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世界的人気の密室スリラーを初の公認リメイク!
待望のデジタル配信開始&Blu-ray・DVD発売!

『CUBE 一度入ったら、最後』特集

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目が覚めると、そこは謎の立方体=CUBEの中だった! その意表をついた設定で世界的に大ヒットしたカナダの鬼才ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の密室スリラー『CUBE』(97)を、ナタリ監督公認の形(ナタリ自身クリエイティブアドバイザーを担当)で日本版リメイクした『CUBE 一度入ったら、最後』。2021年10月に劇場公開され大きな話題を呼んだ本作だが、いよいよ待望のデジタル配信が開始され、Blu-ray&DVDも発売となった。本特集では、あらためてオリジナル版を含めた『CUBE』の魅力をひも解くとともに、劇場公開当時の斎藤工のロングインタビューをお届け!

菅田将暉、杏、岡田将生、斎藤工、吉田鋼太郎……
豪華すぎるキャストが日本版“CUBE”の住人に!

謎の立方体の部屋に閉じ込められた、年齢も職業も異なる男女6人。お互いに面識はなく、誰もそこがどこなのか、なぜ閉じ込められたのか分からない。しかも、部屋に刻まれた暗号を解明しながら出口を探す彼らに熱感知式レーザーやワイヤースライサー、火炎噴射といった殺人トラップが次々に襲いかかってくるのだから、一瞬たりとも油断はできない。

『MANRIKI』(19)、『その日、カレーライスができるまで』(21)の清水康彦監督がリメイクした日本版では、この極限の脱出ゲームに日本を代表する俳優陣が挑み、オリジナル版とは設定が異なるキャラクターに命を吹き込んでいるのが大きな魅力だ。主演の菅田将暉は、頭脳明晰ながらもトラウマを抱えた若きエンジニアに。杏が沈着冷静な団体職員をクールに演じ、岡田将生が権力者や年上が嫌いなフリーターを体現。さらに斎藤工が責任感が強くてリーダー的な存在でありながらも短絡的な性格の整備士に扮し、吉田鋼太郎が業界を渡り歩いてきたおらおら系の会社役員になりきっている。さらに、大人に嫌悪感を示す物語の鍵を握る中学生を『デスノート Light up the NEW world』(16)などの名子役・田代輝が演じているのも注目すべき点だ。

果たして、この6人の中の誰が生き残ることができるのか? 俳優陣が作り上げた登場人物に共感したり、腹を立てているうちに、あなたも“CUBE”の住人になっているかもしれない。

世界中の映画ファンに衝撃が走った!
オリジナル版『CUBE』とは?

オリジナル版の『CUBE』は、1997年にヴィンチェンゾ・ナタリ監督が自身の短編映画『Elevated』(96)を原点に36万5000カナダドル(当時)で撮った低予算スリラー。にも関わらず、登場人物が7人で、謎の立方体=CUBEのワンシチュエーションだけで展開する衝撃的な設定と何が起こっているのか分からない緊張感が持続し続けるスリリングな展開がウケて、世界中の映画ファンが熱狂! カルト的な人気を誇り、ナタリ監督の名を一躍有名にした。

日本版も設定や大筋はだいたい同じだが、登場人物の職業やキャラは異なり、オリジナル版では警察官や精神科医、脱獄囚などが死の脱出ゲームのプレイヤーに。日本版ほど人間ドラマには踏み込んではいないが、各部屋の繋ぎ目に存在する“数字”の謎解きを始め、散りばめられたキーワードによってCUBEの秘密に迫るサスペンススリラーとしての面白さを追求。日本版と比べて観ると、その違いがよく分かるはずだ。

『CUBE キューブ』
ポニーキャニオンよりBD・DVD発売中&デジタル配信中

多種多様な“スリラー”映画の中でも
恐怖の極北と言えるシチュエーション・スリラー

サスペンスにミステリー、ホラーにスリラー……映画を内容で分けるときに使われるそれらのジャンルを明確に言葉にするのは難しい。モンスターや幽霊、ゾンビやサイコパスが襲ってくるのがホラーなら、先の読めない展開とハラハラドキドキのスリルが味わえるのがサスペンス。謎解きや犯人探しに特化したものがミステリーという言い方もできるだろうが、その分類もけっこう曖昧で、サスペンス・ミステリーなんて造語もあるからややこしい。

