練習生時代からデビューしてこれまでの思い出がたくさん浮かぶんだけど…君たちのことをとても頼りに思ってる。愛してるよ!」
HYOJIN「去年のクリスマス、FUSEに“サンタに何をプレゼントしてもらいたい?”と訊かれたとき、“時間がほしい”と答えました。僕たちはかなり前から入隊の計画を立て、皆さんとの時間を大事にしてきました。FUSEの皆さんと少しでもたくさん良い思い出を作りたくて。これからの1年半、僕らはそれぞれ離れ離れになって過ごすと思いますが、あまり心配しないでください。今までに作ってきた思い出、そしてこれからの時間も大事に過ごして元気に戻ってきます。皆さんも幸せだった時間を思い出しながら過ごしてください。ONFに良い思い出を作ってくださってありがとうございました」
J-US「僕はストーリーを書くことが好きなんです。練習生時代にデビューという夢を見て、その夢が叶い幸せでした。ステージに立ってファンの皆さんにお会いしたら幸せだけど、心の中は不安でいっぱいでした。僕たちの曲を多くの人に聴いてほしかったけれど、それがなかなか叶わなくて……。実はサバイバル番組に出演するとき、“これが最後だ”と思って臨みました。ONFというアーティストがいるということだけを伝えるために頑張ったら、ステージもメンバーの個人的な魅力も表現できて、少しずつ人気が上がったのも感じられて、ONFの歌をたくさんの方々に知ってもらえて嬉しかったんです。FUSEたちの応援があったから、歌をずっと続けられました。僕はこう思います。ONFだけでなくFUSEと一緒に作っていくストーリーだと。待っていて下さいとは言いたくないです。でも最後まで一緒にストーリーを作っていきましょう」
WYATT「僕は“辞めたい”と思ったことが何度もありました。自分に才能がないと思っていたから。でも僕が“辞めたい”という度に兄さんたちが“もう少しだけやってみない? 僕たちが頑張るから”と言ってくれたんです。その言葉が心に残っていて、いま、すごく後悔しています。バカみたいですよね? そんなバカなヤツをここまで引っ張ってきてくれたのがメンバーたちです。入隊している間にメンバーと離れるのはすごく怖いです。夢ならいいのにと思うけれど、でも、元気に行ってきます」
そしてこの場にいることができなかったUのために「Uが伝えたかったことを代わりに言おう」とJ-USが提案し、「あまりしゃべるタイプじゃないけれど、“一緒に待っていよう”と言ったはずです」とWYATTが代弁。J-USが「UはFUSEたちにもっと良い姿をお見せするためにいつも頑張っています。FUSEたちが応援してくれるから、ひとりで韓国に来ても寂しくなかったと思います。倒れてしまったUのご両親には“大丈夫だと言われていますので、あまり心配しないでください”と伝えますね。Uと一緒にONFになれてとても幸せです」と、不在のUにもメッセージを送った。
そしてJ-USが「この歌は笑顔で始まるんです。FUSEも笑顔で終わりにして、また笑顔でお会いしましょうね。本当に愛しています感謝しています!」と元気に『POPPING』を歌うと、最後にメンバー全員でハグをして、「LIGHT OFF!」と言ってステージを降りた。
Uのアクシデントがあったが、なんと約3時間20分という大ボリュームの初ライブ。入隊前最後ではあるけれど、未来へ向けたポジティブな内容で、彼らにとってはこの先への通過点のようなライブだった。同時期に入隊する彼ら。6周年を迎える2023年8月には全員揃った姿が見られそうだ。
取材・文:坂本ゆかり
写真:(C) WM ENTERTAINMENT
2021 ONF LIVE CONTACT CODE #1. 「REVERSE」 【SET LIST】
2021.12.09~12.12 @YES24 LIVE HALL(韓国 ソウル)※12.11&12はオンライン同時開催。
VCR
M01. INTRO+LIGHTS ON
M02. ON/OFF
―MC―
M03. Sukhumvit Swimming
M04. Good Good(오늘 뭐 할래)
M05. Complete(널 만난 순간)
VCR
