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【ライブレポート】全編洋楽カバーによる一夜限りのイベントにGLIM SPANKY、ROY(THE BAWDIES)、Reiが登場!

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『明日に架ける橋 2022』2月23日(水・祝) 東京・豊洲PIT (Photo:吉田圭子)

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2月23日(水・祝) に東京の豊洲PITにて、ぴあ、ウドー音楽事所、ディスクガレージの共催によるライブ・イベントが開催された。長引くコロナ禍で海外アーティストの招聘が困難な中、また普通に来日公演が行われるようになるまでの橋渡しとして企画された、全編洋楽カバーによるイベントだ。題して、『明日に架ける橋 2022』。

出演は、ルーツ・ミュージックをこよなく愛することで知られる、GLIM SPANKY、ROY(THE BAWDIES)、Reiの3組。この日のために、鈴木正人(B)、西田修大(G)、伊吹文裕(Dr)、ハタヤテツヤ(P)、吉永凉(CHO)からなるハウス・バンドも特別に編成された。またMCを、人気ユーチューバーでロック・プロジェクト、ミノタウロスとしても活動している、みのミュージックが務めた。

みのミュージック

最初に登場したのは、4歳でクラシック・ギターを手にし、5歳でブルース(ブルーズ)に目覚めたというシンガー・ソングライター / ギタリストのRei。注目の1曲目は、ビートルズの「ゲット・バック」だった。計8時間弱に及ぶドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』が配信公開され、大きな反響を呼んでいるタイミングでのタイムリーな選曲だ。

Rei

そこからヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ジミ・ヘンドリックス、クリームといったレジェンドのカバーが披露される中、ひときわ異彩を放っていたのが、今をときめくビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」だ。ほとんどビートと囁き声のみの楽曲が、エモーショナルで官能的とも言えるブルース・ロックに生まれ変わっていて、彼女の卓越した才能とセンスを実感。

ギター・プレイも研ぎ澄まされており、クリーム「クロスロード」での完全コピーと思われるソロ演奏は圧巻だった。

続いては、ROY。リズム&ブルースやソウル・ミュージックの魅力を現代に伝えるために結成されたバンドのフロントマンは、ベース&ボーカルというスタイルではなく、憧れていたというハンドマイクで登場した。

ROY(THE BAWDIES)

スタートは、ルーファス・トーマスの「メンフィス・トレイン」。以降、敬愛してやまないジェームス・ブラウンにレイ・チャールズ、アイズレー・ブラザーズ、ドン・コヴェイのカバーを、全身で喜びを表現しながら熱唱した。

ルーファス・トーマスやドン・コヴェイという、決して有名ではないアーティストも取り上げ、あえてジェームス・ブラウンのバラード、レイ・チャールズの激しい曲をチョイスするあたりが、何とも渋い。

また自らを“ロックンロール界の綾小路きみまろ”と称し、ルーツ・ミュージック愛をたっぷり語り、「次の曲では良かったら立ちませんか」と低姿勢で盛り上げようとする姿は微笑ましく、会場を和ませていた。

アコースティック・ギターとトイピアノというシンプルさを極めた演奏による、ニック・ドレイク「ピンク・ムーン」のカバーで、いきなり美しく深い神秘の森へといざなったのが、最後に登場したGLIM SPANKYだ。

亀本寛貴(GLIM SPANK)
松尾レミ(GLIM SPANK)

音源としてもカバー曲を数多くリリースしているふたりは、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から、キャロル・キング、ジャニス・ジョプリンと、1960年代後半から70年代初頭の名曲カバーで鮮やかにつなぎ、アデルの2011年の大ヒット曲「ローリング・イン・ザ・ディープ」で締めくくり。

楽曲スタイルの振れ幅が大きなセットの中でも、ロック・アーティストではないキャロル・キングやアデルのレパートリーを、完全にGLIM SPANKYのロックとして色彩豊かに響かせてしまうところが感動的であり、ふたりのロック・ミュージシャンとしての個性を際立たせてもいた。

さて、イベントの趣旨が趣旨なだけに、またメンツがメンツなだけに、これだけで終わるはずがない。最後は期待に応えて、出演者全員によるセッションが披露された。

Rei×亀本寛貴(GLIM SPANKY)

もちろん、イベント名に冠されている、サイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」だ。平たく言えばカッコよくカバーするのが難しそうな楽曲なのだが、これがお見事のひと言。ROYと松尾レミ(GLIM SPANKY)がフェイクを織り交ぜて歌い、Reiがオリジナルに寄せて歌うというバランスも素晴らしく、このイベントのもうひとつの醍醐味を堪能できた。

世代を超えて洋楽ファンが楽しめる、意義の大きなイベントだと思う。早くも次回の開催が待ち遠しい。

鈴木正人(B)
西田修大(G)
伊吹文裕(Dr)
ハタヤテツヤ(P)
吉永凉(CHO)

Text:鈴木宏和 / Photo:吉田圭子

関連リンク

GLIM SPANKY:
http://www.glimspanky.com/

Rei:
https://guitarei.com/

ROY(THE BAWDIES):
https://thebawdies.com/

みのミュージック:
https://www.youtube.com/channel/UCDkAtIbVxd-1c_5vCohp2Ow

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