英国ユース・カルチャーを描いた『ノーザン・ソウル』 5年の歳月を経て劇場公開決定
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英国ユース・カルチャーを描いた映画『ノーザン・ソウル』が2019年2月9日より劇場公開されることが決定した。
1960年代にイングランド北部のワーキング・クラスの若者から生まれ、後のレイヴ・カルチャーなどに影響を与えた音楽ムーヴメント“ノーザン・ソウル”。本作は、その最盛期である70年代を舞台に、“ノーザン・ソウル”に魅了された青年たちの成長を描いた青春物語。ユース・カルチャーの描写に定評があるファッション・フォトグラファー、エレイン・コンスタンティンが、70年代に彼女自身も熱烈な“ノーザン・ソウル”フォロワーとして体験した当時の熱狂を、初監督作品でスクリーンに映し出した。
“ノーザン・ソウル”とは、ロンドンを中心に盛り上がりをみせていたモッズ・ムーブメントが終焉に向かいつつあった1966年頃から、マンチェスターなどのイングランド北部周辺のクラブで好まれていたソウル。あまり知られていないレアなソウルの曲をかけてクラブで踊っていたモッズのスタイルが、そのまま北部に受け継がれたとも言われている。なお、 “ノーザン・ソウル”はイングランド北部のクラブDJの個人的なセンスであり、音楽としてのジャンルとしての定義はなく、レアな7インチシングルでクラブで激しく踊れる楽曲であることが重要とされる。“ノーザン・ソウル”のDJたちは誰も知らないシングルを探し出し、客を唸らせ、踊らせることだけに情熱を注いだ。ウケの良いシングルはDJにとってはアイデンティティであり、誰にも真似されない様に、誰の何という曲なのかを隠していたという。
日本ではあまり知られていない“ノーザン・ソウル”のカルチャーをテーマにしているためか、製作から日本公開までに数年のブランクがあったものの、2017年、この映画をどうしても日本で上映したかったAfter School Cinema Clubによる限定的な自主上映イベントをきっかけに、今回5年の歳月を経て遂に劇場初公開が決定した。(リアルサウンド編集部)