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コロナで2試合中止のSA浦安と埼玉WKが激突! バイウィーク前に真価を発揮するのはどっち?

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イズラエル・フォラウ(シャイニングアークス東京ベイ浦安) (c)スエイシナオヨシ

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ホストチームにとっても、ビジターチームにとって重要な80分間となるだろう。『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』第5節・シャイニングアークス東京ベイ浦安×埼玉ワイルドナイツ。秩父宮ラグビー場でのゲームはSA浦安にとって2戦連続試合中止からの仕切り直しであり、開幕2戦が中止なった埼玉WKにとって快勝、大苦戦に続く戦いである。ともに3試合目、来週はバイウィークとなる。ここでひとつ結果を残して2週間の準備期間を有効に使いたいことだろう。

上々の滑り出しだった。SA浦安はコベルコ神戸スティーラーズを相手に敵地での開幕戦で劇的勝利を奪った。開始早々3分に先制されるも、12分に新加入の日本代表FL(フランカー)ジェームス・ムーアの突破から元オーストラリア代表FB(フルバック)イズラエル・フォラウがタックルを受けながらもそのままトライ。その3分後にはラインアウトからのトライチャンスを反則で止められてペナルティトライを獲得。前半終了間際にS神戸に1本返され、後半10にはPGで逆転を許したが、後半36分に新加入SO(スタンドオフ)オテレ・ブラックのキックパスをフォラウが空中でキャッチし、豪快にトライを決めた。CGも決まりSA浦安が24-18と逆転。それでもホストのS神戸は諦めない。ラストプレーの猛攻から後半44分についにトライを奪い切ったのだ。しかし、決して難しい角度ではないCGを元NZ代表SOアーロン・クルーデンがまさかの失敗。SA浦安が24-23の白星発進をしたのだった。

3季ぶりに古巣へ舞い戻ったロブ・ペニー監督が「この上ない喜び。自分の記憶では神戸に勝利したのは初めて、クオリティの高いチームを相手に勝利しうれしい限り。今日のような拮抗した試合が『リーグワン』の競争率の高さを証明している」と率直に喜びを表せば、CTB(センター)シェーン・ゲイツ主将は「今日の勝利という特別な瞬間をメンバー、関係者と分かち合えた。厳しい戦いが続くことが予想されるが、いいスタートを切ることができたので、一戦一戦しっかりと準備をしていきたい」と次に目を向けた。約3年ぶりとなる15人制ラグビー復帰だが、ブランクを感じさせない活躍を披露した豪州代表73キャップのフォラウは「全体的に満足している。課題はいくつかあるが、チームメートがチャンスを作り出してくれたことが、自分がいいパフォーマンスを出せた要因になっている。このチームの一員になれたことを誇りに思う。トライの瞬間は素晴らしい瞬間だった」と振り返った。

開幕戦でシーソーゲームをモノにしたSA浦安だが、第2戦は接戦を落とした。クボタスピアーズ船橋・東京ベイとの千葉ダービーはジリジリした展開に。互いにチャンスを作るもトライは前半18分のS東京ベイの一本のみ。好位置でペナルティを得るとSA浦安はブラック、S東京ベイはゲラード・ファンデンヒーファーが3点を刻んでいった。SA浦安は最後までS東京の粘り強いディフェンスを崩せずに9-19で敗れたのだった。惜しい敗戦に指揮官と主将は確かな手応えを感じていた。試合後「ふたつのいいチームのぶつかり合いになった。いいプレーはできたが、細かいところの差で敗れた。イーブンで非常に拮抗した試合だった」(ペニー監督)、「いいバトルだった。拮抗した試合でSA浦安のスタイルを見せられた。チャンスで決め切れなかったが、チームとしていい方向に成長できている」(ゲイツ主将)と前向きな言葉を残した。

しかし、新型コロナウイルス感染症の陽性者が出て、第3節・グリーンロケッツ東葛戦、第4節・横浜キヤノンイーグルス戦は中止に。SA浦安は戦わずして貴重な勝点と貴重な時間を失ったのだ。リスタートとなる第5節でSA浦安がどれだけの強度を見せられるか注目される。

一方、埼玉WKは2週間遅れの開幕を余儀なくされた。コロナ陽性者が続出し、国立競技場でのS東京ベイとの開幕戦、続く東葛戦が中止なった埼玉WKは第3節・横浜E戦に初登場。GR東葛、S神戸を相手に開幕2連勝を飾った横浜Eに対して、埼玉WKはゲーム体力と試合勘が不安視されたが、時計が進むとともに不安を払拭した。

