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鹿賀丈史&市村正親が普遍的テーマを鮮やかに描き出す! ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』

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ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』より、左から)鹿賀丈史、 市村正親

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1983年にブロードウェイで初演され、初演版と2度のリバイバル版のすべてがトニー賞作品賞に輝くという快挙を成し遂げた作品であり、日本でも1985年の初演以来たびたび再演されている人気ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』。1993年からは市村正親がザザ役を、そして2008年からは鹿賀丈史がジョルジュ役を当たり役としており、不動のコンビとして観客に愛され続けている。今井清隆、森公美子、香寿たつきらお馴染みのキャスト陣に加え、新たに若手ホープの内海啓貴と小南満佑子を迎えた2022年版『ラ・カージュ』が3月8日、日生劇場で開幕。前日に行われたゲネプロを取材した。

左から)鹿賀丈史、 市村正親

舞台は南仏のゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」。オーナーのジョルジュと看板スターのザザことアルバンは、クラブとつながった家で20年にわたって事実上の夫婦として生活し、ジョルジュの息子ジャン・ミッシェル(内海)を手塩にかけて育ててきた。そんな最愛の息子が結婚相手に選んだのは、よりにもよって、ゲイクラブを厳しく取り締まるべきだと主張する政治家を父に持つアンヌ(小南)。彼女がそのダンドン夫妻(今井&森)を家に連れて来ることになり、ジャン・ミッシェルは一晩だけでも“マトモな家族”に見えるよう、ずっと会っていない実の母親を呼んでほしいとジョルジュに頼み込むのだが――?

左から)鹿賀丈史、 小南満佑子、 内海啓貴、 森公美子、 今井清隆、 市村正親、 香寿たつき

左から)鹿賀丈史、 香寿たつき、 市村正親

……と、ストーリーは至ってシンプル。その中にある“家族の絆”という普遍的なテーマを、鹿賀と市村が鮮やかに、色濃く描き出していく。軽妙洒脱でエレガントな鹿賀ジョルジュ、男性として振舞うシーンが“男装”にしか見えない市村ザザとも、まるであて書きでもされているかのよう。

左から)鹿賀丈史、 市村正親

本作で長年コンビを組んできただけでなく、劇団四季時代からの盟友でもあるふたりが演じると、夫婦のシーンに本物の“20年もの”感が漂って味わい深い。内海ジャン・ミッシェルも、その屈託のない笑顔がジョルジュとザザから受けてきた豊かな愛情を物語り、“家族の絆”の表出にしっかりと貢献。キャスト陣ではまた、音大出身の歌姫といった印象のあった小南の、バレリーナと見紛うほどに華麗な舞も印象に残った。

左から)内海啓貴、 小南満佑子

普遍的なテーマに加え、華やかなゲイクラブのショーシーンもまた大きな見どころ。特に一幕終盤に畳みかけられる、きれいに踊れるから踊るのではない、私が私であるために、踊りたいから踊るのだ!と言わんばかりのダンスは胸に迫るものがある。オーケストラピットが、本ミュージカルだけでなくクラブのものでもあるという設定上、舞台と客席の間に存在感たっぷりに陣取っていることも手伝い、生の迫力が存分に味わえる作品だ。

取材・文:町田麻子 写真提供/東宝演劇部

ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』

東京公演は3月30日(水)まで日生劇場にて
その後、4~5月に名古屋、富山、福岡、大阪、埼玉の全国5箇所にて上演予定

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