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梅田サイファー×RHYMESTER×775『HIGH FIVE 2022』大阪公演オフィシャルレポート

ぴあ

『HIGH FIVE 2022』2022年1月29日(土) Zepp Namba公演より Photo by 新保勇樹

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1月29日(土)、大阪・Zepp Nambaにて『HIGH FIVE 2022』大阪公演が開催された。本公演は名古屋、横浜など全国5カ所のZeppで開催されるライブイベントで、各公演のヘッドライナーには次世代のシーンを担うアーティストやクリエイターが登場し、それぞれがリスペクトするアーティストを呼び込み、対バン形式でイベントを展開。今回の大阪公演ではヒップホップ界のアベンジャーズこと、梅田サイファーが登場。日本のシーンを牽引し続けるRHYMESTER、女性レゲエDee-jay・775(ナナコ)とともに繰り広げた、一夜限りの饗宴の模様をお伝えしたい。

トップバッターはロングのブレイズヘアが印象的な大阪出身の775。レゲエシーンでの注目度の高さはもちろんのこと、R-指定がラジオで彼女の楽曲やスタイルを絶賛していたこともあり、ヒップホップ界隈でも彼女の名を知る人は多いはず。1曲目「よってらっしゃい」からど真ん中のリディムに、初見でも馴染みやすい和のニュアンスを含んだフックに自然と体が揺れる。低音域&力強いフロウがあっという間に観客の心をつかみ、気付けばフロアは総立ちだ。

ヒップホップシーンの猛者が集うなかでも、フィメールレゲエDee-jayが単身乗り込むことには何の怯みもなく、マイクを握ってアピールし続けていきたいと語る彼女。中学時代から変わらないスタイルを貫いてきたと、自身の名前をタイトルにした「七七五」へ続く。一匹狼よろしく声高らかに吠えると、低音のリズムを効かせたトラックに“姉御”感強いリリックを乗せていく。それでも「(観客が)声出されへんのエグない~?」と、ラフなMCで会場を和ませていく。イベントタイトルの『HIGH FIVE』はレゲエやヒップホップのゴンフィンガーと同じ意味だと語り、ライブの盛り上がりを声援ではなく各々の好きなシグナルで表現してほしいと、レゲエにはまりこんだ自身のリアルヒストリーを詰め込んだ「Life is Ragga」へと繋ぐ。

その後はリリックのセンスは抜群だけどコンプラお構いなしな「処女の少女」、前曲とは一転して甘いフロウを連ねる「Myラバー」など、多彩なスタイルでフロアを沸かしていく。「ヒップホップもレゲエも自分らしいスタイルで突き進みたい」と語り「ボンブリ」へ。これまたコンプラ違反しまくりのリスキーなリリックが連打されるも、観客からはその痛快さからか堪らず大きな拍手が沸き起こる。

ステージ後半はMCのラフさがさらに際立ち、“近所のツレ”感のある肩の力が抜けたトークを展開する775。「友達のうた」ではタイトルまんま、友達ビガップ‼なリリックでほっこりしたところで、ラストはオーセンティックなレゲエサウンドに、自身の出身地への愛を詰め込んだ“レぺゼン岸和田”な「KSWD」へ。だんじりのやりまわしよろしく、渾身のフロウを回し切り、全8曲を駆け抜けていった。

RHYMESTER、パフォーマンスはまさにキングオブステージ!

続いてはRHYMESTER。今年で結成33周年を迎えるベテランとあって、「JIN-TRO」で一瞬にしてフロアの空気を変えてしまう。宇多丸は「声が出せない分、物言わぬバイブスで返してください!あとは手を上げて、まさにハイファイブで!」と、「Future Is Born」へと繋ぐ。1曲目からこのセレクトはさすがとしかいえなくて、ジャパニーズヒップホップシーンの開拓者であり牽引者である、エモーションに訴えかける彼らのパフォーマンスはまさにキングオブステージ! 続く「Back & Forth」でも、宇多丸とMummy-Dの矢継ぎ早に繰り出されるライムはとにかくエネルギッシュ。“今日のホストは誰だ?”なんてリリックにあるように、若手がそろうイベントであっても攻めの姿勢を崩すことのないパフォーマンスは圧巻でしかない。

