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「諦めるのはやめようとずっと言ってくれていた」松岡茉優が共感するドラえもんからのメッセージ

ぴあ

ピイナ役の声優を務めた松岡茉優

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1985年公開の『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』をリメイクした『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』が3月4日(金)より公開となった。本作は、宇宙の彼方にあるピリカ星から地球にやってきた手のひらサイズの宇宙人・パピと、ドラえもんやのび太たちとの友情を描く冒険ファンタジーだ。同作でパピの姉・ピイナ役の声優を務めた松岡茉優は、映像や物語が令和版にアップグレードされた本作を称えつつ「ドラえもんは、子どもの頃と変わらぬ大切なメッセージをくれる」と感謝する。そんな本作の魅力を、松岡がたっぷりと語ってくれた。

――名作だとされる『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク版ということで、どんな思いで臨みましたか?

松岡 1985年版は、現在子育てをしている世代から私の両親の世代まで、多くの方々に愛されている作品だと思います。だから1985年版を子ども時代に観に行った方が、今度はご自身のお子さんと一緒に観てくださったり、もしかしたら3世代で足を運んでくださったりする作品になるのかなと思ったら、私でいいのかなと心配になりましたが、素晴らしい作品なのでぜひ観てほしいという気持ちの方が大きかったです。

――松岡さんが演じたピイナは、2021年版ならではのオリジナルキャラクターですが、どんなふうにアプローチしていきましたか?

松岡 音響監督の方から「ピイナはただの優しいお姉さんではなく、力強くて意思のある女性です」とお聞きしたので、そこを表現したいと思いました。いつも声のお仕事は手探り状態で入らせていただきますが、今回は「もう少しこうしてください。こんなふうにできますか?」と、いろんなチャレンジをさせてくださり、一緒に悩んでくださったので、すごくありがたかったです。

――松岡さんは、声優として主演を務めた『バースデー・ワンダーランド』(19)や主人公の少年時代を演じた『映画 聲の形』(16)など、アフレコの経験はかなり豊富ですが、今回のピイナ役はいかがでしたか?

松岡 物語の冒頭からドキドキハラハラするクライマックスのようなシーンが展開されるので、収録時は自分がまだ声のお芝居についていけなくて必死でした。でも、全部を録り終えた後で「冒頭のシーンをもう1回録りましょうか?」と言ってくださったので、録り直しさせていただいたんです。いつも声の仕事は終わってからも不安で、頭を抱える日々が続きますが、今回はたくさん粘ってもらえたので、少し安心しながら完成を待つことができました。

――パピとの姉弟愛にも心を打たれますね。

松岡 姉弟ふたりのシーンはそんなに多くないのですが、どのシーンも大好きです。ピイナはパピがなにかで迷ったときに、背中を押してくれるような存在なのかなと。ドラえもんやのび太たちも仲間となってパピを支えてくれますが、やはりピイナの存在があってこそ、パピは前に進めるところがあったのではないかと思います。

――本作では“宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)”が描かれますが、SFの世界に入れるという設定は、大人から子どもまでワクワクしますね。

松岡 本当にそうです。特に私は、のび太たちがパピたちを救おうと、宇宙船に乗ってピリカ星へ行くシーンが好きです。とあるメンバーがその大きすぎる任務への不安に耐えきれなくて「僕は行かない!」と言い出すシーンがありますが、そのときに周りのメンバーがどんな反応をするかにも注目してほしいです。

――確かに、どうなるんだろうか?と息を呑みました。

松岡 その子を見守り、それぞれの判断を尊重するという点は、まさに今の時代にふさわしいテーマだと思いました。例えば、お子さんたちが観て、誰かが「嫌だ。行きたくない」と言ったときに「なんで嫌なんだ?」と問い詰めるのではなく、「そうか。嫌なのか」と受け入れていく。それが2021年版ならではの新しい時代の価値観だなと思いました。

――3DCGで描かれた宇宙船の映像も、かなり進化していましたね。

松岡 窓から見る景色がすごく綺麗です! 我々で言うところの照明が素晴らしくて、柔らかい光や陰影がとても美しいです。子どもの頃に観た1985年版も大好きでしたが、今の技術が加わったことで、本当にトリップしているような映像体験ができました。まさに、こういう時代も遠くないんだなと思わせてくれるような“車窓”でした。

――確かに年々、ドラえもんの時代に近づいていきますが、松岡さんはドラえもんのひみつ道具になにか思い入れなどはありますか?

