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川崎Fが強さを見せ付けるか? 浦和が可能性を示すのか? シーズンを占うFUJIFILM SUPER CUP 2022キックオフ!

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2021明治安田生命J1リーグ第34節・川崎フロンターレ×浦和レッズより (C)J.LEAGUE

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来たるべきシーズンを占う重要な試金石となる『FUJI XEROX SUPER CUP』改め『FUJIFILM SUPER CUP』。今季もタイトル争いを展望するのに、持って来いのカードが組まれた。『明治安田生命J1リーグ』V2王者・川崎フロンターレ×『天皇杯 JFA 第101回 全日本サッカー選手権大会』覇者・浦和レッズ。国内三大タイトルでV戦線に絡んでくるであろう両チームが、蹴春到来を告げるのだ。

川崎Fは悲願の『明治安田J1』3連覇と『ACL』制覇をターゲットにする。鬼木達監督も選手も、V3を狙った2019年に16勝12分6敗と勝ち切れずに4位に甘んじた悔しさを忘れてはいない。『ACL』には8度参戦したが、ベスト8の壁を超えられずにいる。今年こその思いは強い。

2月9日、指揮官、主将、エースがメディア対応に登場、目前に迫った『FUJIFILM SUPER CUP 2022』へ向けての意気込みを語った。日本代表の活動で前日にチームに合流したばかりのCB谷口彰悟主将はシーズン最初の公式戦に照準を合わせた。

「チームとしてシーズン一発目の公式戦なので、しっかり勝ってスタートしたい。相手は浦和レッズ。今年もいろんなところで争っていくチームだと思うので、そういうチームをしっかり上回りたい思いは強いし、『今年もフロンターレは強いな』と周りのチーム、選手に思わせるゲームができればいいかなと思う。(浦和は)監督が代わってから、ボールを保持しながらというスタイルが確立されたと思う。相手の良さを消していく戦い方も大事かなと思いつつ、自分たちの良さを出していくのもそれ以上に大事だと思っている」

主将は日本代表で経験してきたものをチームに還元するつもりだ。
「3連覇や『ACL』優勝を目指すのであれば、まだまだ変えていかないいけないところはある。それを口に出して言うのか、自分が率先してやるのか。
海外でやっている選手と代表でトレーニングができて、非常に勉強になった。自チームでも『この基準のトレーニングでやりたいな』と思った。(山根)視来とふたりで示していかないと。そうしてふたりが3人、3人が4人と増えていくと面白くなるかなと思うので、『これぐらいの基準でやるんだよ』とまず自分がやりつつ、周りに求めていければなと思う。
難しい3連覇、『ACL』を取りにいくのはプレッシャーというより今はワクワク感の方が強い。どうすれば優勝できるのか、自分たちが道を開いていく感覚はある。そういう気持ちで年間通してやれればいいなと思っている。これまでの経験を生かしながら、より進化していくことは求めていきたい」

得点王レアンドロ・ダミアンはキャンプでの充実ぶりを振り返った。
「開幕が待ち遠しい。ここまでいい準備ができている。新加入の選手もチームの力になってくれると思う。キャンプではフィジカルもいい状態も持ってこられた。
監督からはすべての面でスピードを上げていくように言われている。世界のサッカーでどんどんスピード化している。パススピードを上げて、一気にゴール前へ行けられれば、よりゴールの確率が上がってくると思う」

ブラジル人ストライカーは自らの役割はゴールだと理解している。
「戦術部分は鬼木監督から常に改善点はあると言われている。去年からの積み重ねを生かしながら、常に改善していきたい。FWとして一番の役割はゴール。それとともに前線からのプレスなどやるべきことをやっていきたい」

ゴールも大事だが、チームの勝利がもっと大事だとダミアンは力説する。
「一昨年はよりゴール数が多く、複数得点で勝利してきたが、去年は大人のチームになった。少ないゴールでもしっかり勝てる大人のチームになれた。私たちも複数ゴールを狙っていくが、ゴール数も大事だが、それよりも大事なのでチームの勝利。チームの勝利のため、しっかりやっていきたい」

ダミアンは新加入のチャナティップとともに、キャンプからともに汗を流す10番大島僚太に期待を寄せた。
「(北海道コンサドーレ)札幌にいた時からチャナは結果を出した素晴らしい選手。そんな彼が来てくれたのだから、このチームの助けになってくれると思う。タイ代表でもある素晴らしい選手が来て、フロンターレに新たな形を見せてくれると思う。素晴らしいスピードとテクニックを持っている。早くフロンターレにフィットできるようサポートをしていきたい。
僚太がこうしてキャンプからしっかり練習できるのはチームとっても、僚太にとってもいいこと。彼は日本のトップ5に入る選手。自分もプレーしやすくなる。チャナも加入し、中盤に素晴らしい選手が揃うのでチームの力になる」