ステージ中盤は代表曲「B-BOYイズム」、ライブの定番曲「ライムスターイズインザハウス」と続く。久しぶりのライブでリハビリがてら勘を戻すと言いつつも、アナログターンテーブル2台とミキサーで繰り出す、DJ JINのDJテクニックは相変わらずキレがあるし、その音に色付けしていく宇多丸&Mummy-D、2人のMCも一切のブレがない。トークでも料理番組よろしく、ヒップホップ講座を繰り出して若い観客らにもクラシックスタイルでのヒップホップの面白さを伝えるなど、とにかく随所に愛が詰まったステージが続いていく。

そして、ヘッドライナーである梅田サイファーへの想いも語っていく。“サイファー”はフリースタイルでスキルやカルチャーが生み出されていくもの。そこには日本のヒップホップシーンを作ってきた自分たちに共通するものがあると語りつつ、1曲目「Future Is Born」のリリックを抜粋し、「お前らのルーツはあくまでオレらとは言っておきたいぜ!」と、牽制と愛を込めたメッセージを届ける。

ステージ後半は「ガラパゴス」や「Come On!!!!!!!!」と、RHYMESTERの旨みが詰まった楽曲を続けざまに投下していく。ど真ん中を突いてくるストロングスタイルなヒップホップスタイルは若手のヒップホップアーティストはもちろんのこと、ロックやミクスチャーなど様々な音楽ジャンルに多大な影響を与えてきたことがよく分かる。宇多丸は「ヒップホップにはロマンがある」と、今なお尽きない夢や愛を語る。そしてそのロマンを謳ったという「ザ・グレート・アマチュアリズム」を熱演。Creepy Nutsがカバーしたこともあり、若い世代に改めて知られたこの名曲。観客はもちろん、ステージ脇で魅入る後輩たちにも“キングオブステージ”のスタイルをがっつりと見せつけていく3人。ラストは「ONCE AGAIN」で2022年も変わらず最強な“ライムスター”ぶりを見せつけ、梅田サイファーへ最高のバトンを繋ぐ。

R-指定、KOPERU、KennyDoes、KZら総勢13名による梅田サイファー登場!

イベントはいよいよトリの梅田サイファーへ。この日はR-指定、KOPERU、KennyDoes、KZ、peko、KBD、たうりん、ILL SWAG GAGA、コーラ、tella、OSCA、SPI-K、Cosaquの13名が出演(テークエム、teppeiはコロナ禍の事情により出演辞退)。1曲目「ビッグジャンボジェット」、マイクが次々に変わり、声色もライムも、韻やリリックの運びもフックも、全ての個性が大渋滞しているんだけど、どの個性も埋もれることなく、とにかく全員のラップスキルの高さに圧倒されてしまう。たった1曲だというのに、ステージのどこに目を向けたら良いのか、とにかく目移りしまくりで忙しいったらない。

それぞれがソロやユニットで活動し、MCバトルイベントなどでも好成績を収めてきた彼ら。梅田の百貨店を繋ぐ歩道橋で繰り広げてきたサイファーがきっかけで集まったヒップホップ好きな、グループではなくあくまで集団。楽曲毎にMCが変わり、互いの魅力を引き出しあう楽曲を畳みかけていく。「OSAKA ANZEN UNTEN」では観客と一緒にハンドルを切るジェスチャーで盛り上がりつつ、ご機嫌なサウンドに観客を乗せていく。11人のマイクが“安全運転♪”なんてライムを決めるのは迫力ありすぎだ。続く「Future is...」は日本語ヒップホップの面白さを随所に散らばせた楽曲。テンションの上がったKOPERUがブレイクダンスを決め込むなど、メンバーの熱気の高まりは留まることを知らない。