M06. Thermometer(온도차)[ON Team Ver.]〈Day1&3〉/ STAY[U ソロ]〈Day2&4〉
M07. INTRO+SOLO[J-US ソロ]〈DAY1&3〉/ MISTAKE[MK ソロ feat. WYATT]〈Day2&4〉
M08. クリスマスキャロル+SNOW PRINCE[E-TION ソロ]〈DAY1&3〉/ INTRO+Wild Flower(野生花)[HYOJIN ソロ] 〈Day2&4〉
M09. 愛していると言えないまま(사랑한단 말 못한 채)[WYATT ソロ]〈DAY1&3〉/ Secret Triangle(비밀)[OFF Team Ver.] 〈Day2&4〉
―MC―
M10. My Name Is〈DAY1&3〉/ Geppeto(제페토)〈Day2&4〉
M11. Feedback〈DAY1&3〉/ Dry Ice〈Day2&4〉
M12. The Realist
M13. The Dreamer
―MC―
M14. Moscow Moscow
M15. We Must Love(사랑하게 될 거야)
M16. ダンスブレイク+Why
VCR
M17. My Genesis(Übermensch)
M18. Show Must Go On
―MC―
M19. Beautiful Beautiful
M20. Ugly Dance(춤춰)
―MC―
M 21. New World(신세계)RTK Ver.
VCR
〈ENCORE〉
M 22. Goosebumps
―MC―
M23. 86400(스물네번)〈Day1〉/ Message〈Day3〉/ I.T.I.L.U〈Day2〉/ Summer End(여름의 끝)〈Day4〉
M24. POPPING(여름쏙)
VCR
【次回予告】ONFさんのインタビューやSELF LINER NOTESを続けて公開予定!お楽しみに!
プロフィール
ONF(オンエンオフ)/온앤오프(オネノプ)
B1A4やOH MY GIRLを輩出した、韓国WM Entertainment所属の6人組ボーイズグループ。2017年8月に1stミニアルバム『ON/OFF』をリリースして、韓国デビュー(デビュー日は8月3日)。ONチームとOFFチームの2つから構成されおり、ONチームはリーダーのHYOJIN(ヒョジン)、E-TION(イーション)、MK(エムケイ)のボーカルチーム。OFFチームはリーダーのJ-US(ジェイアス)、WYATT(ワイアット)、U(ユー)のパフォーマンスチーム。
日本では2018年3月12日にファンミーティング開催のため初来日し、2018年8月1日に『ON/OFF -Japanese Ver.-』で日本メジャーデビューを果たす。デビュー時から今日まで、一貫してMonoTree Studioのファン・ヒョン氏が音楽プロデューサーを手掛けており、その音楽性の高さから徐々に“名曲の宝庫(名曲のグルメ店)”と称されるように。
韓国では、2020年に『Road to Kingdom』(韓国・Mnetにて4月30日~6月18日放送)の出演を機に大衆的な人気を得て、5thミニアルバム『SPIN OFF』(2020年8月10日)のリードトラック『Sukhumvit Swimming』で、デビュー後初の音源配信チャート1位に。今年2月にリリースした初のフルアルバム『ONF:MY NAME』では、リードトラック『Beautiful Beautiful』が世界でヒットし、MVは公開から3日で1000万ビューを達成。韓国内では配信チャートはもちろん、『THE SHOW』(3月2日放送回)で初の音楽番組1位に輝いた。デビューから1308日目での初1位だった。フルアルバムのリパッケージ『CITY OF ONF』を2021年4月28日にリリース。ファンダム名は『FUSE(フューズ/퓨즈)』。
【日本公式】@ONFofficial_JP
【韓国公式】@wm_on7off
【韓国 メンバー公式】@WM_ONOFF
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