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ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』の裏にある“感動を増幅させる”秘密とは?

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『私ときどきレッサーパンダ』 (c)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』が3月11日(金)、ディズニープラスにて見放題で独占配信開始となる。今回は本作の裏にあるピクサー流の“感動を増幅させる”秘密に迫っていこう。

『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』、『ファインディング・ニモ』、『インサイド・ヘッド』などイマジネーションあふれるユニークな“もしも”を描き、数々の感動的な物語を贈り届けてきたディズニー&ピクサー。彼らによる最新映画が“ときどきレッサーパンダになってしまう女の子”を描く本作だ。

本作の主人公・メイは伝統を重んじる家庭に生まれ、両親を敬い、母親の期待に応えようと頑張るティーンエイジャーの女の子。しかし公開された特報では「私はマジメ…私は素直…私は頑張り屋……」とコミカルな表情で自分自身に言い聞せる彼女が描かれる。そしてフラストレーション全開のメイは次の瞬間に大爆発し、ピンク色の煙とともにモフモフのレッサーパンダに。

母親の前ではいつも“マジメで頑張り屋”のメイだが、実はアイドルや流行りの音楽も大好きで、恋をしたり、友達とハメを外して遊んだり、やりたいことがたくさんある。そんな彼女は、ある出来事をきっかけに本当の自分を見失い、感情をコントロールできなくなってしまう。悩み込んだまま眠りについたメイが翌朝に目を覚ますと…レッサーパンダの姿になってしまったのだ。

なぜメイはレッサーパンダになってしまうのか、そこに隠されたメイも知らない驚きの秘密とは。ありのままの自分を受け入れてくれる友人。そしてメイを愛しているのに、その思いがうまく伝わらずお互いの心がすれ違う母親。様々な人との関係を通してメイが見つけた、本当の自分とは。



カラフルな死者の国を舞台に家族の絆が描かれた『リメンバー・ミー』や、色鮮やかな魚や透き通った海が観る人を魅了させた『ファインディング・ドリー』など、これまで“色使い”に多くのこだわりを施してきたピクサー。本作もまた、家や学校、服装、街中などあらゆる場面の色にこだわりが施されているが、そこには「主人公の心情に連動する色使い」というピクサー流の“感動を増幅させる”秘密が隠されている。

母親の前での“真面目で頑張り屋ないい子”と、友達の前の“好きなことに夢中な等身大の女の子”という「自分らしさ」に葛藤する主人公のメイが、ある日の出来事をきっかけに感情をコントロールできなくなってしまい、モフモフのレッサーパンダに変身してしまう。

そんなイマジネーションあふれる世界観のなか、鮮やかなオレンジ色の毛並みが魅力的なレッサーパンダ。プロダクション・デザイナーを務めたロナ・リウは「キャラクターが印象深く、心に残るものにしたいと思いました。そのためキャラクターによって色をそれぞれ決めています。たとえばミン(メイの母親)のグリーンは、赤い色のメイや赤いお寺と対照的でくっきりと見えます。初めて彼女が出てくるシーンも、赤いお寺の中です。彼女がグリーンを着ていることで、強烈に記憶に残るのです」と、観る人の印象に残りやすいように色の細部にまでこだわっていることを明かした。

また「13歳の目線で語られる物語なので、この世界はカラフルで生き生きしているべきだと私たちは思いました。トロントの街は明るいパステルカラー。夜も街の明かりで夢の中のような感じであるべきです。でもメイが初めて出てくる時、彼女はまだママの言うことを聞く良い子なので、彼女の部屋はママの色と同じグリーンが基調。メイはミンのこしらえた世界で育ったのだということを、潜在的に伝えます。家はミンの領域なので、彼女のコントロールが効いているということを色でも見せているのです」とコメント。 さらに「逆に学校は、メイが自分らしくあれる場所です。なので、色は家と比べてずっとカラフルにしています。物語の中で色をどうしていくかは、メイの感情がどうなのかを指針にして決めました」と、主人公の心情や物語の背景に沿って、それに連動した色使いをするこだわりを施したという。

ピクサーはこのように、キャラクターの心情に合わせた色を使って物語により深い感動を生み出すことが多く『リメンバー・ミー』ではメキシコのお祭り“死者の日”が鮮やかなネオンカラーで彩られるほか、街並みや装飾、華やかなオレンジで描かれたマリーゴールドの道などカラフルな世界観が人々を魅了してきた。

しかし、物語の途中には鮮やかな色を抑えているシーンがあり、これは主人公ミゲルが絶望を感じている際の心情を感じてもらえるよう、あえて色を調整している。

また『ファインディング・ドリー』でも海の世界を透き通った青い水やカラフルな魚たちで表現している一方、人間の世界をコンクリートや金属など抑えた色で描くことで、海との差異を表現した。各シーン毎にキャラクターの心情が観る人に伝わりやすくなるこだわりを発見できたら、さらに作品を味わうことができるだろう。

『私ときどきレッサーパンダ』
3月11日(金)よりディズニープラスにて独占配信開始