Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 「これからも一緒の時間を歩んでいきたい」M!LK メジャーデビュー後初となる一夜限りのパシフィコ横浜公演レポート

「これからも一緒の時間を歩んでいきたい」M!LK メジャーデビュー後初となる一夜限りのパシフィコ横浜公演レポート

音楽

ニュース

ぴあ

『M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER』より

続きを読む

フォトギャラリー(4件)

すべて見る

2月13日、5人組ボーカルダンスユニット・M!LKがパシフィコ横浜国立大ホールにてライブ『M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER』を開催した。メジャーデビュー後、初となるライブ。この日、外は雪予報も出る寒い夜だったが、会場内はみ!るきーず(M!LKファンの総称)の熱気に包まれていた。記念すべきライブの模様をレポートする。

M!LKの魅力を多面的に魅せる

ステージ上には教会を模したようなセットが。比較的シンプルにも見えるステージが変幻自在の空間を作り出す。開演時刻になると、ステージ中央のスクリーンでカウントダウンが始まる。カウントが減っていくにつれて会場の緊張感がにわかに高まっていくのがわかる。

メンバーの姿が映し出されたのち、スクリーンの向こう側にゴールドと黒の衣装に身を包んだ5人の姿が。1曲目はM!LKにとってもファンにとっても大切な1曲であるメジャーデビューシングル「Ribbon」だ。ラブソングでもあるが、ライブ会場で聴くと、M!LKとみ!るきーずの絆を歌っているようでグッと来る。「つなげた僕らの今を もう一度強く結びたくて」優しい歌声で伝える言葉は、歌い出しから会場の心をつかんだ。

佐野勇斗の「行くぞ、パシフィコ!」という気合いの入った声と共に始まった2曲目は一転、激しいサウンドで攻める「上昇志向クライマー」。会場のペンライトの光が揺れ、熱が上がっていく。塩﨑太智が「パシフィコのみなさん、今日は騒ぎましょう!」と呼びかけ「めちゃモル」「サンキュー!N・D・K!」でポップに盛り上げていく。曲中でそれぞれ自己紹介をし、会場にご挨拶。この日、初めてパシフィコ横浜のステージに立つ山中柔太朗は「世界一幸せにしてやるからどうぞよろしく」、曽野舜太も「最高の1日にしよう!」と笑顔を見せた。更に塩﨑の音頭によるコール&レスポンスで会場の一体感が増す。

そこから早替えでさわやかなブルーの衣装へチェンジ。翌日がバレンタインということで期待していたファンも多いのではないだろうか、「男子スイーツ部発足します」「恋がはじまる」でキュートを歌い上げる。が、続く「君の知らない世界へ」では雰囲気は一変。「TEAM M」と共に落ち着いた、でもどこか危うげな空気感を鏡の前で醸し出す。そのまま先ほどまでとは異なる世界へ誘われていく。

「BLACK M!LK」登場!

スクリーンには、白の衣装を着たメンバーが。しかし、対面するようにある鏡に映る姿では黒を基調とした衣装をまとっている。それは、突然変異グループ「BLACK M!LK」だった。まるで、鏡の中からM!LKの代わりに飛び出したように、パフォーマーのDAICHI、JINTO、JYUTAROが次々と登場しソロダンスで魅せる。そして、HAYATOとSHUNTAのツインボーカルで歌い上げられたのは「Charge」「Don’t look back」。赤のライティングの中、歌い、踊る彼らはいつになく攻撃的だ。それでいて、大人の魅力も増している。HAYATOがつけていたサングラスを外す瞬間などは、思わずハッとさせられた。改めてM!LKの変幻自在ぶりを見せつけられる。

続く映像では、佐野が鏡をその手で割るシーンが。すると、再び雰囲気は変わる。スイーツを食べさせあいっこをしたり、バルーンを手にはしゃぐ5人の姿に頬が緩む。そのあとは、バラエティに富んだソロコーナーへ。トップバッターは吉田。緑の全身タイツで登場すると「久しぶり~! 誰?って思った人は思ったまま帰ってください!」と披露したのは「宇宙ジャンボリー」、続く塩﨑は御曹司風の衣装で「サラブレット御曹司CITY BOY」を。曽野は「行けたら行くよ」をキュートにイリュージョン仕立てで披露。

