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加藤紗希×豊島晴香による4章のオムニバス「距ててて」劇場公開が決定

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「距ててて」

「距ててて」の劇場公開が決定。あわせて予告編がYouTubeで解禁された。

本作は、振付師で俳優の加藤紗希と豊島晴香の創作ユニット「点と」が製作した初の長編映画。加藤演じる写真家を目指すアコと豊島演じるフリーターのサンを主人公とした、4章からなるオムニバス作品だ。第43回ぴあフィルムフェスティバルで観客賞を受賞し、第22回TAMA NEW WAVEコンペティション部門と第15回田辺・弁慶映画祭に入選した本作が今回初めて劇場公開される。短編映画「泥濘む」に続き加藤が監督、豊島が脚本を担当した。

予告には、アコとサンが住む木造の一軒家に不動産会社の男がやってくる「ホーム」、立てこもりをする女と口下手な男の喧嘩にサンが巻き込まれる「かわいい人」、アコのもとに不思議な少女が現れる「湯気」、口論したアコとサンがちぐはぐな旅に出る「誤算か憧れ」の各章の一片が収められた。劇場公開決定にあたり、五十嵐耕平、いとうせいこう、ウスバアミ、酒井善三、高橋洋、前田弘二、松林うららから到着したコメントは以下の通り。

「距ててて」は5月14日より東京・ポレポレ東中野で公開。

五十嵐耕平(映画監督)コメント

2人の暮らす家によく知らない人が入ってきたり、人の家に行ってみたら理解し難い関係性のカップルが喧嘩してたりする。この世の中には圧倒的な他者がいて、くっついたり離れたりしているんだよねってことが、こんなに牧歌的に成し遂げられるとは思っていなかった。
それだけじゃなくて、すでにこの世にいない者、過ぎ去った時間も、ちゃんと他者としてこの世界に今もある事として描かれていて、それは僕たちをいろいろな距離の呪縛から解き放ってくれる。
今この時代にそう思わせてくれるこの映画に、なんだかすごくワクワクする。

いとうせいこう(作家 / クリエイター)コメント

それぞれが不思議な話なのに、底流には人間の確かな生活感がある。映像作品が忘れがちな本当の、当たり前の、汗ばんだ時間が。

ウスバアミ(TAMA映画フォーラム実行委員)コメント

停滞気味で微妙に息苦しい日々も、些細な出来事たちが積み重なり少しずつ変化していく。
そうしているうちに、過去から今までの点と点が繋がり、視界が開けたような喜びを手にする瞬間が突然訪れたりする。
「距ててて」にはそんな生活の難しさや面白さが詰まっていて、わたしもやっていくぞ~!と元気をもらえた。

酒井善三(自主映画監督)コメント

無邪気でも、皮肉でもない、独特のユーモア!
リアルにいるようで、いないような、異様なキャラクター!
意味不明に爽やかな読後感!
他の何にも似ていないが、なんなんだコレは!! 怪・快・傑作です!

しかし人との距離感って、ホントこんな風に、一筋縄ではいかないよな……。

高橋洋(映画監督 / 脚本家)コメント

家が一つの小宇宙のように感じられ、そこでは事物や訪れる人との不思議な妖怪めいた交感が起きている。実は誰もがよく知っていながら、キャメラが向けられて来なかった感覚の領域に映画は踏み込もうとしているのか。それはあの懐かしく哀切な「第七官界彷徨」の世界に近いとも言える。

前田弘二(映画監督)コメント

加藤さん豊島さんの、なんとも言えない2人の距離感が可笑しくて何度も笑いました。
目の前でとんでもない事が起きても、ま、いっか!って思わせる、無敵な力が漂ってて爽快です。
どこへ向かうか分からない2人のロードムービーを、このままずっと観ていたい。

松林うらら(女優 / プロデューサー)コメント

伸びやかなシスターフッド映画だった。
誰からも惑わされていなかった。
彼女たちは、お互いの余白に寄り添おうとしなくても、 目には見えない何かで繋がっている。
お互いのズレを楽しみ、等身大の関係性を保っている。 生き生きとした豊かな時間だった。
2人の空間をずっと眺めていたかった。