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「粛々と運針」開幕、加藤シゲアキが弟役の須賀健太に「どっちが兄かわからない」

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左からウォーリー木下、加藤シゲアキ、須賀健太。

NEWSの加藤シゲアキが主演を務めるPARCO PRODUCE「粛々と運針」が、本日3月8日に東京・PARCO劇場で開幕。初日に先駆け同日、劇場で取材会が行われた。

「粛々と運針」は横山拓也が作・演出を手がけ、2017年に初演された作品。PARCO PRODUCEによる本公演ではウォーリー木下が演出を務め、築野家と田熊家という2つの家庭の平凡な生活に潜む葛藤を通して、“命の物語”を描き出す。出演者には加藤のほか、須賀健太、徳永えり、前野朋哉、河村花、多岐川裕美が名を連ねた。

取材会には加藤、須賀、演出のウォーリーが登壇。四十代のフリーター・一(はじめ)を演じる加藤は、自身の役どころを「だらしなく、家族に甘えてすねをかじっている人」と紹介。本作の物語については「家族の話であり、宇宙の話だと思う。タイトルに“運針”とある通り、時計の針が進んだり、編み針でいろいろなものを編んだりするイメージもあります。小さな物語がどんどん広がって壮大なところに帰結するのが宇宙的」と分析した。

須賀が演じるのは、加藤扮する一の弟・紘(つなぐ)。須賀は「紘は兄と真逆のしっかり者で、兄に対していろいろな感情がある。複雑な思いを兄弟が会話でぶつけ合うのが見どころ」と話す。さらに須賀は兄役の加藤に「役柄とシゲさんのギャップがすごい。10分まで頼れるシゲさんだったのに、演技が始まるとダメな兄になってしまうので、観ていておかしくなるかと思いました(笑)」とコメント。これを聞いた加藤も「僕はこんなにどうしようもない役は初めて。健太の役も健太自身もしっかりしていて包容力があるから、どっちが兄かわかりませんね」と笑った。

演出のウォーリーは本作について「横山くんの台本は物語性が強いと同時に詩的な部分も多く、余白の大きさが魅力。観る人によっては、コロナや戦争といった分断、暴力とリンクさせることもできるし、もっと個人的な人生の悲劇、喜劇にも見える。写し鏡のような作品だと思います」と話す。またウォーリーは「僕も含めたスタッフの皆さんが、新しいことに挑んでくれた。糸が絡まる舞台美術も楽しんでください」と、ひびのこづえが手がけた美術をアピール。さらに「演劇って“人間力”だなと、つくづく思いました。僕が演出家として作った舞台の形を、キャストの6人とミュージシャンの2人が超えてくれた。動物園に動物を観に行く感じで、劇場で人間を観てもらえたら」と呼びかけた。

初めてウォーリーの舞台に立つ加藤は演出について「台本を読んだときは静かな話だと思ったけど、全然違うものになりました。こんなはずじゃなかった!(笑) たくさん身体を動かすし、視覚的でパフォーマンスの要素も多くて『あの台本をこう解釈することができるんだ』と驚きました」とコメント。ウォーリーが「最初は『そんなに動かなくて良い』と言ったんですが……結局変わりました」と苦笑いを浮かべると、「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』」シリーズなどでウォーリーとタッグを組んできた須賀が「今まで何度ウォーリーさんに『今回は動かない』と言われ、裏切られたことか!(笑) 今度こそ信じられると思いましたが、これほど身体を動かすことになるとは思いませんでした」と続け、記者たちの笑いを誘った。

最後に加藤は「全員そろって初日を迎えられ、ホッとしています。僕が昨年出演した舞台(『モダンボーイズ』)の大阪公演は中止になってしまいました。今回は大阪公演の千秋楽まで走り切りたい」とあいさつし、取材会を締めくくった。

上演時間は約1時間50分を予定。東京公演は3月27日まで行われ、その後4月8日から10日まで大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演される。

PARCO PRODUCE「粛々と運針」

2022年3月8日(火)~27日(日)
東京都 PARCO劇場

2022年4月8日(金)~10日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

作:横山拓也
演出:ウォーリー木下
出演:加藤シゲアキ / 須賀健太、徳永えり、前野朋哉、河村花 / 多岐川裕美