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【祝・ウルフルズデビュー30周年 / 前編】多彩な楽曲群から「ズッと聴きたい」ものを再演したアルバム『ズ盤』と30年を振り返って

音楽

インタビュー

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トータス松本 (Photo:渡邉一生)

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今年でデビュー30周年を迎えるウルフルズ。これを記念し、過去の楽曲群の中から「ズっと聴きたい」ナンバーを選曲・再演したアルバム『ズ盤』をリリースした。

ウルフルズの名を世に知らしめたヒット曲「ガッツだぜ!!」をはじめ「ええねん」「借金大王」「あそぼう」といったシングル曲、さらに最新配信曲「タタカエブリバディ」などが収録されているが、再演されたいずれの楽曲にもタイトルの後「V」が付けられており、オリジナルとの間で差別化が図られている。

ここでは【祝・ウルフルズデビュー30周年】と題し、30周年にまつわる話を前編・後編に分けトータス松本(ヴォーカル・ギター)、ジョンB(ベース)、サンコンJr.(ドラム)に聞く。

前編の今回はどんな思いで『ズ盤』制作に至ったか、そして30周年という節目にあたっての話を中心に聞いた。

テーマに沿った選曲により、結果的にウルフルズの幅広さが出た

――今月リリースの『ズ盤』、そして、すでに発表された『ウル盤』『フル盤』といった一連の作品を作ろうと思ったきっかけはなんだったのですか?

トータス松本 2年ほど前、ちょうどコロナ禍が始まった頃に、黒田(ジョンB)が「2022年は30周年になるし、2年なんてアッという間に経つから、何か今から面白いことを考えたほうがいい」って言い出したのがきっかけやった。

まず「30」っていう数字が思い浮かんだんやけど、それに関連づけて、30曲セルフカバーでドーンと出したら面白いんちゃうかなと。それから、メンバー・スタッフで話し合ってアルバム3枚に振り分けて『ウル盤』『フル盤』『ズ盤』を作ることになったんよね。

ジョンB 節目やから、良い感じで迎えたいよね。僕は一時バンドを抜けていた時期もあるし、バンド自体が活動休止していた時期もあるけど、それでも30年間がんばってやってきた。30年間応援してくれたお客さんがおるし、みんなで一緒に何かお祝いができると良いなと思って。それで作ったのが『ウル盤』『フル盤』『ズ盤』やったんよ。

――『ウル盤』『フル盤』『ズ盤』いずれも「ウルっとくる」「フルえるような」「ズっと聴きたい」といったテーマに基づいた選曲になっていますが、ここで再認識したのがウルフルズの楽曲の幅広さです。たとえば「ウルっとくる」と言ってもバラードばかりとは限らず、アップテンポの曲もあったりして。特に『ズ盤』の「ズっと聴きたい」に合う楽曲は、その幅広さが顕著だなと思いました。

サンコンJr. そうそう。単に「ダンスチューン集」「バラード集」みたいな分け方ではなく、テーマを決めて、それに合う楽曲をそれぞれのアルバムに振り分けたんやけど、結果的にウルフルズの幅広さが出て。よくよく考えてみると、こんなに色んなタイプの曲をやるバンドって、他にあんまおれへんなってことも実感したかな。

サンコンJr.

――一般的には「背中を押してくれるような応援ソングが多いバンド」「楽しいことをしてくれるバンド」みたいな印象を持つ人もいますけど、それだけじゃなくて内省的な曲、シリアスな曲もいっぱいありますし。

ジョンB そう。言い換えると、誰もやっていないようなことを探しながら続けてきた30年やったんよね。『ウル盤』『フル盤』『ズ盤』を聴いてもらえると、ウルフルズの面白さが伝わると思う。

――それでいてセルフカバーと言っても、渋さなどもなく、どこかフレッシュな感じにも聴こえました。

トータス松本 単純に音の問題かもしれへんね。今回の再演のほうが、圧倒的に音も良いんよ。俺らも70年代のポップスとかが好きでいまだによく聴くけど、音だけで言うと、なんかやっぱりスカスカやねん(笑)。

