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注目アーティスト 井上紗矢香インタビュー 刹那の感情、空気を閉じ込めた曲作り

音楽

インタビュー

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井上紗矢香 (撮影:友野雄)

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朝は、できれば元気に出かけたい。気が重い日も、楽しみなことがある日も、どんな日も背中を押してほしい。そんな、朝にぴったりな曲が新しく生まれた。井上紗矢香の『旗印』。
フジテレビ系「めざまし8」の2月度エンディングソングとして、朝を彩っている。

2020年に『無重力飛行士』でメジャーデビューを果たし、昨年は3週間おきの配信リリースを行い、半年で全10作もの新曲を世に送り出すなど、精力的な活動を行っている。また、藤田ニコルや伊藤千晃の楽曲の作詞を行うなど、作詞家としても活躍中だ。
そんな彼女のこれまでと、曲作りについて、新曲『旗印』に込めた想いを聴いた。

今がキツイことよりも、逃げてしまったことのほうが辛い

――井上さんは、福岡出身で東京に出てこられたのは2年前のことなんだとか。

はい。生まれは福岡県の久留米市で、小学校1年生からは八女市というところに住んでいました。高校卒業と同時に博多で独り暮らしするようになって、そこから東京に上京してきた形になります。

――プロフィールでまず気になったのが空手をやられていたということなんですが……。

小さいころから、周りのお兄ちゃんお姉ちゃんたちがやっているのを見て、自分もやってみたいな、と思って小学校2年生から5年生の終わりぐらいまでやっていました。
通えばうまくなるので、その達成感が好きだったんですが、厳しい教室だったということもあり、行くまではすごく気が重かったんです。
それが小5のときに「そんなにきついなら辞めていいよ」って母に言われたのがきっかけで、深く考えずに辞めたら「頑張っていない自分」になってしまった気がして、逆に辞めたことが辛くなってしまったんです。
もう1回、ちゃんとやり遂げないとこの人生の中で悔いが残る、と小学生ながらに思って。中学で音楽をやりたいな、という気持ちが芽生えたんですけど、このままでは空手という心残りがある。すっきりとした気持ちで音楽の道に進むためにも、高校でもう一度部活として空手に取り組みました。

――中学生のときに音楽を志した、というのは何かきっかけがあったんでしょうか。

中学2年生のときに、『絶対彼氏』というドラマの主題歌だった絢香さんの『おかえり』という曲を聴いた瞬間ですね。音楽を仕事にするってすごくいいかも、ってビビッと来たんです。それまではドラマを観るたびに「研究者になりたいかも」、「幼稚園の先生もいいな」なんてコロコロと将来の夢が変わるような子だったんですけど、『おかえり』を聴いたときの熱が今までずっと続いてるなあ、と思います。

――もともと歌はお好きだったんですか?

本を読んだり、好きな言葉を書き留めたりということは好きだったんですけど、とりわけ音楽が好きだと実感したことは少なかったですね。どうしてでしょうね。なぜ、中学校のときにそう思ったのかは自分でも不思議ですね。

――直感だったんでしょうか。でも、高校卒業と同時に音楽の道を選んだのは、大きな決断ですよね。

最初は親にも「大学に行きながらでもいいじゃない」とか「何かの資格を取ったら?」と言われて、私も一旦考えてみたんです。でも、あまり興味がないことに対して、どれだけ真剣に勉強できるか考えたときに、モチベーションが続かない気がして。しっかり考えた上で、「自分は音楽のことで頭がいっぱいだから、お金を出してもらっても真剣に勉強ができるか、と言われたら自信がない。それなら、自分の好きな音楽に投資してもらいたい」と伝えました。

――すごい。正直な気持ちを伝えたんですね。

自分の中で「後悔しないかどうか」が大きい判断基準になっているんだと思います。もともと自分がクヨクヨしやすいからだと思うんですけど(笑)
後から、「どうして私はあれをやりきっていないままなんだろう」という方が気になってしまう。今がきついということよりも、逃げてしまったことの方が辛く感じるタイプなんだと思います。

曲には自分が感じた雰囲気そのままを閉じ込めたい

――東京に上京されたのは、メジャーデビューが決まったことがきっかけだったんでしょうか。

『声だけオーディション』で見つけていただいてからは、東京や福岡のスタッフと連携を取りながら福岡で活動していました。今はどこにいても音楽ができる時代だと言われていますけど、年齢を重ねていくにつれて、いずれは東京に行ってみたいな、という思いもあったんです。それはいつなんだろう、と考えたときに、行きたいと思っているうちに上京したい、と考えて決めました。そのあと、メジャーデビューが決まったんです。

――行動がメジャーデビューを引き寄せたのかもしれないですよね。上京、メジャーデビューという中で心境の変化はありましたか?

もちろん、大きなことが決まっていくのは、それぞれ嬉しいんですけど、毎回、もっと頑張らなきゃ、という気持ちのほうが大きいですね。自分ひとりでやっているんじゃないんだな、ということは年々感じるようになりました。

――昨年は、6月から3週間おきに10作連続配信リリースをされました。制作期間中はいかがでしたか?

