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【おとな向け映画ガイド】

どうなるこの結婚式! 『ウェディング・ハイ』

ぴあ編集部 坂口英明
22/2/27(日)

イラストレーション:高松啓二

今週末(3/4〜5) の映画公開は17本。うち全国100館以上で拡大公開される作品が『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』『余命10年』『ブルーサーマル』『あんさんぶるスターズ!!-Road to Show!!-』の4本。中規模公開、ミニシアター系が13本です。今回は、次週3/12公開、篠原涼子主演のコメディ『ウェディング・ハイ』を紹介します。

『ウェディング・ハイ』

タイトルの“ハイ”は、テンション高っ!という意味。結婚が決まって、盛り上がりすぎてしまう人たち、特に結婚披露宴では、ご当人以外でも、ハイな人が続出します。スピーチや余興を頼まれた人とか、酔っ払って徘徊する親戚のおじさんとか。実害がなければ微笑ましいですむのですが……。だから大抵ちょっとしたアクシデントがつきもの。あとになって「そうそうあのときさぁ」と笑い話になるやつです。そんな「結婚式」のドタバタを真正面からとりあげたのがこの作品。外国映画では、ロバート・アルトマン監督の『ウエディング』とかありましたが、意外や日本映画では穴でした。ここまでストレートなのはあまりなかったかも。

バカリズムがオリジナル脚本を手掛け、監督は『勝手にふるえてろ』などいわゆる“こじらせ系女子”を主人公にした作品で定評のある大九明子。演技のふり幅がダントツ広い中村倫也と、最近ドラマでも初主演をした関水渚が扮する新郎新婦の、プロポーズから披露宴のおひらきまでが描かれます。が、なんたって主演は、あの篠原涼子。結婚式を取り仕切る「NOと言わない」ウェディングプランナーの活躍がキモです。

このカップルの披露宴は、ちょい大きめ。真面目なふたりですから、義理・しがらみも含めて結構な人数を呼んじゃいました。主賓スピーチをお願いしたのは新郎の上司(高橋克実)、乾杯の挨拶には宴会部長と名高い新婦の上司(皆川猿時)、紹介用のVTRも新郎の後輩(中尾明慶)が渾身の作を用意しています。

おごそかに結婚式をとり行ったところまでは良かったのですが、披露宴のふたを開けると、想定以上にみんながハイで、トラブル続出。このあと、新郎の父(尾美としのり)のマジックはあるし、新婦の父(六角精児)によるマグロの解体ショーは控えているし、友人たちの余興だってあるというのに!

そこからが “NOと言わないプランナー” の出番。このドタバタをどう収めるか、スタッフたちのプロフェッショナルぶりが、宴会以上のエンタテインメントになっていきます。

バカリズムのネタで、結婚式の当日に映画『卒業』をマネて花嫁を奪う計画を実行しようとする男の話があります。教会の結婚式場なら様になるけれど、披露宴会場だと導線が大変で……と笑わせてくれるコントです。この映画のサイドストーリーで、それっぽい設定がでてきます。花嫁の元カレ(岩田剛典)がなんと略奪に乗り込んでくるのです。その“卒業”作戦など、いくつもの話がふりまかれています。

大九明子監督の作品を観る楽しみのひとつは、常連組ともいえる役者たちの存在。前野朋哉をはじめ、片桐はいり、臼田あさ美が今回も出ています。そういえば、花婿役の中村倫也もそうでした。さらに、監督たってのキャスティングで、お笑いコンビ・空気階段が大九作品三度目のゲスト出演です。それぞれに見せ場あり、小ネタありで笑えます。

意表をつくのが向井理の登場。「謎の男」という役どころなんです。

【ぴあ水先案内から】

笠井信輔さん(フリーアナウンサー)
「……まき散らかした伏線を最後の最後に完全に回収。その鮮やかな手腕、恐れ入りました。」

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(c) 2022「ウェディング・ハイ」製作委員会