それと同じで、『ウル盤』『フル盤』『ズ盤』はオリジナルよりも、はるかに音が良くなってると思う。せやからそこでも新しい発見があるかもしれへんよね。

今って音楽も多様化してるし、音楽が好きな若い人もいろんな聴き方をしてるでしょう。だから、むしろウルフルズのオリジナルに馴染みのない、若い人にはむしろ『ズ盤』のほうが馴染むかもしれないと思う。その時代ごとに聴いてくれた親の世代がオリジナルの曲を聴いて、その子供が『ズ盤』を聴いてくれる……こうなってくれるとうれしいよね。

サンコンJr. それこそウルフルズを30年間聴き続けてきてくれた人にとっては、元のバージョンが耳に馴染んで、その人のものになってるかもしれないよね。それはそれでホンマにありがたいことやけど、「今はこういう感じなんですよ」っていうのを提示できてると思う。ぜひ聴いてほしいです。

30年前のデビュー時の気分は「スタート」ではなく「ゴール」だった

――ところで、今から30年前を振り返ってみて、バンド自体がここまで続くと思われていましたか?

トータス松本 俺らは30年前の1992年5月13日、『やぶれかぶれ』っていうシングルでデビューしたわけやけど、振り返ってみると、そこがスタート地点やったんよ。でも、その頃の俺らにとっては、この日がむしろゴールやったんよ。

――どういうことでしょうか。

トータス松本 「俺はメジャーデビューしたぞ!」っていう(笑)。

一同 爆笑

トータス松本 もう走り終えてテープ、バーン切ってる状態(笑)。「田舎から大阪に出てきて、バンドを組んで、メジャーのレコード会社と契約したやつ、俺の他に誰がおる?」みたいな優越感しかなかったから(笑)。もうバカみたいやけど、だから30年後のことなんか全く考えてなかったし、10年後も20年後も同じでイメージなんて一切なかったね。

ジョンB 俺個人は楽器を始めたのが遅かったから、30年前の自分は「こんなんでプロになっていいのか」みたいな悩みを持っていて。「まぁデビューしたら、何か変わっていくんやろな」とか考えてたけど、上京してデビューしても、何も変わらなかった(笑)。

ただ、やがて伊藤銀次さんと出会ったり、当時のレコード会社の人たちと出会ってからは、バンドのエネルギーがギューっと集まって前に進んでいって。この頃のことは今でもよく覚えてる。

ジョンB

――ちょうど1994年から、1995年末の「ガッツだぜ!!」で大ブレイクするまでの頃ですね。

ジョンB そうそう。ウルフルズの持っている力が、それまではバラバラだったのに、ひとつになってうまく転がり始めたのはこの頃やと思う。

サンコンJr. 当時はわかってなかってんけど、俺もそう思うかな。時代ごとのバンドの状態って、そのときどきでは必死やから気づけへんもんやねん。でも、今になって思うと、やっぱり30年前のデビュー当時より、それから数年後のほうが、バンドが固まっていった感じはするかな。

これからは、そのときどきでやりたいこと、求められることを素直にやっていく

――トータスさんはどうですか?

トータス松本 「当時は気づかなかったけど、今になって思う」ってことで言うと、特に俺なんかは「ガッツだぜ!!」でウルフルズが売れたとき、“「ガッツだぜ!!」のウルフルズ”みたいに言われるのがイヤで。わざと「この先10年は『ガッツだぜ!!』で食っていきますよ」みたいな天邪鬼なことを言ったりしてたけど、今になって思うと、かえって肩に力が入っている感じやね(笑)。ただ、当時はマジでやってるんよね。

また、ウルフルズの曲を振り返ってみると、「こうしたい」「こうありたい」みたいな思いが先走ってスリップを起こしたり、空回りすることもあったけど、意外と自分の思惑とは違うものが評価されることが多かったりして。

トータス松本

例えば「後世にも残る曲を作りたい」と思って作った曲よりも、「え? この曲が人気出るんや」みたいな曲のほうがヒットしたりして。30年を振り返ってみると、そういうことの連続やったね。

せやから、『ウル盤』『フル盤』『ズ盤』で改めて各時代の楽曲を再演して、再認識することはすごくあった。同時に「この先はもう考えないでやる」と思うようにもなったかな。「先を考えない」「目標を持たない」っていう。そのときどきでやりたいこと、求められることを素直にやっていく……それがウルフルズの一番正しいあり方なんちゃうかなーと今は思ってる。