次曲「トラボルタカスタム」ではスリリングでクールなパンチラインに観客は手を高く掲げて称賛の想いを伝える。「梅田ナイトフィーバー'19」でも、11MCのキャラはどれも被ることはなくって、色気や狂気を孕んでいたり、メロディアスだったり切れ味が鋭かったり。ここ数日はコロナ禍で緊張感ある日々が続いていたこともあり、生のライブが出来ることにとにかく喜びを感じている様子のメンバーたち。MCでは憧れの存在であるRHYMESTERのステージを目の前にして、やっぱり自分たちのルーツは彼らなんだと、思わず感涙したと語るR-指定。憧れのヒップホップスターの前でのライブ、そして久しぶりの生でのステージ。テンションの上がったメンバーたちはそのまま新曲「アチィ」を披露。タイトルまんまな熱い盛り上がりを見せる楽曲、パフォーマンスを終えたメンバーが思わず「アチィ!アチィ!」と騒ぐ姿に思わず笑いがこぼれてしまう。

ステージ後半のMCでは先の新曲に続く曲作りに入っていると、次なるリリースに期待高まる発言も。さらに、今春4月9日には大阪ラッパーたちの聖地、服部緑地公園でワンマンライブを開催することも告知。しかもしかも、そのステージで何かしらの楽曲披露ができるかも?と期待高まる発言も。前回、コロナ禍の影響で無観客でのライブとなっていただけに、リベンジに燃える彼らはその勢いのまま「マジでハイ」「いつかまた」と突き進み、本編は終了。

アンコールでは「とっておきのボムを!」と、RHYMESTER、775をステージへ呼び込み、RHYMESTER「ウィークエンド・シャッフル」を出演者全員で披露。梅田サイファーにとってのルーツであるRHYMESTERとのステージ、思わず「神話じゃないんだなぁ」と呟くほど浮足立つメンバーの姿もいたが、14MC+3DJ、総勢17人によるステージは週末のお祭り騒ぎよろしく、フロアはごちゃ混ぜ状態。それでもだれもかれもが多幸感に満ちていて、最高潮なパーティは”HIGH FIVE”をキープしたまま幕を閉じた。

Text by 黒田奈保子
Photo by 新保勇樹

<公演情報>
『HIGH FIVE 2022』

2022年1月29日(土) Zepp Namba

【セットリスト】
■775
01.よってらっしゃい
02.七七五
03.Life is RAGGA
04.処女の少女
05.My ラバ〜(feat. TEN'S UNIQUE)
06.Bon buri(feat. ラスタのおっさん)
07.友達のうた
08.KSWD

■RHYMESTER
01.JIN-TRO
02.Future Is Born
03.Back & Forth
04.B-BOY イズム
05.ライムスターイズインザハウス
06.ガラパゴス
07.Come On!!!!!!!!
08.ザ・グレート・アマチュアリズム
09.ONCE AGAIN

■梅田サイファー
01.ビッグジャンボジェット
02.OSAKA ANZEN UNTEN
03.Future is・・・
04.トラボルタカスタム
05.梅田ナイトフィーバー 19
06.アチィ
07.マジでハイ
08.いつかまた
09.ウィークエンド・シャッフル

<ライブ情報>
『HIGH FIVE 2022』

■2022年2月23日(水・祝) KT Zepp Yokohama
OPEN 14:00 / START 15:00
出演:ODOROYO(アナタシア / やっこ / まりやん / りりやん / わた / 足太ぺんた / バケモノバケツ委員会 / りりり / bake / まなこ / めーとる / みうめ / たまひよ。/ ぶっきー / AMUぷらす弟たっくん / RAB(リアルアキバボーイズ)/ チェゴ)

■2022年2月27日(日) Zepp Fukuoka
OPEN 17:00 / START 18:00
出演:Cö shu Nie / SPECIAL GUEST:澤野弘之-ゲストボーカル:mizuki(UNIDOTS),SennaRin-

公式サイト:
https://high-five.live/

Twitter:
https://twitter.com/highfive_live