松岡 子どもの頃に、将来実現できるひみつ道具ってなんだろうと、きっと誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。私は大人になったら、タケコプターはきっとできているだろうなと思っていました。

頭頂部にくっつくかどうかは微妙ですが、ヘルメットや背負う形にすればいけるかなと思っていましたが、今はまだ一般的ではないですよね。やっぱりまだ難しいんだなと。でも、自分が死ぬまでにできていたらいいなあと思います。タケコプターで空を飛んでみたいです。

もしも自分がスモールライトを浴びたら……?

――本作では宇宙戦争を描くということで、ド迫力のアクションもすごくて、アトラクション感が楽しめますね。

松岡 今回は観ていて「もう無理かもしれない!」と、思わず諦めてしまいそうになるシーンが何度もありました。それでも子どもたちが諦めない姿を観て勇気をもらえます。

――松岡さんご自身はもし大ピンチに陥ったら、どんなふうに対処しますか? 諦めずに食らいついていけるタイプですか?

松岡 どうでしょうか? 物事にもよりますが、仕事に関しては、最後まで諦めたくない方です。なぜなら、全員が諦めなかった作品でさえ、観る人たち全員に届くとは限らないから、私たちが諦めてしまったら、もっと届かなくなる気がして。役によっても違いますが、これは譲れないと思ったものは譲りたくないので、諦めないタイプかなと思っています。

――今回、パピのサイズに合わせて、全員がスモールライトで小さくなります。劇中ではしずかちゃんが牛乳風呂に入るシーンが印象的でしたが、松岡さんがもしもスモールライトを浴びたら、なにかやってみたいことはありますか?

松岡 やっぱり食に走る気がします(笑)。劇中で、オレンジのひと粒をまるでひと房のように頬ばっていましたが、あれはとても羨ましかったです。小さい高級チョコレートとか、いつも少しずつ我慢して食べているものをたくさん食べたいですね。でも、摂取カロリーは変わらないのかな?

――松岡さんは、子役時代に泣く芝居で、ドラえもんの感動的なシーンを思い浮かべて涙を出したこともあると公式コメントを出されていましたが、大人になって『ドラえもん』に向き合ってどんな思いを抱きましたか?

松岡 今回の映画では、今の時代に刷新されたアプローチをしつつ、仲間を大事にすることや諦めない心などのメッセージは、私が子どもの頃から発信してくれていたなとあらためて思いました。大人になると、みんな仕事があるし、守るものができて、気持ちだけではどうにもならないことが多くなります。でも、ドラえもんは押しつけではなく、時には逃げてもいいけど、諦めるのはやめようよと、ずっと言ってくれていたと、今作を観てあらためて感じました。

――そういう意味では、大人が観ても非常に心に染みますね。

松岡 大人になると、毎週『ドラえもん』をオンタイムで観ることは難しいですよね。私もそうですが、ちょっと距離の離れたところから、久しぶりにドラえもんを観てみると、ドラえもんはずっと同じ場所で、私たちを見守り続けてくれていたんだなと感じました。だからこそ、お子さんやファミリーだけではなく、大人同士でも誘い合っていただいて、映画館で観ていただきたいです。

――1年の公開延期を経て、ようやくこの春の公開が決まって良かったですね。

松岡 3月の公開になって良かった気がします。本作では、一歩踏み出す勇気や、新しい環境に身を置くことへの戸惑いなどが描かれているので、新学年になるお子さんや、小学生から中学生、中学生から高校生など、学校自体が変わる環境にいる方に、とても響くのではないかと思います。

原作を大好きな方も、85年版を観に行かれた方も、今回初めて観るという方々も、新しい4月を迎えるにあたり、ひとつ背中を押してもらうという意味でも、ぜひ観てほしいなと思います。

取材・文:山崎伸子
撮影:川野結李歌


『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』
上映中
(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2021

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