鬼木監督は『FUJIFILM SUPER CUP 2022』で内容と結果を求めた。
「力のあるチームなので、今自分たちが持っている100%でどれだけの戦いができるのか。我々はチャンピオンだが、新シーズンはゼロからの戦い。どれだけ戦えるかの力試しの場だと思うので、いい試合をしながら勝ちたい」

キャンプで取り組んできた「スピード」についてはこのように評価した。
「まだまだだと思う。意識するところから始まると思っているので、一人ひとりが意識することでスピードアップしているところはある。何でもかんでも速ければいいわけではないし、緩急も必要だが、考えるスピードはまだまだ必要かなと思っている。そのためには周りを見る必要があり、何を見るかという順番になってくる。全体像を描きながら、周りを見て、スピードを上げている。正確性を疎かにするつもりはないが、選手たちが自分が正確にできるスピードを一段上げていきたい。そうするのにはやはり頭の中が大事になってくると思う」

鬼木監督は「現時点で『ACL』で勝つ力はない」と選手たちに伝えたという。
「足りないものはいっぱいあるので、選手たちには今は『ACL』を取るだけのものはないと伝えている。スピードもそうだし、戦うベースも必要。タフさも必要かなと思っている。タフさは日本代表にもつながっていくものだと思う。サウジ戦を見ると、代表選手のすごさが改めてわかった。『これをやれば勝てる』というのはなかなかないが、『これをやらないと勝てない』というのはわかってきているので、シーズン中の成長の度合いや色んなことをコントロールし、最後『ACL』にチャレンジしていくことが大事かなと思っている」

6季目を迎える指揮官は今年も「ノルマ3ゴール」を継続する。
「やっぱり勝ちたい。勝つために3点は大きなアドバンテージになる。自分たちがサッカーを楽しむこと、見てくれた人を楽しませることに直結するのがゴール。サッカーの魅力だったり、醍醐味だったり、見る人の心を動かすのがゴール。それはこだわっていきたい。2019年は引き分けが多く、勝ち切るために何が必要か考えた答えが3点だった。
(今季の川崎F)大きく変わることはないが、見てくれる人に喜んでもらえる、自分たちのサポーターだけではなく、相手のサポーター、初めてサッカーを見た人にもフロンターレを見たいと思わせるサッカーをしたい」

一方の浦和も自信を持って、日産スタジアムにてやって来るだろう。2月5日、リカルド・ロドリゲス監督は20日間の沖縄キャンプを終えて、確かな手応えを感じていた。クラブを通じて、こうキャンプを総括した。
「ポジティブだった。期間が短いながらも、チームを成長させるトレーニングができたし、新加入選手たちもチームのコンセプトを理解して融合できた。ベース作りができ、厳しいシーズンを乗り越えるための一体感も高まった。改善点はまだまだあるが、シーズンのスタートとしては非常にいいと思う」

指揮官はタイトルを期待されることを自覚している。
「ここは浦和レッズ。できるだけ多くのタイトルを取らなければいけない。毎試合勝利を目指していかなければいけないし、勝者のメンタリティーを持つことが大事。
これから微調整に入っていく。『FUJIFILM SUPER CUP』も取りたい。タイトルを取りにいくと同時に、その翌週に待っているリーグ開幕に向けたいい準備にしたい」

ロドリゲス監督が自信を深めたのもうなずける。FWキャスパー・ユンカー、MF江坂任、小泉佳穂、CBアレクサンダー・ショルツ、GK西川周作ら主力を残しつつ、今季はボランチにロドリゲス監督の懐刀とも言える岩尾憲、大卒ルーキーの安居海渡、アタッカーには松尾佑介、松崎快、CBに犬飼智也、左SBに馬渡和彰など、派手さはないが適材適所の補強を実施した。コロナ禍で合流が遅れているMFダヴィド・モーベルグ、現在調査中と目されるFWが加われば、さらに戦力は充実してくる。

シーズンの幕開けをタイトル獲得で飾るのは川崎Fか、浦和か。『FUJIFILM SUPER CUP 2022』川崎F×浦和は2月12日(土)・日産スタジアムにてキックオフ。試合前には『NEXT GENERATION MATCH』川崎F U-18×日本高校サッカー選抜、ハーフタイムには『Jリーグマスコット総選挙2022』トップ3の結果発表、試合後には『マスコット大運動会』も実施。チケットは予定枚数終了。試合の模様は日本テレビ系にて全国生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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