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「ドライブ・マイ・カー」キネ旬ベスト・テンで5冠、濱口竜介が役者に感謝

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濱口竜介

「2021年 第95回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が本日2月2日、東京・Bunkamura オーチャードホールにて開催された。

「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年度に当時の編集同人の投票によってベストテンを選定したことを発端とする映画賞。今回は、濱口竜介の監督作「ドライブ・マイ・カー」が日本映画1位を獲得した。濱口が日本映画監督賞、読者選出日本映画監督賞、濱口と大江崇允が脚本賞、キャストの三浦透子が助演女優賞を獲得し、同作は5冠を達成。濱口、大江、三浦、C&Iエンタテインメントの代表・久保田修が登壇した。

濱口は「ベスト・テン1位をいただけて、うれしいです。作品をトータルで評価していただけたと思っております」と喜び、主演を務めた西島秀俊について「3時間ほぼ出ずっぱり。『ドライブ・マイ・カー』を観るということは、西島さんをずっと見続ける体験でもあります。西島さんじゃなければ、多くの観客が納得する演技はできなかったと思っています」と語る。

また「役者の皆さんが、いい監督のように見せてくれている」と感謝する濱口は、「村上春樹さんからお預かりした物語を観客に届ける責任がある。脚本賞をいただけて、少しはそういったことが叶ったのかなという気持ちでおります」と真摯にコメント。大江は「チームが評価していただけたと思っております」と述べた。

濱口は「ドライブ・マイ・カー」と「偶然と想像」を同時期に制作していたことに触れ、「コロナ禍ということで大変でしたが、忙しく仕事をしていたことで精神が健全でいられたという感覚がありました。厳しい状況で作った作品を評価していただけて、ありがたいことです」と述懐。そして、第94回米国アカデミー賞ノミネートへの期待の声が飛ぶと「なりゆきなので、もしそういうことがあったらとてもありがたいことだと思います。賞によって作品が変わるわけではないので、自分たちが何ができて何ができなかったのかということを心に留めておくのが一番大事。そのうえで、そういう素晴らしいことがあれば、ご褒美だと思います」と語った。

文化映画ベスト・テンを獲得したのは原一男の「水俣曼荼羅」。原は「『水俣病ってもう終わったんでしょ?』って言われるんですが、全然終わっていません! 始まってもいないんだというメッセージを作品の中に込められたと思っています。これから水俣病ってまだまだ終わっていないんだと、生の声であちこちに訴えていきたいと思っています」と伝えた。

なお「キネマ旬報ベスト・テン」全順位は2月4日発売のキネマ旬報で発表される。

2021年 第95回キネマ旬報ベスト・テン

日本映画ベスト・テン 1位

「ドライブ・マイ・カー」

外国映画ベスト・テン 1位

「ノマドランド」

文化映画ベスト・テン 1位

「水俣曼荼羅」

個人賞

主演女優賞:尾野真千子「茜色に焼かれる」「ヤクザと家族 The Family」により
主演男優賞:役所広司「すばらしき世界」により
助演女優賞:三浦透子「ドライブ・マイ・カー」「スパゲティコード・ラブ」により
助演男優賞:鈴木亮平「孤狼の血 LEVEL2」「燃えよ剣」「土竜の唄 FINAL」により
新人女優賞:河合優実「由宇子の天秤」「サマーフィルムにのって」「偽りのないhappy end」により
新人男優賞:和田庵「茜色に焼かれる」により
日本映画監督賞:濱口竜介「ドライブ・マイ・カー」「偶然と想像」により
外国映画監督賞:クロエ・ジャオ「ノマドランド」「エターナルズ」により
日本映画脚本賞:濱口竜介、大江崇允「ドライブ・マイ・カー」により
特別賞:佐藤忠男 70年以上の評論活動を通して日本の映画文化の発展に貢献した功績に対して
読者選出日本映画監督賞:濱口竜介「ドライブ・マイ・カー」により
読者選出外国映画監督賞:クロエ・ジャオ「ノマドランド」により
読者賞:立川志らく 連載「立川志らくのシネマ徒然草」により