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瀬戸康史が考える自信の持ち方「大事なのは大きな出来事より、小さな積み重ね」

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最近の瀬戸康史は、なんだかとってもいい顔をしている。たったひとりで地元の福岡から上京してきたのが17歳のとき。それから20代前半までの6年間は、人に心をうまく開けない暗黒期だったとしばしば彼は語っている。

でも今はそんな鬱屈とした闇なんて感じさせないくらい、表情も明るく清々しい。

世の中には、自分なんてダメだと思っている人がいっぱいいる。3月18日(金)から Prime Videoにて独占配信されるドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』も、自分に自信が持てないヒロインが恋を経て変わっていく成長物語だ。

瀬戸康史が演じるのは、主人公・聡子(波瑠)の恋の相手である涼介。作品にちなんで、瀬戸康史が考える「自信の持ち方」について聞いてみた。

僕自身はあんまり裏表のない方だと思います

本作は、司書の聡子が図書館にやってきた涼介にひと目ぼれするところから幕を開ける。スマートで紳士的な涼介は瀬戸康史にぴったりの役どころ。だが、単に爽やかな王子様というよりも、素性も真意も謎めいたところがあるミステリアスなキャラクターだ。

「すごく優しいんだけど、どこかこの人はどういう人なんだろうと思わせるキャラクターですよね、涼介は。意識したのは台本にある『……』の部分。この『……』で何を涼介は考えているのか。聡子を見て微笑むんだとしたら、それはどういう微笑みなのか。聡子のことが好きというふうに見てもらってもいいし、実は裏があるんじゃないかと見てくれてもいい。視聴者の方にいろんな想像をしてもらえればいいかなと思って演じていました」

監督の前田哲も、さり気ない一挙手一投足にこだわりを込めた。

「あるシーンで立ち去り方について監督からはオーダーをもらいました。監督曰く『もっとせつなげに』ということだったんですけど、その塩梅が難しくて。あまり大きくしすぎるとやりすぎになるし。微妙なさじ加減に苦戦した記憶があります」

持ち前の爽やかで誠実なパブリックイメージが涼介を演じる上でプラスに作用した、と監督も太鼓判を押している。本人はそうした世間の印象をどう受け止めているのだろうか。

「どうなんですかね(笑)。でも、そうやって誠実というイメージを持ってもらえる分にはいいんじゃないですか。僕自身、あんまり裏表のない方だと思います。性格も結構きちっとしている方だと思うし、朝もすぐに起きられるし。わりとこまめな方なんじゃないかと」

確かにズボラな瀬戸康史は想像ができない。だが、まったくそういった要素がゼロというわけでもないのだそう。

「面倒くさいモードに入ると、何もかも面倒くさくなります。たとえば、夕食を食べて、お風呂上がりに炭酸水を飲むときにコップを使ったら、本当はその日のうちにコップを洗いたいんですけど、つい明日の朝でいいかってなる(笑)。僕の面倒くさがりレベルはそれぐらいです」

変わろうという気持ちを持てることがすごいと思う

涼介に恋をした聡子の前に現れたのは、フランス文学『恋愛論』の作者・スタンダールだと名乗る謎の男(小日向文世)。恋愛経験ゼロの聡子は、スタンダールのアドバイスに振り回されながら、少しずつ涼介に近づいていく。

「恋愛論については興味がないです(笑)」

そうにっこりと笑う。だが、恋愛論に興味はなくても、作品の中で描かれるメッセージにはうなずけるものがあったと振り返る。

「スタンダールからのアドバイスに最初は聡子も抵抗しているんですけど、ひとつひとつ試してみることで変わっていく。そんなふうに自分でやりたくないなと思っていることとか、大丈夫かなと不安に思うことでも、まずはやってみることが大事なのかなと。やってみることで、自分の知らない新しい世界が見えてくる。そこはすごく共感できました」