前半こそ、CTBディラン・ライリーのトライなど10-3と重い展開となったが、後半11分に稲垣啓太&平野翔平の両PR(プロップ)、HO坂手淳史主将、FLラクラン・ボーシェー&福井翔大と一気に5枚替え。後半16分にスクラムから豪州代表42キャップのWTBマリカ・コロインベテが抜け、新加入のボーシェー、ウエールズ代表20キャップのCTBハドレー・パークスとつないでトライを奪うと、29分にはSO松田力也がPGを決める。35分には松田が右サイドに張ったWTB竹山晃暉へキックパスをズバリ。終わってみれば27-3。埼玉WKは持ち前の堅守と個の能力で奪い切る決定力、そして卓越した試合巧者ぶりを見せ付けたのだった。

『トップリーグ』最後の王者にブランクは関係ないと思われたが、第4節は大苦戦を強いられる。S神戸が埼玉WKのミスや隙を見逃さずに着実にトライを重ねていくのに対し、埼玉WKは松田のキックが精度を欠き、思うように点差をつめられない。後手を踏み、反則も連発し、後半23・26分にPGを献上、22-37と2トライ2ゴールでも追い付けない点差を付けられた。しかし、ここからワラビーズ最強トライゲッターが牙を剥く。後半28分にラインアウトモールからボールを託されたコロインペテがパワーで守備網を破ってトライ。その6分後には左サイドでボールを受けてインゴールへ飛び込んだ。難しい角度のCGを松田は成功させて34-37と迫る。

ドラマは試合終了間際に生まれる。78分、絶好の位置でペナルティを得るも、埼玉WKは同点のPGではなく、トライ狙い。ラインアウトモールから途中出場のHO堀江翔太がグラウンディングして逆転、松田もCGをきっちり決めて41-37の大逆転劇をやってのけたのだ。

指揮官にとって、胃の痛くなるようなゲーム展開だったが、名将ロビー・ディーンズ監督は「このような結果を手にできたことを大変うれしく思う。今日の試合はとても重要な教訓となり、価値のある試合となった。前半は我々にとって苦しい展開となったが、選手たちが落ち着いたプレーを続けて、最後に勝利を得ることができた。今日の試合で『リーグワン』、そして日本のラグビーのレベルの高さを示せたと思う」とポジティブなコメントを発した。

それに対して選手たちは「前半9つ、後半5つのペナルティがあった。私たちのチームは『規律』を強みにしているので、これだけペナルティを出したことは反省すべき」(坂手主将)、「3本キックを外してしまい、少しパニックになったが、キックが入らない時に自分がその原因を見つけ調整して、次のプレーに繋げていかなければいけないと感じた。まだまだキックを磨かないといけない」(松田)と反省の弁を口にした。

埼玉WKらしい隙を見せない第3節とミスと反則を連発した第4節。対照的なパフォーマンスとなった王者が次節どんな顔を見せるのか、真価が問われる。

キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。
【シャイニングアークス東京ベイ浦安】
1庵奥翔太、2三浦嶺、3平井将太郎、5金嶺志、5サム・ジェフリーズ、6ジェームス・ムーア、7金正奎、8ジミー・トゥポウ、9湯本睦、10オテレ・ブラック、11小泉将、12本郷泰司、13シェーン・ゲイツ、14石井魁、15イズラエル・フォラウ、16竹内柊平、17上田竜太郎、18三宮累、19目崎啓志、20マッケンジー アレキサンダー、21グレイグ・レイドロー、22鶴田諒、23トゥクフカ トネ

【埼玉ワイルドナイツ】
1稲垣啓太、2坂手淳史、3平野翔平、4ジャック・コーネルセン、5マーク・アボット、6ベン・ガンター、7ラクラン・ボーシェー、8福井翔大、9内田啓介、10松田力也、11マリカ・コロインベテ、12ヴィンス・アソ、13ディラン・ライリー、14竹山晃暉、15野口竜司、16堀江翔太、17床田裕亮、18ヴァル アサエリ愛、19長谷川崚太、20布巻峻介、21小山大輝、22ハドレー・パークス、23セミシ・トゥポウ

SA浦安としてはスコットランド代表76キャップの司令塔レイドローが投入される後半までの試合運びが鍵となるだろう。堀江、PRアサエリ愛、FL布巻、パークスら代表クラスがズラリとベンチに並ぶ埼玉WKにとっても後半勝負は望むところだ。果たしてコロナで2試合を失った両軍の対決で結果と内容を手繰り寄せるのはSA浦安か、埼玉WKか。『NTTリーグワン2022』第5節・SA浦安×埼玉WKは2月5日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

ジャパンラグビー リーグワン 特設ページ
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