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King & Prince 平野紫耀が明かす、“役者”としてのスタンス 「僕の中で本業は“アイドル”」

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リアルサウンド

 LINEマンガの少女部門で月刊1位を記録し、累計発行部数180万部を突破した星森ゆきもの人気コミックを実写映画化した『ういらぶ。』が11月9日に公開される。お互い“大好きすぎて「好き」と言えない”こじらせまくりの凛と優羽、そんな2人を心配して見守る暦と蛍太。同じマンションに住む幼なじみ4人の前に、“好きなら好きとハッキリ言う”ライバル兄妹・和真と実花が現れたことから、2人の恋と4人の友情が、思わぬ方向へ動き始める。

参考:King & Prince 平野紫耀、舞台挨拶で天然っぷり炸裂 「今腰痛をこじらせてる」「目の乾燥肌がやべえ」

 今回リアルサウンド映画部では、主人公・凛役を務めたKing & Princeの平野紫耀にインタビュー。二面性のある凛と自身との共通点から、King & Princeの活動と役者の活動の違いまで、大いに語ってもらった。

ーー今回の『ういらぶ。』は今年3月に公開された『honey』に続き2作目の主演作となりましたが、最初にオファーが来たときの心境はどうでしたか?

平野紫耀(以下、平野):シンプルに嬉しかったですね。お話をいただいてから原作漫画を読ませてもらいました。「本当にこの2人は付き合えるのかな?」と心配になるくらい凛と優羽はこじらせているんですけど、すごくかわいらしい物語で、続きが気になって、これを演じられるワクワク感と緊張感がありました。

ーーワクワクと緊張はどっちが大きかったですか?

平野:ワクワクですね! 脚本も原作通りだったので、すんなりイメージできました。

ーー平野さんが演じた凛は、“優羽のことが好きすぎてドSのフリをする超こじらせ男子”という設定です。

平野:凛は優羽に意地悪なことを言ってしまうんですけど、それは好きだからで、裏では優羽への思いが溢れてしまっています。そんな一途だったり、かわいらしいところが彼の魅力なんじゃないかなと思っています。

ーー平野さん自身との共通点はありましたか?

平野:共通する部分があまりないんですよね。僕自身はSでもないですし、女子に「ゴミ」って言ったこともないですし……。でも、もし自分に好きな人ができたら、「かわいい~」って出ちゃうと思います。デレデレだと思います。凛とは逆ですね。Mでもないですけど、中間ぐらいですね。

ーー女の子に対して「ゴミ」と言うのは、どんな気持ちで演じていたのでしょう?

平野:どんな気持ち……なんだろう。「ゴミだな」と思いながらやっていたと思います。お芝居の中では凛になりきってやっていたのですが、平野自身はできないですね。「ゴミ」って女の子に言えないですし、僕「お前」も言えないんですよ。亭主関白の方とかは奥さんに「お前早く飯作れよ」とか言いますけど、凛はそういうのが言えそうなタイプ。そういう意味では、カッコいいなとは思いますね。僕は「お腹が減りました」って言っちゃうので(笑)。

ーー男子はよく好きな子をいじめますが、凛の行動はその延長線上とも言えますね。

平野:よくありますよね。でも僕はトラウマがあってそういうのはできませんでした。小学生の頃、同じダンスレッスンに通っていた女の子のことが、たぶん僕は好きだったんですけど、輪ゴムをペチペチずっとやっていたんです。そうしたらガチで怒られてしまって、もうトラウマになってしまいました。相当怖かったんでしょうね。

ーーじゃあ平野さんは好きな子をいじめた経験がないのですね。

平野:あ、でもKing & Princeのメンバーの高橋海人のことはかわいいのでいじめています。まあそういう意味の「好き」ではないですけど、弟みたいな感じなのでやっちゃいますね(笑)。僕と海人は“イジリ”みたいな感じですけど、凛はガチですから(笑)。

ーー本作では伊藤健太郎さん演じる和真が凛のライバルとして現れますが、平野さんは恋のライバルが現れた場合どうしますか?

平野:譲らないです。絶対譲りたくないですね。でも、堂々といくのは嫌なので、裏でこっそりみたいな。例えば、2人で下校して、家に着いてバイバイした後に、こっそり待ち合わせをして遊びに行く。嫌なタイプですよね、完全に(笑)。バチバチするのが嫌なんですよ。だから凛みたいに「あの子は俺のものだ」って言いたいんですけど、僕は言えないですね。タチ悪いタイプの方です(笑)。

ーー平野さんが伊藤さんに壁ドンをするシーンもありましたね。

平野:壁ドンって、同性の人にすることによって意味が全く変わるんだなと思いました。脅す感じだったり威圧感だったり、壁ドンにはそんな使い方もあるんだなと勉強になりました。難易度が高いので僕は使おうとは思わないですけど(笑)。

ーー確かに難易度は高いですね(笑)。

平野:あと、壁ドンはちょっと流行りすぎましたね。そんなに流行っていなかったら、同性の方にも使っていたかもしれません。まず、脅すシチュエーションがないですけどね(笑)。今やったら、「うわ、壁ドンだよ」ってなりますけど、別に男に使うのもナシじゃないんだと。気持ち悪さはなかったですね。

ーー平野さんは今回の凛のように、ギャップがある男子を演じることが多い気がします。

平野:確かにそうかもしれません。もちろん難しいですけど、真剣に好きになってやれば、自然とそういう風になれるんじゃないかなと思っています。日々の撮影の中でキャラが変わるので、「明日ギャップを見せるシーンだ」と台本を読んでいると、「やっとカッコいいところ見せれるじゃん!」ってワクワクします。明日はキリッとして、明後日はおっちょこちょいみたいなところが楽しいですね。大変ですし、自分でもまだまだできているとは思わないんですけど、色々アドバイスをもらってやるのは楽しいです。

ーー初の主演映画『honey』での経験が活かされた部分もあったのでは?

