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「Ribbon」特撮の裏側とは?のんが樋口真嗣と舞台挨拶で対談

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「Ribbon」舞台挨拶の様子。左からのん、樋口真嗣。

映画「Ribbon」の舞台挨拶が本日3月27日に東京・テアトル新宿で行われ、監督・主演ののん、特撮を担当した樋口真嗣が登壇した。

本作はコロナ禍で青春を奪われた美術大学生の姿を描く物語。のん自ら卒業制作展の中止に直面する主人公のいつかを演じた。上映後の舞台挨拶は2人の対談形式で進行。のんは「今日は樋口監督に来ていただいたので、いろいろお話を聞けたらなと思います」と質問していく。

いつかの心情にリンクして動くリボンを特撮で表現した樋口。のんが「オファーがきたときどう思いましたか?」と率直に尋ねると、樋口は「特撮の担当者が何をするべきか?は、監督の持っているイメージをなるべく的確に簡潔に表現してOKをもらうこと。だから『OKをもらえるかな……』って(笑)」と回想する。「のんちゃんがやりたいと思っていることをちょっとだけ上回りながら、のんちゃんがいいと思うことをやる」と続けながら「『のんちゃん』じゃない『監督』ですよ。すみません、監督」と恐縮する一幕も。

当初はリボンを特撮ではなく、CGで表現する案もあったそう。樋口が「世の中的にはCGでやることが多い。でもCGは本物に見えないところから始めるから『これは本物に見えるんだろうか』と疑い続けてしまう。スタッフに作ってきてもらっても『これダメじゃん』となったら作り直してもらう。でも落としどころは決めなくちゃいけない。人間関係も崩壊して地獄絵図ですよ。CGを疑う、と言うより、CGを作ってるスタッフを疑うわけですから」と語ると、のんは「CGにしてたら、樋口監督と私の関係が最悪なものになってたかもしれないですね」と笑う。

そして樋口は特撮にこだわった理由を「リボンはいつかの感情が可視化されたもの。でも、それだけじゃなくて、いつかが作る作品の一部でもある。物としてそこに存在するリボンがCGになった瞬間に『さっきと違う』ように見えちゃう気がしたんです。だったら、同じ質感のものを実際に現場で動かして撮影して監督に『好きか嫌いか』を判断してもらうほうがよかった」と明かす。

「こんな撮り方するんだ!という驚きがいっぱいあって、本当に刺激的で面白かったです」と特撮の制作過程を振り返るのん。重力に逆らうように、いつかの周囲を浮遊するりぼんは、水槽の水に浮かべたリボンを撮影したものを合成する形で表現したそう。またリボンの銃を突きつけるような動きは「ブルース・ブラザース」におけるラストの描写を参考にしたというエピソードも。のんは「リボンがないと成立しない映画。本当にいいリボンが撮れました」と胸を張った。

(c)「Ribbon」フィルムパートナーズ