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福山雅治「全力でぶれいこかせていただきました」 声優を務めた『映画おしりたんてい シリアーティ』アフレコレポート

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『映画おしりたんてい シリアーティ』福山雅治のアフレコ現場

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シリーズ初の単独長編『映画おしりたんてい シリアーティ』が公開となった。それに伴い、今回はシリアーティ教授を演じた福山雅治のアフレコ現場のレポートをお届けする。

累計発行部数900万部を超えるトロル原作の大ヒット児童書シリーズ『おしりたんてい』(ポプラ社刊)。2018年12月からテレビアニメ放送がレギュラー化し、個性豊かなキャラクターや謎解き、「しつれいこかせていただきます」の決めゼリフとともに犯人を追い詰める必殺技などで人気だ。

『映画おしりたんてい シリアーティ』は劇場版『映画おしりたんてい』4作目にして初の長編作品。また「超特大サイズのスイートポテト」作りを描く短編『映画おしりたんてい夢のジャンボスイートポテトまつり』も同時上映となる。

本作にはいつも冷静に、ププッと事件を解決してきたおしりたんていの前に、最悪で最強の敵が立ちはだかる。その名は「シリアーティ」。不可解な事件、ワンコロけいさつにしかけられた罠、そして絶体絶命のピンチが訪れる。ダメージを負い、戦意を失ってしまう彼を奮い立たせたものとは…。



福山が劇場アニメで声優を務めるのは『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』(2011年)、『未来のミライ』(2018)に続き3度目。彼が担当するシリアーティは、同シリーズ史上最強の敵という役どころ。目的のためなら手段を選ばない冷酷な犯罪者で、福山のキャリアで“初”となる完全なるダークサイドの役だ。

「CVという深淵なる表現の場においてはほぼ新人」とコメントしていた福山だが、アフレコは順調そのものだったという。

まず予告にも登場したIQ1104の名探偵・おしりたんていとシリアーティの出会いのシーンや迫力のある戦闘パートを軸に、映画全体の温度感やイメージをチェック。そこから、シーンごとに細かく調整を入れていくという流れでアフレコが進んだ。

テストで演じたセリフをベースに、イントネーションや声のボリューム、テンポやタイミングなどを調整する中で、ひとつのセリフに対し数パターンの表現を率先して提案していく。監督らスタッフサイドから「どんどん良くなっていく」、「どれを選ぶか悩ましい」という声が出る場面も。

「OK!」が出た際も「一応、別パターンもやってみましょうか?」、「こんな感じはどうですか?」とバリエーションのストックを増やしていき、調整室では「そのパターンもいいかも」、「なるほど」という言葉が飛び交った。また「カッコ良すぎて録り直し」となるなど、クールな声の福山らしいNGが出るのも印象的。

シリアーティがなぜ悪の天才教授として事件を起こしたのか、おしりたんていに対してどのような感情を抱いているのかなど、事前に制作スタッフと話しながらシリアーティの理解を深めていた福山。シリアーティとおしりたんていの対峙時に交わす会話の内容に注目となる。

また頭脳戦もさることながら、激しい戦闘シーンも今作の見どころ。おしりたんていとシリアーティの対決シーンでは、お馴染みの必殺技に対し、シリアーティも強烈な必殺技で応戦する。おしりたんていの「しつれいこかせていただきます」に対抗するシリアーティのセリフは「ぶれいこかせていただこう」。

ダークな雰囲気に謎めいた空気がほどよくブレンドされており、史上最強の敵にふさわしい。出会いのシーンで意味深に語った「光と闇ではどちらが上か。じきにわからせてやる」というセリフが意味する結末も気になるところだ。

そしてアフレコ中、一番多くパターンを試した言葉は謎の秘宝「お・パーツ」。シリアーティが狙う秘宝でホーホー博物館に眠っている。さまざまなパターンの「お・パーツ」を試しながらたどり着いた秘宝の発音にも注目してほしい。

さらに監督がテスト後にアドリブをリクエスト予定だったシーンでは、テストの段階からアドリブ入りで対応し「お願いしようと思っていましたが、完璧です!」と絶賛の声。アドリブの指示は「吐息を入れること」だったが、福山自身も自然に出していたようで「入っていました?」と確認しており、シリアーティのキャラクターが既に馴染んでいる様子だった。

ところで映画ではシリアーティが、とあるエキスを口にするシーンが登場する。エキスは飲むと体に副作用のような効果が出るため、セリフと症状を同時に表現しなければならないシーンなのだが、ここでも福山は何パターンかの演じ方を提案。実際に飲み物を飲んで挑むバージョン、飲み物を使わずに飲む演技をするバージョンなどリアルな表現を追求する。

また、シリアーティがワンコロけいさつを翻弄するシーンでも数パターンを試した福山。最終的に「おもしろい!」と監督らスタッフ一同が声を揃え、調整室で思わず笑ってしまうスタッフもいた。

福山は休憩中もひとりブースに残り、台本をチェックし、喉の調子を整えるなどストイック。結果、アフレコ終了時に「慣れない作業で時間がかかってしまい、すみません」と監督に伝えつつ、実際には予定より1時間以上巻いて終了するスムーズな現場となった。



アフレコを終えた福山へのインタビューは以下の通り。

――『映画おしりたんてい』シリーズの4作目、初の長編作。記念すべき本作でシリーズ史上最強の敵・シリアーティを演じた感想をお願いします。

声のみで演じるということにおいてほぼ新人の僕が、おしりたんてい史上最強の敵役に抜擢していただいた事を大変光栄に感じています。映画館にご来場の皆様に、そしてこの映画に携わる監督さんをはじめとするスタッフの皆さんたちに納得していただけるよう、全力でぶれいこかせていただきました。

――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?

僕の収録は後半で、キャストの皆さんの声が入った状態での収録でしたので、色んなアプローチを試すことが出来ました。不慣れな現場ですので難しさはもちろんありましたが、それ以上に収録現場を楽しむことが出来ました。

――キャリア初となる完全なるダークサイド役。演じるうえで意識していたこと、こだわったこと、おすすめポイントを教えてください。

当日の現場では最後のシーンまで収録をした後に、もう一度最初のシーンから台本の半分ほどまでを録り直しさせていただきました。発声の仕方もそうですが、収録の半ば頃からやっとシリアーティという役柄が掴めてきたので。納得いくまでお付き合いくださったスタッフさん達には感謝しかありません。

――ご覧になる皆さまにメッセージをお願いします。

全世代で楽しめる映画になっていると思います。今の時代に正義とは何か? 深い問いかけもある今作を、多くの方にご覧いただきたいです。ぜひとも映画館にてご鑑賞よろしくお願いします。

『映画おしりたんてい シリアーティ』
公開中