佐野はピンクスーツでカラオケ歌唱画面を背負いながら初披露となる「妄想ドン・キホーテ」を。しかしながら激辛採点のカラオケだったために最後まで歌唱ができず、小梅太夫風にネタも交えて「チッキショー!」と叫ぶことに。ソロコーナーを締めたのは山中の「Amore~僕は君に愛を叫ぶ~」。バラをバックに「愛してるよ」をたっぷりと伝えた。どの曲にも堪えきれないみ!るきーずの声が漏れ、ファンが待ち望んでいた、期待していた曲だったことがわかる。

ホログラムの衣装にチェンジし、全員で「SAY YEAH」を披露したあと、この日初めてのMCへ。ここまでで15曲を披露していたわけだが、そんな時間を感じさせないほどに濃密であっという間である。改めて自己紹介をして、会場や配信で観ているみ!るきーずに挨拶をしたあと、ここまでのライブを振り返るメンバー。

夏ツアー後の夏合宿で決まったという今回のツアータイトル『NEXT WINNER』。演出を担当した塩﨑は「『NEXT WINNER』は最初に舜ちゃんが決めて、それからみんなでコンセプトを話し合ったんだけど、『次の勝者』ってなに?って考えたとき、結局、自分との戦いに勝たなきゃいけない。ということは鏡じゃない? って」と、鏡を利用したステージについて語った。また、山中は「ホログラム衣装を昔からやりたかったんだけど、鏡ならいけるんじゃない? ということでこの衣装が完成しました」と明かした。「Ribbon」からライブを振り返りつつ、「男子スイーツ部発足します」での早替えで吉田がミスをしたのでは? という話題など、思わず吉田が「これ、楽屋で話すことじゃない?」とツッコんでしまうほどに和やかにMCを展開した。

盛り上がったのは、それぞれのソロについて。塩﨑の曲で撒かれたお札に塩﨑の顔が印刷されていることや、「宇宙ジャンボリー」でのハプニングを吉田が明かしたほか、曽野が曲終わりに「仁人くんの誘いは断って勇人くんに焼肉おごってもらおう」と発言していたことに、ステージ裏で聴いていたという吉田から「俺の誘い断る?」とクレームが入る。そこで佐野から、「正直、この4人から誘われたとして、1人断るとしたら誰?」と問われると、「それだったら吉田さんとは行かない」と曽野が即答し、吉田がしょんぼりする場面も。しかし、そんなやりとりも、5人の信頼感があるからこそのものだろう。

また、「妄想ドン・キホーテ」では佐野が「初披露、俺でいいの?」と問いかける場面も。実際には振りもあるということで吉田が披露。「振りはあるのに一回もやらなかった幻の曲」だが、「この曲好きな人―!」という問いかけには客席から多くの手が上がった。5人でのパフォーマンスが見られる日も近いかもしれない。そして最後を締めた山中。曲の最後、「愛してるよ」までの溜めの長さを塩﨑に指摘されると、「マネージャーさんにどんだけ溜めてもいい、絶対にウケるからって言われたけど、めちゃくちゃスベったよね」とはにかんだ。

「今回、盛沢山だよね」と塩﨑が言うように、ソロコーナーも含めてM!LKの魅力がギュッと詰め込まれている。しかし、ここで終わりではない。後半戦は「It’s only LOVE」からスタート。柔らかな藤色のライティングの中、優しいハーモニーが響き渡る。「last moment」ではスクリーンを活用した幻想的な演出で切なげに届けた。今回、スクリーンを活用した演出が目立ったが、ステージがより広く感じられ、シンプルなセットながら、さまざまな世界観といつもと違うM!LKの魅力を際立たせてくれているように思う。

自分に打ち勝っていこう!

