アピチャッポンのVR作品など、全プログラムが明らかに 国際芸術祭「あいち2022」7月30日より開催
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「あいち2022」3月30日記者会見の様子
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すべて見る国際芸術祭「あいち2022」が、7⽉30⽇(土)から10⽉10⽇(月・祝)まで、愛知芸術文化センターや愛知県一宮市、常滑市、名古屋市有松地区を舞台に開催される。開催まで4か月を切った3月30日(水)、国際芸術祭「あいち2022」の記者会見がハイブリッド開催され、その全貌が明らかとなった。
国際芸術祭「あいち2022」は、世界32の国と地域から100組のアーティストが参加し、現代美術、パフォーミングアーツ、ラーニングなどの事業が行われる。愛知県出身のコンセプチュアル・アーティスト、河原温の作品《I Am Still Alive》シリーズから着想を得て、「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」がテーマとなっている。記者会見では、芸術監督の片岡真実が概要を説明し、各事業のキュレーターやアドバイザーが内容について話をした。
この「あいち2022」で見ることができる現代美術は、日本や世界各地で活躍する82組のアーティストやグループによる最先端の作品が多い。絵画、彫刻、写真や映像、ポエトリーと幅広いジャンルにわたり、記者会見で新たに参加が発表された、縄(愛知県芸チーム initiated by 奈良美智)のようなユニークなコレクティブもある。こうしたさまざまな作品から、愛知という「ローカル」から多層的な「世界」を巡ることができる。
2つ目の柱である、パフォーミングアーツも、「これまで見たことがない」作品が目白押しだ。フルクサスのメンバーとして活躍した塩見允枝子によるパフォーマンス作品、ジャンルを越えて刺激を与える作曲家ジョン・ケージやスティーヴ・ライヒの作品による公演、さらに古典バレエ「ジゼル」や土方巽を再解釈した作品など、多様性にあふれる10演目程度を上演予定だ。
そして、ビジュアル・アーティストの大御所ローリー・アンダーソンと台湾の黄心健のコラボレーションのように、世界のアートシーンでも注目を集めるVR技術を使った作品も並ぶ。記者会見では、来日したタイのアーティスト、アピチャッポン・ウィーラセタクンが登壇。作曲家の坂本龍一のサウンドや日本のクリエイターとともに、彼が初めて手掛けるVR作品について、その「分からなさ、不確かさ」が「芸術や人間とは何か」という問いに通じる、と話した。
他にも、レクチャーやワークショップ、対話を通じた鑑賞といった「ラーニング」、愛知県内の美術系大学や文化施設との連携事業など、プログラムが満載だ。会場は愛知芸術文化センター、一宮市、常滑市、名古屋市有松地区と愛知県内を網羅しているため、お得なフリーパスが有効だろう。こうした町の観光やグルメといったものも楽しみながら、作品鑑賞することがオススメだ。まだまだコロナ禍で先行きが見えない中、「あいち2022」を通して、愛知県内を動きながら実際の作品を見て回ることで、世界と私たちのこれからを考えていきたい。
【開催概要】
会期:7月30日(土)~10月10日(月・祝)【73日間】
会場:愛知芸術文化センター/一宮市/常滑市/有松地区(名古屋市)
「現代美術展」チケット:
(フリーパス一般)前売券-2500円 会期中販売券-3000円
(フリーパス学生/高校生以上)前売券-1700円 会期中販売券-2000円
(1DAYパス)前売券-1500円 会期中販売券-1800円
(フリーパス学生/高校生以上)前売券-1000円 会期中販売券-1200円
https://aichitriennale.jp/
※前売り券は4月1日(金)より発売中
取材・文:藤田千彩
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