それこそ“スリラー”とひと言で言っても、FBIの女性訓練生が殺人鬼のレクター博士と対峙する『羊たちの沈黙』(90)のようなサイコ・スリラーもあれば、猟奇的殺人事件の真相に迫るサスペンス・スリラー『セブン』(95)や5人の前科者による犯罪計画を巧妙な語り口で描いたクライム・スリラー『ユージュアル・サスペクツ』(95)もあるし、テレビドラマ『24-TWENTY FOUR-』(01~)のような物語の進行と現実の時間が同じ速度で進むリアルタイム・スリラーもある。さらに、ジェームズ・エルロイの傑作犯罪小説を映画化したノワール・スリラー『L.A.コンフィデンシャル』(97)や『大統領の陰謀』(76)のようなポリティカル・スリラーなど、より細分化されたものまで存在。

また、日本映画にも実際の猟奇的連続殺人事件をベースにした『冷たい熱帯魚』(10)、冷酷な殺人鬼を取材するうちに狂気を帯び始める雑誌ジャーナリストを描いた『凶悪』(13)、新居に引っ越した夫婦が奇妙な隣人の恐怖に直面する『クリーピー 偽りの隣人』(16)といったサイコ・スリラーの問題作があるのは周知のとおりだ。

だが、観客の緊張感と不安感を特に煽るこのジャンルの代表的なスタイルは間違いなく“シチュエーション・スリラー”だろう。数人の登場人物たちが密室や洋館などで生き残るために死のゲームに身を投じる『ソウ』シリーズ(04~)、強盗を働いた3人の若者が逃げ込んだ屋敷で盲目の老人から恐ろしい仕打ちを受ける『ドント・ブリーズ』(16)などがその最近の好例だか、閉ざされた家や島、エリアから逃げられなくなるシチュエーションは多くのソンビ映画や『エイリアン』(79)などでも使われている“スリラー”の王道のパターン。『CUBE』の謎の立方体は、その最もシンプルにして究極のステージなのだ。

オリジナル版にも負けない!
『CUBE 一度入ったら、最後』ならではの面白さ

オリジナル版と同じワンシチュエーション・スリラーのスタイルを取り入れた本作だが、前記のように、登場人物たちの職業やキャラを変え、濃密な人間ドラマで日本版独自の恐怖とスリルを立ち上がらせているから目が離せない。誰が本当のことを言い、誰が嘘を言っているのか? それぞれの性格や目論見を少しずつ明らかにしながら、映画に新たなスリルと緊張感がどんどんプラスされていく。

しかも、菅田将暉が演じたエンジニアのトラウマ、岡田将生が扮した温和なフリーターが突然見せる狂気などが、新しい世代と古い世代の衝突やパワハラ、非正規雇用やネグレクトといった、現代日本が抱えた身近な問題を浮き彫りにしていくから他人事ではいられなくなる。

ゲーム感覚で楽しんでいた脱出ゲームが、急に自分の問題に変わっていく。その生々しさこそが、オリジナル版にも負けない、『CUBE 一度入ったら、最後』の面白さと強度を作り上げている。

オリジナル版を観ている・観ていないにかかわらず、その戦慄に身をゆだねることができる『CUBE 一度入ったら、最後』。劇場公開時に観逃してしまった人は、ぜひデジタル配信やBlu-ray・DVDでじっくり楽しんでほしい。

『CUBE 一度入ったら、最後』

豪華版Blu-ray(2枚組) 7370円(税込) 発売中

特典映像には、メイキング映像、イベント映像集、清水康彦監督によるオーディオコメンタリーを収録!

通常版Blu-ray 5170円(税込)、通常版DVD 4180円(税込)も発売中

(C)2021「CUBE」製作委員会

Text:イソガイマサト