大変でした(笑)。歌を録ったり、アレンジ、リリックビデオの歌詞も全部手書きでやったりだとか、やることが多くて。常に何かの〆切に追われているような半年でしたね。
でも、いろんな曲が聴けて嬉しかった、という声をいただいたときには、やっていてよかったな、と思いましたね。

――普段から言葉と触れ合っている時間は長いのかな、と思うのですが作詞のときにはどういうことにこだわっていらっしゃるんでしょうか。

自分のオリジナル曲を書くときには、詞から先に書くんですけど、実体験だったり、映画を見てだったり、とっかかりはさまざまにしろ、書きたいと思ったときに、すでに閉じ込めたい空気感がそこにあるので、その書きたいものの輪郭を壊さないように形にしたいな、ということは気を遣っていますね。

――曲についてもお聞きしたいのですが、井上さんご自身が思う「井上紗矢香の楽曲」の形はありますか。

オリジナルで作る曲たちは、全部自分が見た素敵な部分や、悲しく切ない雰囲気だとかをそのまま閉じ込められるように作ってるので、聴いたら、ぶわっと全てが思い返されるような、そういう曲であったら嬉しいですね。

――雰囲気を閉じ込めるということもなんですが、歌詞や曲の世界観を構築していく上で、ご自身が気をつけていることはありますか。

いろんなタイプの方がいると思うんですけど、私はわりと曲を寝かせないんですよ。何日かに分けて書くことがあまりなくて。自分がその気持ちでいる間に書き上げる、みたいなことは、すごく気をつけているかもしれないです。その時が通り過ぎると、もういいや、ってなっちゃうので(笑)

私生活は「めちゃくちゃひきこもり(笑)」

――普段、制作のペースってどれぐらいなんですか? お仕事ももちろんあると思うのですが、生活の中での音楽との距離感というか。

ずっと曲を作ろうと思っているわけではないんですけど、予期せぬタイミングで「これ書かなきゃ」と思うので、そういうときに忘れないように書き貯めてはいますね。

――プライベートでは何かしてみたい、ということはありますか?

それがですね……私、めちゃくちゃひきこもりで。スタッフにもっと遊んだら、って言われるぐらい、ひきこもりなんです。お笑いが好きなので、radikoで深夜ラジオ聴いたり、本を読んだり、映画観たり……

――完全にインドア派なんですね。今年やってみたいことはありますか?

音楽の夢としては、もちろん武道館だったり、野外フェスで歌ってみたい、とかいろいろありますね。プライベートは……プライベート、難しいですね(笑)

――映画も観られるとのことですが、おすすめの作品があればぜひ教えていただきたいです。

ちょっと前になるんですけど、『かぼちゃとマヨネーズ』という作品はすごく好きです。その作品を観て作った曲もありますね。感動すると、曲を作っちゃうんですよね。

――やっぱり、プライベートと音楽はつながっているんですね。

本当だ(笑)。そうかもしれないですね。

『旗印』は新しいことに踏み出したいときに聴いてほしい

――新曲の『旗印』は「めざまし8」のエンディングソングとなっていますが、決まったときはどう思われましたか?

本当に、「め、めざまし?」と思って(笑)
学生のころ、学校に行く支度をしながら観ていたので、ちょっと嘘みたいな、夢みたいな気持ちでした。
友達からも、いつもより反応がありますね。

――歌詞を拝見すると、少し強い、攻めている印象がありました。どういったお気持ちで制作されたのでしょうか。

コロナ禍があったり、自分自身悩みが多い中で、何が正解なのか考えることも多いんですけど、そのたびに「どうしたら正解なのかじゃなくて、私はどうしたいのか、だろう」と、もう一回掴まえ直すことが結局は解決への近道なのかな、って。
自分が何をしたいのかさえ決まっていれば大丈夫だし、逆にそこが定まらないと、闇雲に進んでも迷ってしまうと思うんです。うまくいかないながらも、自分の心だけは掴まえて旗印を掲げて生きていけたら、という願いを込めて書いたので、揺れ動く時代の中でちゃんと立っていなきゃ、という力強さは持っているかな、と思います。

――制作過程で苦労されたことはありますか?

歌詞にメロディを何パターンかつけている中で、最初はしっくりこなかったんです。そういうときはいつも曲ごとボツにするんですけど、「かわいえいじさんにメロディをつけてもらわない?」とスタッフに提案してもらったんです。
これまでにしたことがなかった作り方だったんですけど、自分の中では多分メロディはもう出てこないだろうな、と思って、お願いさせていただきました。そうしたら、もう想像以上のものができあがって。じゃあぜひいろんな人に聴いてもらいたいな、と。自分の中ではかなり特殊な作り方をした曲だと思います。

井上紗矢香「旗印」MV

――最後に、曲を聴いてくださる方にメッセージをお願いします。

リリースされる時期が、受験のシーズンだったり、生活環境が変わったりと悩み多き季節だと思うのでそんなときに、聴いてもらえたらちょっとした追い風になれるのではないかなと思っています。ぜひ新しいことに踏み出したいけど、あと一歩勇気がないなっていう人とかに聴いてもらえたら嬉しいです。

撮影 / 友野雄、取材・文 / ふくだりょうこ

<リリース情報>
井上紗矢香 配信シングル「旗印」

Now On Sale
※フジテレビ系「めざまし8」(毎週月曜~金曜)2022年2月度エンディングソング

井上紗矢香「旗印」ジャケット

井上紗矢香 公式HP:
https://avex.jp/sayakainoue/

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