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負けないV2王者川崎Fが黒星で目覚めるか? FC東京との多摩川クラシコでいざ開幕へ!

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谷口彰悟(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE

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30回目の記念すべき開幕は、多摩川クラシコで幕を開ける。『2022明治安田生命J1リーグ』先出し開幕戦の金J(フライデーナイトJリーグ)で、川崎フロンターレ×FC東京がラインナップされたのだ。

悲願である『明治安田J1』3連覇と『ACL』制覇をターゲットにする川崎Fだが、今季はこれまで以上に厳しい戦いが待っていることだろう。爆発的な攻撃力を見せ付けた2020年も、主力が抜けてもチームでカバーし成熟してきた2021年も、敗戦しただけでニュースとなるほどだった。今季の川崎Fにこれまでのような圧倒的な力はない。ヴィッセル神戸や横浜F・マリノス、浦和レッズ、鹿島アントラーズなどライバルたちもV奪還に虎視眈々。17クラブによる包囲網はより強固になってくるだろう。それでも、今季の優勝戦線の中心にこのチームがいるはずだ。川崎Fには鬼木達監督が5年間培ってきた積み重ねがある。川崎Fが育んできた自信はちょっとやそっとで揺るがない。

2月12日・日産スタジアムでの『FUJIFILM SUPER CUP 2022』では浦和に0-2で屈した。浦和の前線からのハードなプレスに苦しみ、時間の経過とともに守備ブロックを敷かれ、崩し切れなかった。川崎Fはボールを握りながらも攻め手を欠いたのだった。7分に右SB酒井宏樹からマイナスのクロスをフリーのFW江坂任へ送られたのも、81分にカウンターから江坂にCB谷口彰悟が置き去りにされたのも、川崎Fらしくない失点シーンだった。

試合後、鬼木監督が「選手たちは今持っている100%で戦ってくれた。そのおかげと言うわけではないが、見えてきた課題があった。できた部分もまだまだな部分も出た。そういう意味で開幕に向けて修正するためのいい試合だった」、谷口主将も「立ち上がりは相手の勢いもあり、早い時間で失点するとゲームは難しくなる。そこから思い通りにはいかず、うまく浦和にやられた感覚の方が強い。改善点はかなり多くあるが、開幕前に見つかってよかったと感じている」と前向きに語ったが、決して強がりではない。

背番号14を引き継いだ脇坂泰斗はチームとしても個人としても「シュートも少なかったと思う。回数を増やすところとシュートに持っていくために相手をどう動かすかというところ。強い動きをする人と止まる人、シュートと強い動きが少なかった。個人的にも中盤で潰される回数が多く、相手のボランチ、FWにセカンドボールを拾われる回数が多かった。守備で相手を潰すこともあまりなかった。改善点しかなかったゲーム」と反省を繰り返した。

2月15日には『開幕対戦カードオンライン記者会見』が実施された。FC東京の左SB長友佑都から「僕は代表の1か月で谷口さんに支えてもらった。バッシングもあったが、隣に谷口さんがいて逆境を跳ね返さすことができた。フィジカル、スピード、足元のテクニック、顔の良さ、全てを兼ね備えているので嫉妬している(笑)」と褒め殺しにあった谷口は「ただでさえ開幕戦は高ぶるものがあるが、それが多摩川クラシコとなると高いモチベーションで臨めるのかなと思う」と開幕戦へ思いを馳せた。

FC東京の印象について問われると、谷口はこう答えた。
「監督が代わり、今までとは違ったチームになっているのかなとも思う。個々のレベルの高いチームなので、個々のところで負けないようにしていく。ホームでできるのでとにかくアグレッシブにいきたい」

3日前の敗戦についてはこのように振り返った。
「先日の『スーパーカップ』で敗戦した影響はないとは言わないし、ショックな敗戦になったが、本当にポジティブにとらえている。この敗戦から学ぶことが多かった。逆にこの敗戦から学ばないともったいない。それぐらいの課題があった。敗戦から学ぶのは非常に大事だが、勝ちながら成長していくのが僕らのこだわりなので、今年もそうやっていきたい」

そして谷口は先出し開幕戦の意義を十分に理解していた。
「金Jでぼくら1試合しかないので、注目度は高いと思う。Jリーグを見てもらうファンにレベルの高いサッカーを見せたいし、フロンターレは優勝を目指しているので、その覚悟を見せられたらいいかなと思う」

もちろん、長友も開幕戦勝利を譲る気はさらさらない。「やはり王者。非常に強くて守備も攻撃もひとつのチームとしてまとまっている。非常に難しいゲームになるが、僕らも新監督のもと新しいサッカーに取り組んでいるところなので楽しみにやっていきたい」とリスペクトしつつ、「アグレッシブに戦って、躍動する試合を見せたい。今年のJリーグは楽しいぞと思ってもらえるような試合をしたい。見たファンがフロンターレではなく、FC東京のファンになってもらえるような試合をしたい」とキッパリ。