自分に自信のない聡子は、スタンダールにアドバイスされても、なかなか自分の外見的魅力を見つけることができなかった。他人から良いと評価されたところも、心を閉ざしたままでは受け入れられない。瀬戸康史も、かつてはそうだった。
「僕も若いときは、どちらかと言えば可愛らしい顔立ちがコンプレックスでした。でも、それも含めて自分なんだと受け入れられるようになってからは、気持ちが楽になったし、役者としてもこの顔が武器なんだと思えるようになりました」

故郷を離れ、芸能界という未知の世界で、悩み、塞ぎ込んでいた瀬戸康史は、ありのままの自分を受け入れることで、自分を認められるようになった。

「自信を持つって難しいなと思います。やっぱり時間はかかります。一発で何か劇的に自分を変えようというのは、僕は無理だと思う」

そう前置きをしてから、穏やかな口調で瀬戸康史は言葉を重ねた。

「僕が自分の容姿を受け入れられるようになったのも、何か大きなきっかけがあったというわけではないんです。本当に、徐々に徐々にという感じで。よくこういう取材でも『自分を変えてくれた恩師との出会いは?』という質問をもらったりするんですけど、あんまりなくて…。それは別に周りに感謝の気持ちがないという意味ではなく。何て言うんだろう。たぶん人が変わるのって、そういう大きな出来事じゃなくて。日々の小さな積み重ねなんじゃないかなって」

確かに、つい人は人生にドラマみたいなターニングポイントを求めがち。でも、多くの人にそんな劇的なことは起こらない。だからこそ、何気ない毎日をどう生きるかで、自分も、未来も、変わっていく。

「自信の持ち方は人それぞれでいいと思うんです。僕の場合は、とにかく自分を客観視して、自分の嫌だなと思っていることをひとつひとつ受け入れていく、その繰り返しでした。聡子みたいに髪を切るとかメイクや服装を変えるとか、外見から入るのもいいと思う。方法は人それぞれ違ってくるのかなと思うけど、共通して言えることは、やっぱり時間がかかるということです」

そうまとめた上で、いちばん大切なことを瀬戸康史は教えてくれた。

「実際に変われるかどうかはわからなくても、まずそうやって変わろうという気持ちを持てることが素敵だし、すごいなと思います」

そう、大事なのは意志なのだ。意志をもって行動を起こした人に、道は開かれる。

僕の自己肯定感は75%くらいです

俳優は、作品ごとにタッグを組む相手も違えば方法論も異なる。過去の成功体験が次の現場で通用しないのが、俳優業の難しさだ。そんなふうに一定期間でめまぐるしく環境が変わっていくこの仕事において、瀬戸康史が自信を持って現場に入るために実践していることは何だろうか。

「人と話すことです。結局、自分にとって居心地のいい環境をつくることが大事だと思うんです。そのためには、いろんな人と話すのがいちばん。話す内容なんて何でもいいんです。たとえば待ち時間の間に、そばにいた照明部の方に『今日は暑いっすね』と声をかけたり。そうやって少しずつ自分がいやすい環境をつくっていくことで、自分もいい状態でいられるのかなと」

ここでもやっぱり大事なのは、小さなことの積み重ねなのだ。

ちなみに、自分の可愛らしさを受け入れられるようになったと言うが、過去の自分の映像や写真を見返すことはあるのかと聞くと…。

「それはしないです。やっぱり恥ずかしいです(照)」

そんな照れ屋なところも、いつまでも変わらない彼の魅力だ。自分のコンプレックスも欠点も受け入れ認める。そうやって自信を身につけてきた。今、自身の自己肯定感をパーセンテージで表すならどれくらいだろうか。

「え〜。(考えて)…75%くらい?」

ここで100%じゃないところが、瀬戸康史らしさなのだろう。

「わからないですけど、自己肯定感が100%だと自己中な人間になってしまいそうで…。アーティストの方だと、そこまで振り切ってもいいのかもしれないけど、僕がそうなってしまうのは違うのかなと。そもそもそこまで人としてできているわけじゃないというか。基本的には、自分ごときが…と思ってしまう人間なので、75%くらいがちょうどいいんです」

慢心はせず、過剰に自虐もしない。程よく自分を肯定できるようになった瀬戸康史は、やっぱりとってもいい顔をしていた。

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撮影/友野雄、取材・文/横川良明

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