平野:キャラクターが似ているようで似ていないので、意外と難しかったです。でも、やっていいこととやってはいけないことははっきり分かりました。

ーー“やってはいけないこと”と言うと?

平野:“ふざけすぎたらいけない”ということです(笑)。キャストが同年代だったので、撮影がとても楽しかったんですよね。だからお芝居でもふざけすぎてしまうところがあったんです。逆に本編でふざけていいシーンも多かったので、アドリブを入れたりして楽しむこともできました。

ーー現在21歳の平野さんですが、高校生を演じることに対してのギャップはありましたか?

平野:僕は精神年齢が低いんです。15~16歳もいってないと思います。未だに仲良くなったスタッフさんとかに、「カブトムシ捕まえに行きましょう!」って誘ったりするので、まだ相当子供なんですよ。だから演じていて無理だとは全然思いませんでした。むしろ大人になりたくない気持ちが強くて。制服がコスプレと考えると寂しい気持ちはありますけど、心は全然ピッチピチです。

ーー虫が好きなんですか?

平野:いや、虫嫌いなんですよね~。自分より速い虫、自分が追いつけない飛ぶ虫が嫌いなんです。ハエとかハチとか、すっごい速くて鬱陶しくて。だから、カブトムシやカマキリ、バッタもちょっと苦手なんですけど、ガッといけば捕まえられるので、触るのは全然平気ですね。僕は田舎生まれの森育ちなので、もともと虫は大丈夫だったんですけど、東京に来て“虫離れ”してから虫との壁ができてしまいました。今回は撮影で岡山に1か月泊まらせていただいたんですけど、自然が豊かなので虫がしょっちゅう出たんです。サラダにカメムシが入ってくるくらい新鮮なんですよ(笑)。そんな感じで虫が結構身近な存在だったので、虫との距離は縮まりましたね。

ーー同世代のキャストが集まった現場の雰囲気はどうでしたか?

平野:それが全然思い出せないんですよね……記憶があまりなくて。僕はずっと虫と戯れていたんです。桜田(ひより)さんと虫を捕まえに行ったり、健太郎と磯村(勇斗)くんとメイキング担当の方をいじったりしたことは覚えています。でも、みんながムードメーカーみたいな感じでした。磯村くんが、誰もフっていないのにダジャレを言って、シーンとなって終わることが多くて、それが印象的でした。

ーーKing & Princeとしてのアイドル活動と今回のような役者としての活動では、どのような違いを感じますか?

平野:あっちゃ~、そうか……。お芝居をするときは、僕の中では“本業じゃない”という意識が高くて、いかに皆さんに迷惑をかけないようにやるか気をつけています。僕の中で本業は“アイドル”。他の俳優さんや女優さんに混じってお芝居をするのが、実は申し訳ないくらいなんです。なので、なるべく皆さんに迷惑をかけず、足を引っ張らないようにという意識はあります。今回のように主演をやらせていただく機会も多いですが、僕がリーダーシップを取ってやるというよりは、皆さんと協力させていただきながら、いいものを作っていきたいなという考え方です。

ーーお芝居をすることの魅力はどのように考えていますか?

平野:お芝居はすごく楽しいです。僕はずっとジャニーズで、グループで歌番組や舞台に出ることが多いからかもしれないですけれど、1人で違うお仕事に行ってお芝居をするのは、社会に放り出されたというか、やっと成人式を迎えられたような感覚になるんです。「自分が頑張らないとヤバいぞ」という追い詰められ具合は刺激になりますね。まあMじゃないんですけど(笑)。

ーーメンバーがいるのといないのも大きな違いですよね。

平野:メンバー以外との接し方もだんだん分かってきました。最初、1人でお仕事をするのはだいぶ心細かったんですけど、だんだん「1人でもやらなきゃいけないんだ」という自覚は出てきましたね。

ーーメンバーがいないのにも慣れてきたと。

平野:慣れ過ぎてしまうのもよくないとは思いますが、「メンバーがいて当たり前」と思うのもよくないと思っているんです。「親しき仲にも礼儀あり」という考え方は忘れたくないので、現場に慣れ過ぎず、いい緊張感を持って何事にも臨みたいなと。それに、今回も皆さんすごかったんです。例えば磯村くんは、僕が「こういうのしたいんですけど」って言ったら、「じゃあ俺こうするね」みたいな対応力が素晴らしくて。台本を読みこむ過程で桜井(日奈子)さんは意見を出していたりとか、みんなの作品に対する向き合い方は本当にすごいなと思いました。僕はまだお芝居もぺーぺーな状態なので、そうやって皆さんにいろんなことを教えていただきながら成長できたらいいなと思ってやっています。(取材・文=宮川翔)

※高橋海人の「高」はハシゴダカが正式表記。