ジョンB 先のことはわからへんし、そのときどきで一生懸命やるだけっていう。

ただひとつ、僕が思うのは、ウルフルズではカラッとした音楽をしていきたいなっていうこと。ウルフルズは応援ソング的な曲もあれば、後ろ向きな曲もあるけども、なんかどの曲もジメっとしてないんよね。この感じがウルフルズやと思うし、これだけは守って続けていけたら良いなと思う。

サンコンJr. ウルフルズはバンド自体はもちろん、スタッフも含めてみんなそうやけど、いつも笑顔ではいるんよ。でも、それぞれに緊張感があって、「絶対にこのレベルにはいく」みたいな。そういう良い意味での緊張感をもちつつ、松本くん、黒ちゃん(ジョンB)が言ったような感じでさらに進んでいけたら良いなと思う。

後編に続く

Text:松田義人 Photo:渡邉一生

<リリース情報>
ウルフルズ セルフカバーアルバム『ズ盤』

2022年3月23日(水) リリース

ウルフルズ『ズ盤』ジャケット

●初回盤(CD+Blu-ray):5,500円(税込)
●初回盤(CD+DVD):4,840円(税込)
●通常盤(CD):3,300円(税込)

【CD収録内容】
・ガッツだぜ!! V
・借金大王 V
・歌 V
・愛してる V
・あそぼう V
・年齢不詳の妙な女 V
・相愛 V
・僕の人生の今は何章目ぐらいだろう V
・タタカエブリバディ
・ええねん V

【Blu-ray / DVD収録内容】
・ウルフルズ30周年プレ・イヤー 2021-2022お宝探しの旅
・フル盤 ザ・ムービー『稲川淳二のフルえる話』ディレクターズカットver.
・「タタカエブリバディ(demo ver.)」Music Video

予約リンク:
https://victor-store.jp/artist/16003294

<ライブ情報>
“ウルフルズ 30th Anniversary Special Live”OSAKAウルフルカーニバル ウルフルズがやって来る!ヤッサ!やります!30曲 V

5月21日(土) 大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場
開場 13:00 / 開演 15:00
※雨天決行・荒天中止

【チケット情報】
■前方シートエリア
大人:9,500円(税込)
子供:4,500円(税込)
※オリジナルレジャーシート付

■後方シートエリア
大人:9,000円(税込)
子供:4,000円(税込)
※オリジナルレジャーシート付

※全エリア3歳以下入場不可。
※子供チケットは公演当日4歳以上10歳以下のみが対象、かつ保護者同伴のうえ入場可。
※前方・後方エリアいずれも指定サイズ(75cm×75cm)より大きなサイズのレジャーシート使用不可。
※前方・後方エリアいずれもブロック指定・整理番号付。
※本公演のチケット代には、販売事務手数料1,100円(税込)が含まれております。公演中止、公演日程延期などによりチケットの払い戻しを行う場合、上記販売事務手数料を差し引いた額の払い戻しとなります。販売事務手数料は、公演実施費用および中止・延期費用等に充当させていただきます。
※チケット料金に自然文化園入園料は含まれておりません。

■チケット先行受付
・ぴあアプリ先着先行受付:3月29日(火) 23:59まで
https://lp.p.pia.jp/article/news/222836/index.html

・『ズ盤』リリース記念先着先行受付:3月29日(火) 23:59まで
https://w.pia.jp/t/ulfuls-yassa22/

■チケット一般発売
4月3日(日) 10:00から
https://w.pia.jp/t/ulfuls-yassa22/

ヤッサ特設サイト:
http://www.ulfulsspecial.com/yassa2022/

ウルフルズ『ヤッサ!やります!30曲 V』告知映像

関連リンク

ウルフルズ 公式HP
https://www.ulfuls.com/

ウルフルズ Official Twitter
https://twitter.com/ulfuls_official

トータス松本 レギュラーラジオ番組:FM COCOLO 「Got You OSAKA」
https://cocolo.jp/service/homepage/index/7140

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