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16歳でこの感性はモンスター! 「さがす」佐藤二朗が伊東蒼を絶賛

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「さがす」公開記念舞台挨拶の様子。

「さがす」の公開を記念した舞台挨拶が本日1月22日に東京・テアトル新宿で行われ、キャストの佐藤二朗、伊東蒼、監督の片山慎三が登壇した。

本作は「指名手配中の連続殺人犯を見た」と言い残して姿を消した父と、その行方を追う娘の姿が描かれるミステリー。佐藤が父の原田智、伊東が娘の楓を演じ、清水尋也が指名手配中の連続殺人犯・山内照巳、森田望智が山内と関わりを持つ女性ムクドリに扮した。

佐藤は「この年齢でこの感性はモンスター! 1日目の撮影で、すごいのがいるぞ!と思わされた」と伊東のセンスを絶賛する。一方の伊東は「楽屋でスマホゲームをしていた」と現場での佐藤の姿を明かしながらも「進路の話を聞いてくださったり、私がシーンでの感情が残っているときに優しく声を掛けてくださったりと、本当のお父さんみたいでした」と感謝した。

イベントでは、佐藤がサプライズレターを読み上げる場面も。佐藤は「老眼で字が……」と述べて笑いを誘ったあと、伊東へ「16歳であの芝居の感性と技術はやはり怪物だと思います。小さな小さな怪物のこれからを本当に楽しみにしています」とメッセージを送る。20年前に出会った片山には「20年前のあの若造に僕はこう言いたい。『そこのウロチョロしてる君。君と出会ったことは、20年後に、俺の誇りになるんだぞ』。片山、ありがとう」と感極まりながら伝えた。

「さがす」は全国の劇場で上映中。

佐藤二朗 手紙全文

伊東蒼へ

蒼ちゃん。僕は君のことを 「怪物」と称していますが、よく考えたら16歳の女の子に「怪物」なんてごめんなさい。でも、16歳であの芝居の感性と技術はやはり怪物だと思います。小さな小さな怪物のこれからを本当に楽しみにしています。
そして「おかえりモネ」で演じた石井あかり役、とっても良かったですよ。これからも頑張って。

清水尋也へ

清水くん。今回は連続殺人犯という役どころを水を得た魚のように演じているように僕には感じました。特に、弁当をむさぼりつくように食べるシーンが、印象に残っています。「食べる」シーンは役者の力量とセンスが試されると思うからです。本当に素晴らしい若手の俳優を見つけた気分です。ありがとう。
内田まもる役もすごく良かった。おかえりモネの。オタクっぽく頼りない印象の青年が気象キャスターとしてデビューした時は、おじさん感動して泣いちゃった。

森田望智へ

森田さん。若手にして、もはや女性版ロバート・デ・ニーロの風格。役に寄せる力は同業者として尊敬に値します。深い闇を抱えたムクドリを、あそこまで説得力を持って演じたことも称賛に値します。てきぱきと仕事をこなし、弁が立つ、頼もしい先輩の雰囲気もとても良かった。ごめんなさい、いつの間にか「おかえりモネ」の話になってしまいました。さようなら。

片山慎三へ

片山。あなたと出会ったのは、20年前。あのとき、右も左も分からない制作の使いっぱしりだったハタチそこそこの若者と20年後、こうやって舞台上にいるのですから、やはり人生はやめられないほど面白いね。片山が俺に送ってくれた手紙からこの映画は始まったので、無事に公開を迎えた晴れの日に、今度は俺から君に手紙を書いています。
「おかえりモネ」のことばかり言ってごめんなさい。しかし間違いないのは、映画「さがす」が沢山の人の胸に響くことと、あなたがこれからの日本映画を背負うことです。20年前のあの若造に僕はこう言いたい。「そこのウロチョロしてる君。君と出会ったことは、20年後に、俺の誇りになるんだぞ」。片山、ありがとう。「おかえりモネ」を演出する時は、どこかに俺をキャスティングしてくれ。ちなみに、モネになる準備は既にできている。

(c)2022『さがす』製作委員会