さらに、「ハロー!」「疾走ペンデュラム」「Brave Saga」「かすかに、君だった」をメドレーで届け、ライブは終盤へ。2月9日に配信リリースになったばかりの「HIKARI」を初披露。この日、山中がたびたび会場を見て「ペンライトがすごく綺麗」と口にしていたが、よりその光が美しさを増していた。

直後のMCで佐野は「HIKARI」について「こういうご時勢で僕自身も去年、先が見えないな、不安だな、と思う時期がありました。みなさんの中にもそういうこと思ったことがある人もいると思うんですけど、そういう人たちに向けて、少しでも火を灯して、前に向かって。今回のテーマは自分たちの戦いでもありますけど、自分に打ち勝っていこう、という力強い曲になっています」と語った。また、吉田は「『HIKARI』はパシフィコをやることが決まってセットリストが決まってから作り始めた曲」と言い、今回のライブのテーマ曲にもなっている、と話した。そして「これからもずっと誰かを応援し続ける曲になるんじゃないかと思います」と曲に込められた想いを伝えた。

本編最後の1曲を控え、佐野は吉田とライブ前に食事していたときに、「(吉田が)終わるの寂しいって。本番前に。始まってもないのに、ふたりきりのところで。やめてくれよ~!(と思った)」というエピソードを明かした。そんな佐野に吉田は「俺言ってた?」と目を開き、「心の声が漏れていたかもしれない」と呟き、メンバーを驚かせた。それだけ、この日のライブが楽しみであったことが伺える。

そして吉田は改めて、全てのみ!るきーずへ感謝の気持ちを伝えた。「パシフィコって、M!LKの中でも過去最高のキャパシティ。こんなに大きな会場でできるんだ、わーい、という気持ちではなかった。あくまでここはスタート地点」と言い、それに佐野も大きく頷く。「夏のツアーでも行ったけれど、ここがゴールじゃない。これからどんどん先に進んでいく僕たちっていうものを見続けてほしいかな、と思います。これからも一緒の時間を歩んでいきましょう」そんな言葉のあとにみ!るきーずに贈られたのは「夜明け」。夜から明けていくようなライティング演出。曲の最後には、肩を組む5人の後ろ姿がスクリーンに映し出された。ここがゴールではない、スタートだというM!LKの決意が感じられた。

全員で作詞した『夢路』を披露

アンコールでは恒例の企画コーナーを。「音が鳴ったらなりきりましょう」という、「白黒Brand New World」を歌いながら、音が鳴った瞬間から引いたくじに書かれた役柄になりきるというもの。吉田は赤ちゃん、山中はボディビルダー、曽野はバレリーナ、佐野は酔拳、塩﨑はスーパーモデル(女性・パリコレ)という役柄を演じ、最後は観客の投票で「一番なりきっていた人」と「一番なり切れていなかった(恥ずかしそうだった)人」を決定。投票では、山中が圧倒的多数でなりきっていた人に決まり、曽野と佐野による決選投票になった「一番なりきれていなかった人」は佐野に決定、罰ゲームとしてゴムパッチンをやることに。山中が佐野のくわえているゴムを引っ張り、曽野が佐野の体を抑えていたが、ゴムが離された衝撃でふたり揃って倒れ込むアクシデントも。笑いが会場にあふれる中、アンコール曲『Milky Snow』を。雪予報が出ている夜にはぴったりの曲で、曲名が告げられると会場からは小さな歓声が漏れた。

そして、ライブも残すところあと1曲。山中の「僕たち全員で作詞した大切な曲です。この曲が完成するまで、ずっと隣にいてください」と言葉のあとに披露されたのは「夢路」。スクリーンに映し出されるそれぞれの手書きの歌詞、目を合わせて歌うメンバー、そして最後に5人がぎゅっと寄り添い合って歌う姿は、シンプルに胸に迫るものがある。

メンバー全員が「楽しかった!」と口にし、笑顔を弾けさせた本公演。吉田は「楽しかったってみんなにも思っていてほしいし、今日の楽しかったなっていう元気が明日からのみんなの活力になれば」と力強く言った。

5月からは全国7都市ツアー『M!LK SPRING TOUR 2022“CIRCUS”』が控えている。パシフィコ横浜で新たなスタートを切ったM!LKがどんなNEXT STAGEを見せてくれるのか、楽しみだ。

取材・文=ふくだりょうこ

フォトギャラリー(4件)

すべて見る