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近藤良平、「彩の国」芸術監督就任で「蜷川さんのやってきたことをつなげていきたい」

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彩の国さいたま芸術劇場 芸術監督就任会見より、近藤良平 撮影:宮川舞子

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4月より「彩の国さいたま芸術劇場」の芸術監督に就任するダンサー、振付師でダンスカンパニー「コンドルズ」主宰の近藤良平が2月14日に行われた記者会見に出席。「クロッシング!」をテーマにジャンルを超えた交流を目指していく方針を掲げた。

同劇場の芸術監督は作曲家・音楽評論家の故・諸井誠、演出家の故・蜷川幸雄に続く同劇場3代目となる。2016年の蜷川氏の逝去後は空席となっていたが昨年、近藤良平が時期芸術監督に就任することが発表されていた。

近藤は、諸井氏、蜷川氏の名をあげつつ「遺してきたものが大きく、素敵な作品、記憶を与えてくださったので、そこはぜひ心に受け止めて、この劇場から発信していきたい」と語る。世界的な巨匠の後を引き継ぐということでの重圧について問われると「“プレッシャー”と言われても意味が分からないし、そういうことで悩みたくはないんですが、蜷川さんがやってきたこと、考えたことをつなげていこうという思いはあります」と意気込みを口にした。 特に「僕はダンスが専門で、ダンスには社会を変えていく力があると真剣に向き合っています。ダンスの力で楽しい芸術文化を届けたい」と語る一方、就任にあたっては「クロッシング!」とテーマに掲げ、枠組みにとらわれずにジャンルや人々を交差させたいとも。「まずひとつには、アーティストが行き交い、考えを交流させて、そこから創作物を作っていくということ。もうひとつは、この場所。人々が出会う場所として劇場の存在を知ってほしい。それから、地域のつながり。埼玉から日本全国、さまざまな劇場や場所とつながってクロスしていきたい」と語った。

彩の国さいたま芸術劇場 芸術監督就任会見の様子 撮影:宮川舞子

具体的なラインナップに関しては、<ジャンルクロスI>として4月の終わりから5月にかけて近藤良平with長塚圭史による『新世界』が上演される。詳細は不明ながら近藤によると「キャストはサーカスの人やダンスの人、ミュージシャンもいて、音楽の生演奏もあります。シェイクスピアの『テンペスト』も下敷きに使用している」とのこと。また7月には<ジャンルクロスII>として、松井周の脚本、近藤の演出による『導かれるように間違う』が上演される。

演劇に関しては、蜷川氏の後を引き継いで、吉田鋼太郎が芸術監督を務める「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の継続を明言。2020年に公演が途中で中止となった『ヘンリー八世』が再演されるほか「吉田鋼太郎さんともいろいろ相談しています」と新たな展開についても模索中であることを明かした。

10月からは、大規模な改修に伴い、約1年半の休館を挟むことになる(2022年10月3日~2024年2月29日予定)。休館中の期間を利用し、キャラバン企画「埼玉回遊」を行なうことになっており、近藤自身をはじめ、県内各地をアーティストが訪れてワークショップを行うなど、地域文化の掘り起こしやその土地の人々と一緒に作品を発表する企画などを考えているという。

コロナ禍にあって、特に劇場、演劇公演が厳しい状況に置かれているが、近藤は改めて劇場という場所の重要性について強調。「人が行き交わないと劇場は存在しない。用がなくとも人々が行き交う――それくらい劇場というのは人々にとっての財産であり、日常の中で当たり前のように劇場という存在を知ってもらい、子どもたちにとっても『そんなに遠いところじゃない』という思いが生まれる場所であってほしい」と語り「みなさんの人生にアートがあるということを共有したい」と熱い思いを口にしていた。

取材・文:黒豆直樹

彩の国さいたま芸術劇場 ・埼玉会館
2022年度ラインナップ


◎ジャンル・クロスI
近藤良平with長塚圭史『新世界』
2022年4月29日(金・祝)~5月1日(日)

◎【共催】加藤訓子『META-XENAKIS~クセナキス生誕100年を祝う』
2022年5月12日(木)・13日(金)

◎イレブン・クラシックスVol.5 大萩康司(ギター)&江戸聖一郎(フルート)
2022年5月18日(水)

◎コンドルズ埼玉公演2022新作『Starting Over』
2022年6月4日(土)・5日(日)

◎ディミトリス・パパイオアヌー『TRANSVERSE ORIENTATION』
2022年6月30日(木)~7月3日(日)

◎大塚直哉レクチャー・コンサート
バッハ“平均律”前夜~月明かりのもと書き写した楽譜たち~
2022年7月3日(日)

◎Noism×鼓童『鬼』
2022年7月8日(金)~10日(日)

◎ジャンル・クロスII
近藤良平×松井周『導かれるように間違う』
2022年7月8日(金)~18日(月・祝)

◎ピアノ・エトワール・シリーズVol.44 三浦謙司ピアノ・リサイタル
2022年7月18日(月・祝)

◎さいたまダンス・ラボラトリ企画Vol.6
2022年7月26日(火)~8月7日(日)
※ワークショップ・公開リハーサルあり

◎ユナイテッド・ユーロ ブラス・クインテット
2022年7月30日(土)

◎【共催】ピアノデュオ ドゥオール デュオ・セミナー
2022年8月3日(水)~6日(土)

◎オープンシアター
『ダンスのある星に生まれて2022』
2022年8月20日(土)・21日(日)

◎さいたまダンス・ラボラトリ企画
岡田利規×湯浅永麻『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』
2022年9月

◎【共催】マームとジプシー『cocoon』
2022年9月

◎彩の国シェイクスピア・シリーズ
『ヘンリー八世』
2022年9月16日(金)~25日(日)

◎ピアノ・エトワール・シリーズVol.45
松田華音ピアノ・リサイタル
2022年9月17日(土)

◎クロノス・クァルテット『ブラック・エンジェルズ』
2022年9月30日(金)

◎NHK交響楽団(埼玉会館)
2022年10月2日(日)

◎マギー・マラン『MayB』(埼玉会館)
2022年11月19日(土)・20日(日)

◎バッハ・コレギウム・ジャパン ベートーヴェン『第九』(埼玉会館)
2022年12月3日(土)

◎日本昔ばなしのダンス(埼玉会館)
2023年3月25日(土)・26日(日)

◎彩の国さいたま寄席 四季彩亭
2022年4月16日(土)/8月6日(土)
2022年12月4日(日)(埼玉会館)
2023年2月4日(土)(埼玉会館)

◎光の庭プロムナード・コンサート
2022年4月23日(土) 第130回
2022年5月21日(土) 第131回『ばらまつりスペシャル』
2022年6月25日(土) 第132回
ほか、夏休みスペシャルを予定

◎埼玉会館ランチタイム・コンサート
2022年6月24日(金) 第53回 NHK交響楽団メンバーによるヴィオラ十重奏
2022年10月26日(水)第54回 佐藤采香(ユーフォニアム)
2023年2月3日(金)第55回 坂本彩&坂本リサ(ピアノデュオ)
2023年3月30日(木)第56回 春休みスペシャル 東京交響楽団メンバーによるアンサンブル

※各公演の最新情報は、劇場公式サイトhttps://www.saf.or.jp/にてご確認ください。

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