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城田優がミュージカル愛を止められない警部補を熱演! ミュージカル『カーテンズ』観劇レポート

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ミュージカル『カーテンズ』より  撮影:伊藤智美

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城田優が演出とシングルキャストでの主演の二役に挑むことで話題のミュージカル、『カーテンズ』が東京国際フォーラムで上演されている。2007年にブロードウェイで初演されてトニー賞8部門にノミネートされたヒット作で、日本での上演は2010年の東山紀之主演版以来。ブロードウェイを目指してボストンでトライアウト中のミュージカルの舞台裏で起こる殺人事件を描く、バックステージもののサスペンスコメディミュージカルだ。

城田の離れ業に加え、櫻坂46の菅井友香と三浦翔平の初ミュージカルとしても注目を集める本作。客席にもまたミュージカル初心者が多いことと思うが、この舞台ならば抵抗なく観られるに違いない。初めて観るブロードウェイ・ミュージカルで感じがちな二大抵抗の素と言えば、台詞が突然歌になることと、日本人には面白さが分からないアメリカンジョークが連発されること。だが本作では、まずミュージカルそのものが題材となっているため、歌やダンスが差し挟まれることに不自然さがさほどない。そして城田演出のもと、“ネタ”がある程度ローカライズされている上に、演者がことさらに西洋人になり切ろうとせず自分らしさを交えて演じているため、日本人から観ても血の通った舞台なのだ。

最大の見どころはやはり、演出家として目指す方向性を自ら指し示すかのように、“ミューオタ”な主人公をまさに「自分らしさを交えて」演じた城田優その人。殺人事件を捜査しに来た警部補でありながら、あふれるミュージカル愛を止められず創作にまで口出しし始めるチョフィを生き生きと、愛らしく演じて実に魅力的だった。そしてそんな演出家/主演俳優を脇から支えた、ベテラン陣のパフォーマンスにも大きな拍手を。

作詞家として参加したはずが事件の影響で主演女優になってしまうジョージア役の瀬奈じゅん、その元パートナーで作曲家アーロン役の岸祐二、敏腕プロデューサーで出演女優の母でもあるカルメン役の原田薫の、繊細な演技とコミカルな演技の間を自在に行き来する巧みさ、またもちろん歌とダンスの抜群の安定感が、城田版『カーテンズ』をいっそう豊かなものにしていた。

城田のこだわりは、開演前や幕間のアナウンス、またカーテンコールの趣向など細部にまで及ぶ。劇場にいる間は外のことは忘れて楽しんで欲しい、ミュージカルにはそれを可能にする力がある――。随所からそんな信念が垣間見え、そのあふれるミュージカル愛に、ますます城田とチョフィ警部補が重なった。

取材・文:町田麻子 撮影:伊藤智美



ミュージカル『カーテンズ』チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2187664

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