河瀬直美、「再会の奈良」語る「奈良が美しく温かい人がいる街だと世界に発信された」
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河瀬直美
「再会の奈良」公開記念舞台挨拶が本日1月29日に奈良・シネマサンシャイン大和郡山で行われ、エグゼクティブプロデューサーの河瀬直美が登壇した。
中国出身のポン・フェイが監督を務めた本作は、なら国際映画祭のプロジェクト「NARAtive2020」から生まれた日中合作映画。中国から奈良にやって来た“陳ばあちゃん”が、養女として育てた中国残留孤児・麗華を探すさまが描かれる。
河瀬は「中国と日本の懸け橋になりたいというポン・フェイ監督の思いがこの作品には込められていたと思います。30代の監督が奈良県御所市で、たくさんの方々の支援によってこの作品を作れたことは、なら国際映画祭としても感無量です。奈良がこんなにも美しく、温かい人々がいる街なんだということが世界に発信されたのではないかと思っています」と挨拶する。
河瀬とともにジャ・ジャンクーがエグゼクティブプロデューサーを務めた本作。河瀬は「ジャ・ジャンクー自身も中国国内で小さな映画祭を企画していて、若い監督にチャンスを与える活動をしています。若い監督が映画を作ることやお金を集めることは、とても困難なことです。私自身もなら国際映画祭で、将来の映画文化を担う若手育成の取り組みをしていたので、いつか一緒に誰かをプロデュースしたいねと話していました」と述べ、「そうしたときにポン・フェイ監督が本作で観客賞を受けたことがきっかけで、NARAtiveの監督に就任したとき、すぐにジャ・ジャンクーに連絡をしました。本作はジャ・ジャンクーが中国で資金を集め、日本では私が資金集めをしました。彼はライバルでもあり、親しい友人でもあります」と明かした。
また、河瀬はポン・フェイが本作にサプライズ出演していることに触れつつ「言葉を必要としないでユーモアのある撮影ができる。それがポン・フェイなんです! だから、ある時期から一切撮影には口出しをしないようにしました。私は國村隼さんのキャスティングをしたり、永瀬正敏くんにも友情出演してもらったりとプロデュース業に専念させていただきました」と回想。そして「日中国交正常化50周年という節目で残留孤児について描くことはとても繊細なことで、ポン・フェイ監督と、奈良に住んでいる残留孤児の方々にたくさん取材しました。少し難しいと感じてしまうテーマですが、歴史的背景をポップなアニメで表現するなど、優れた素晴らしい表現をしてくれました」と伝えた。
「再会の奈良」は奈良県で先行上映後、2月4日より大阪のシネ・リーブル梅田、東京・シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開される。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
(c)2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)