2月16日にはチームのメディア対応が行われた。昨季途中から日本へやって来たマルシーニョと北海道コンサドーレ札幌から加入したチャナティップが登場。次のようにコメントした。

マルシーニョ「チャナはこの日本で結果を残した素晴らしい選手。必ずフロンターレの力になってくれる。チャナはワイドもインサイドもできる選手、これから練習を重ねてコンビネーションを高めていきたい。
(開幕戦について)クラシコだからというわけではなく1試合1試合勝利を目指していかないといけないが、その中でもクラシコは重要になる。しかも開幕戦のホームゲーム。しっかり勝利したいと思う。
(3連覇に向けて)一番は集中力。集中してゲームを望まないといけない。先を考えるのではなく目の前の一戦一戦に集中すること、常日頃のトレーニングの一日一日を大切にすることに尽きる。ここまでいい準備ができている。今季も複数タイトルを狙えると思うし、複数タイトルを取れると信じている」

チャナティップ「こないだの試合(『FUJIFILM SUPER CUP』)では自分らしいプレーができなかった。フロンターレに加入して1か月ちょっとしか経っていないので、チームメイトとの連携ももっともっと高めていかないといけない。
(前半より後半がいいパフォーマンスとなった要因について)今までウイングのポジションをやっていなかったので、あまりうまくいかなかった。だが、ポジションが違うとか言い訳にならない。監督、コーチから信頼をしてもらってチャンスをもらったので、与えられた役割以上のパフォーマンスをするのが自分の役割。監督、コーチから『チャナらしいプレーをしてほしい』と言われているので、あまり周りを見すぎずに自分らしいプレーができればと思っている。
(開幕戦について)攻撃が強み、怖さがあるチーム。いいプレーヤーも揃ってので、注意しないといけない。今後のリーグを戦っていく中で、いいシーズンの入り方ができればいいシーズンになると思うので、貪欲に勝利を目指していきたい」

同日のメディア対応には鬼木監督も出席した。指揮官は浦和戦でアンカーに起用したジョアン・シミッチ、大島僚太、塚川孝輝についてこうコメントした。
「組み合わせのところだと思っている。肝になると思っている。対戦相手との兼ね合いもあるし、そのゲームで何を求めるか。アンカーひとりの存在ではなく、周りとの連係もある。こないだの試合ならばジョアンだったり、僚太だったり、孝輝だったり、そのポジションでチャンスを掴んでほしい。いろんな選手がいろんなポジションをやれるようにしないといけない、ポジションの厚みは作っていかないといけないと思っている」

浦和が徹底マークしてきた右ウイング・家長昭博についても言及した。
「相手も彼のところでタメを作られたくないだなと。こないだのゲームも一番走っていると言ってもおかしくないほど走っているので、足元だけではないプレーが増えてきている。止まらなくなってくるなという期待もしている。アキだけではなく、いろんなことにチャレンジしている姿は見て取れる。相手がアキのところとか、アンカーとかを消しにくるとかあるが、消しにくることで逆にチャンスがあるので、そのチャンスを逃さないチームになっていきたい」

浦和戦の敗北から多くことを学んだと監督は改めて口にした。
「いろんなチームの覚悟が見えた、詰まったゲームだと思う。気持ちの部分、球際で自分たちが上回っていかないと勝てないんだと改めて感じたゲーム。失ったものも大きいが得たものも大きい。今季タフな我慢強く戦っていかないといけない。本当にここから学んでいきたい」

開幕戦だけではない。鬼木監督は2月18日(金)・FC東京戦から23日(水・祝)・横浜FM戦、26日(土)・鹿島戦、3月2日(水)・浦和戦、6日(日)・ガンバ大阪戦までの開幕5連戦を最初のターゲットに定めていた。
「すごく重要な5つだと思っている。(3連覇を逃した)2019年と同じような対戦相手が数多く、なかなか簡単に勝てなかったので、自分の中でこの5つはこだわりがある。その時と自分たちも相手もメンバーが違うので一緒にする必要はないかもしれないが、何かキッカケを掴みという意味で開幕戦から意識して戦っていきたい」

果たして、多摩川クラシコで19勝9分10敗と相性の良さを見せる川崎Fが6連勝を飾るのか、7戦勝ちなしのFC東京が2018年5月以来の勝点3を手繰り寄せるのか。『明治安田J1』第1節・川崎F×FC東京は2月18日(金)・等々力陸上競技場にてキックオフ。試合当日は026(オフロ)サポーターに就任した純烈による始球式とハーフタイムショーも開催。先着1万5000名に開幕戦限定デザインのサイリウムライトをプレゼント。チケットはチケフロ(Jリーグチケット)のみで販売、残りわずか。試合の模様はDAZNにて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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